ドローン元年と呼ばれた平成27(2015)年から4年、今やドローンは身近なツールとなっている。
自治体では今後どう活用できるのか、純国産ドローンを開発する自律制御システム研究所(※以下、ACSL)の六門 直哉さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークス防災・危機管理号Vol.2(2019年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 株式会社自律制御システム研究所(ACSL)
災害時の迅速な情報収集を行うために
近年、メディアをはじめ土木、農業、物流など多方面でのドローン利活用が進んでいる。中でも我々が注目すべきは、防災面での活用だ。大規模な自然災害が多発している昨今、災害対応の初動は「まず状況の把握を」という流れになっている。総務省も民間事業者と協定を結び※、災害時の迅速な情報把握に向けたドローンの活用を推進している。
事実、ドローンは従来不可能だった場所への接近を容易にし、情報収集速度を格段に上げた。ACSLもこういった災害時の情報収集活動に多く参加している。「たとえば、平成29(2017)年7月九州北部豪雨の際も、官公庁からの要請を受けてドローンを飛行させました。使用したのは高速空撮用のカメラを搭載したドローンです」。
この機種は、ACSLが開発した産業用ドローンで、いわば最新技術の集大成だ。しかし、このような機体と一般向けの製品との違いを認識せずに「ドローン」と一括りにしている機関や自治体があることに危機感を持っていると六門さんは語る。
インタビューに答える六門さん
ドローンには大きく分けて、ホビー用と産業用のものがある。この違いを六門さんは次のように説明する。「ホビー用ドローンはあくまでも個人向けで機能も限られています。産業用ドローンは用途に応じて機能を拡張し、悪条件下での耐性を備えて商品化されています。両者は別物と考えた方がいいでしょう」。
また、国産と外国製品との違いも重要だ。現在国内で使用されている外国製ドローンの多くは中枢部分がブラックボックス化されておりカスタマイズできない。また、この中枢部分についてはオープンソースのものも存在するが有事の際に責任の所在がないことや解析に時間が掛かるケースがあることが懸念事項として挙げられている。さらに、ソフトウエアのアップデート時にはインターネットに接続する仕様のものが大半だが、これについてのセキュリティ問題も示唆されており、アメリカ政府は中国製ドローンによる情報漏えいについて警告を発している。
こうした問題に対し、ACSLの製品は国内生産・自社開発を徹底し、基本的にインターネットには接続せずに自律飛行をする。離着陸まで全自動で行うため、使う人を選ばない。この機能は災害時において非常に有用だ。
災害用ドローンの整備は未来の常識に
前述のような機能をフル活用し、ACSLは各地でドローンを飛ばして災害対応などに貢献している。この情報収集力を自治体が持てば、災害発生時の「迅速かつ的確な救助・支援」と「救助者の安全確保(二次災害の防止)」の両立が可能になる。様々な防災ツールの一つとして活用されているドローンだが、新しい機能が続々と開発され、飛行距離も延びている。その進化にあわせ防災における重要度も増していくのは確実だろう。自治体の災害対策においてもドローンの活用が当たり前になる未来は目前まで来ているのかもしれない。
災害時の迅速な情報収集に!トップクラス性能のドローン
社会的注目が高まる以前からドローンを取り扱っていたACSL。災害支援に特化した開発を進める同社では、「純国産」「自社開発」という旗印のもと、自律飛行可能な“空の目”で日本を災害から守ろうとしている。
災害用産業ドローンとは
個人の娯楽を主目的に作られたホビー用ドローンは、比較的廉価で、飛行+撮影の機能のみを持つものが中心。それに対し産業用ドローンは、用途や機種に応じて価格帯が広く、機能も目的に特化したものが多い。防塵・防水などの処理もされているため一定の悪条件にも耐えられ、一般的なホビー用よりも飛行可能な範囲が格段に広い。
利用者の声
山と海に囲まれた地域で、遭難や山火事の対策が必要であるにも関わらず小規模な消防組織であるため、マンパワー不足解消の一環でACSLのドローンを導入しました。外部委託も考えましたが、近隣に事業者がなく、防災ヘリも到着に時間がかかるため、事故や災害に即対応するには自前のものが必須でした。導入機体は赤外線カメラ搭載で、大きくて重量もあり、風の中で飛ばしても安定感充分。国産なのでメンテナンス面も安心です。有事の備えとして心強く感じています。
岩手県A市 消防本部のAさん
ACSL社の災害用産業ドローンの特徴
1.未経験の職員でも操作可能
完全自社開発の国産自律オートパイロットを搭載。プロポ(コントローラー)を必要としない完全自律飛行が可能なので、操作に不慣れな自治体職員でも簡単に使用できる。また、独自の画像処理技術を駆使した自己位置推定技術によりGPSが使えない橋梁下や室内でも飛行が可能な技術も開発中。
2.自社開発ゆえに柔軟な対応が可能
ドローンの頭脳・フライトコントローラーをはじめ、機体、カメラやセンサーなどのアプリケーション、地上局システムを全て自社開発。ニーズに合わせたカスタマイズを実現している。
3.安心の純・日本製
純国産だからできる迅速かつ細やかなアフターフォロー。製品も過酷なテストを繰り返して商品化されているので信頼度が高く、日本独特の気候や災害時の悪条件にも耐えられる。
4、導入・活用実績
■平成29年7月九州北部豪雨
官公庁の要請を受け現場写真を大量に撮影しルートを確認
■県を挙げてのドローンオペレーション
災害時の状況把握のために地方自治体や消防関連に50機以上配備 ※県名非公開
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