近年、男性の育児休業・休暇取得が注目されている。国の少子化対策の一環として取り組まれており、男性の育休取得が女性同様になると、女性側の継続就業にも改善が期待できるだろう。「女性だけが就業を諦めなければいけない社会を変えて行こう」という動きが全国的に生まれ始めている。
国家公務員の育休取得率は年々上がってきている。そこで気になるのが、地方公務員男性の育休事情ではないだろうか。
今回の記事では全国の育休取得経験のある地方公務員男性にアンケートを行った。
仕事での混乱はあったのか、家庭及び仕事上での工夫は何か、結果として今、何を感じるのか…リアルな声を紹介していく。
【公務員男性の育休】
(1)【完全解説】公務員男性の育休、もらえる手当や取得のコツまで
(2)【男性育休~仕事編~】仕事の混乱は?取得してどうだった?経験者にアンケート!
(3)【男性育休~家庭編~】育児は大変?家事の分担は?経験者にアンケート!←今回はココ!
【家庭編】育休中、育児・家事で大変だったことはありますか?
育児・家事は重労働。育休を取得してはじめて、その大変さが身に沁みたという声が多かった。一方、パートナーや家族とのかけがえのない時間を過ごせたとの声も。
※カッコ内プロフィールは(本人年齢/育休取得時の子どもの年齢/育休取得期間)
育児の大変さを実感
・夜泣きなどで二人ともふらふらでした。体力的にきつかったです。3時間おきの授乳と言いますが、ミルクを作って人肌まで冷やして、飲んでおむつを替えて、寝かしつけ。結局1時間以上かかることもあり、眠たかったです。第1子、というか一人っ子ですがとにかく勝手がわからず大変でした。(40歳/長女0歳/約1カ月)
・睡眠不足(30歳/長女0歳/2週間)
・妻が緊急手術し、子どもがNICUに。予定日より1カ月前に産まれたため、名前も慌てて決めることに。また、予定していた引越しなどと被り、学校への連絡もままにならなかった。出産が年末ということもあり、バタバタなまま新年を明けたこと。(36歳/長女9歳、次女6歳、三女0歳/4カ月※現在進行中)
・「休暇」とは名ばかりで、保育所の送迎や家事、三女のオムツ替えなどあっという間に1日が過ぎていく感じだった。(33歳/長女6歳、次女3歳、三女0歳/約2週間)
・一番の困りごとは妻の体調不良でした。産後から体調がすぐれず乳腺炎も発症したため、自分が家にいる日は新生児の世話よりも妻のケアの方が大変でした。(33歳/長女0歳/約3カ月)
・双子育児のため、妻と共同して、夜間のミルク、オムツ替え等を行っているため、翌日出勤日の時は、疲労が蓄積されていた。(33歳/長男、次男0歳/約3カ月)
家事の負担が身に沁みた
・家事の大変さを感じ、今は完全に妻と分担制にしました(29歳/長男4歳、長女3、次女0歳/約1.5カ月)
・特に困ったことはなかったが、家事・育児が重労働だということを身を持って感じることができた。(38歳/長女3歳、次女1歳/約1年間)
・あまり料理を作ることができず、妻に負担をかけてしまいました。(33歳/次女0歳/約1カ月)
パートナーとのかけがえのない時間になった
・大変なことは特にありませんでした。むしろ、妻と一緒に、子どもが生まれて間もない大変な時間(夫婦ともに子育てに慣れなくて気苦労の絶えない時間)を共有できたので、妻に負けず劣らず自分も子育てに関わることができているという、親としての自信を持つことができました。今は妻が仕事に復帰しましたが大変忙しく働いていることもあり、子どもが朝起きてから晩寝るまでの時間の大半は、私が子どもの世話をしている状況ですが、特段の不安もなく毎日を過ごせています。これも育児休業を取らせてもらった経験のおかげだと感じます。(31歳/長男0歳/約4カ月)
・実家が遠かったり、不規則夜勤の両親だったこともあり、二人だけの育児となったのが不安だったが、かえってしっかり時間を作れたことも良かったと感じる。(1回目:30歳/長男0歳/3カ月、2回目:32歳/長男2歳、次男0歳/育児休暇1カ月)
【家庭編】育休前・育休中に、心がけたことや工夫を教えてください
事前準備やパートナーとのコミュニケーション…育休中に育児・家事を少しでもスムーズにするため、心がけたことや工夫を聞いた。
事前準備をしっかり行った
・大学から一人暮らしだったこともあり、家事は得意だったので、授乳以外の家事は基本完結できるようにしていた。また、パパ教室への参加で、沐浴方法を学んだ。とにかく、育休中は、子供のケアより妻の心身のケアを重視した。(1回目:30歳/長男0歳/3カ月、2回目:32歳/長男2歳、次男0歳/1カ月)
・妻と育休中のお互いの役割を話し合い、計画を立てた。(33歳/次女0歳/約1カ月)
・里帰り出産かつ自身が泊まり込みで育児を行う予定のため、育児部屋の整理や準備を行った。妻の事前入院が長くなっていたため、子供用品等を事前に準備した。(33歳/長男、次男0歳/約3カ月)
自分たち以外の手を借りる
職場での雰囲気や様子、仕事の状況などを妻と日頃から話すようにしました。私の実家が比較的近いところにあるため、夫婦それぞれの状況を実家の両親にも話しておいて、必要が生じたときには力になってもらいたいと思っていることを伝えていました。(31歳/長男0歳/約4カ月)
妻の手を借りずに完結できるようにする
・妻に、自分の育休中にやりたいことを考えておいてもらい、それを実施するために自分が何をすればいいかを考えた。(37歳/長女:0歳/1週間)
・育休中は全ての家事育児を私がすることに決めてました。妻は授乳のみしてくれればOK(29歳/長男4歳、長女3、次女0歳/約1.5カ月)
・一緒に育児をするという意識。決して手伝うではない、そんな心がけをしました。(40歳/長女0歳/約1カ月)
・妻しか知らないことを聞いて、妻に頼らず自分でできるようにした。(33歳/長女6歳、次女3歳、三女0歳/約2週間)
・産後妻の調子も良くなく、乳腺炎の発症もあったのでとにかく妻に負担にならないように努めました。授乳以外の家事は下手なりに一通りできるようになりました。(33歳/長女0歳/約3カ月)
・妻から家事・育児の簡単な引き継ぎを受けた。育休期間は専業主夫となったため、家事・育児をすべて引き受けた。(38歳/長女3歳、次女1歳/約1年間)
子どもと積極的に外に出てみる
・離乳食やミルクの準備のほか、授乳室に入ってみる、子育て支援センターを体験した(37歳/長女0歳/1年間)
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※アンケートは公務員限定のオンラインプラットフォーム「オンライン市役所」の協力を得て実施