ジチタイワークス

茨城県稲敷市

災害時の「在宅避難」対応は、“情報共有”と“備蓄管理”がカギ。

茨城県稲敷市では、災害時の備蓄および市民への広報ツールとして、「井村屋」が手掛ける「えいようかん」を導入。独自のパッケージデザインを施すことができる同商品を使うことで、どのような防災支援を実現しているのか。詳しい話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.17(2021年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]井村屋株式会社

コロナ禍で変化する防災意識、その新たな課題に対応する。

コロナ禍における災害対応として“在宅避難”への関心が高まっている。背景には、感染症対策により避難所の収容人数が減少することや、何より3密が生まれやすい空間に対して市民が不安を覚えるケースが多いことがある。一方、このような意識の変化に対して、自治体としての対策はまだまだ不十分だ。特に在宅避難時に起こりうる、災害に関する情報の格差、そして支援物資の供給遅延については切迫した課題といえる。

同市ではこの2つの課題を解消すべく、ある取り組みをスタートした。それは“備蓄用の非常食で市の情報発信ツールのPRを行う”という、井村屋のオリジナルパッケージえいようかんを使った取り組みだ。

導入を担当した油原さんと野口さんは「当市には公式メールサービスがあり、登録した市民の皆さんに、緊急災害情報を含む様々な情報発信をしています。えいようかんを使ってこのサービスをPRし、登録を促すことで、防災情報をより広く発信できるようになるのではと考えました」と話す。

非常食である「えいようかん」に届けたい“情報”をプラス。

油原さんが同商品を知ったのは、令和2年に参加した危機管理産業展。そこで、ある業者のノベルティとして配られたものを手にしたことがきっかけだった。「箱の中身が井村屋の非常食“えいようかん”だと知り、備蓄品として最適なのではないか、と導入を検討することにしたのです」。同市は令和元年東日本台風の被害を受けており、防災体制の強化と市民の防災意識醸成が急務となっていたタイミングでもあった。

「備蓄すべき品目が増える中、省スペースで高カロリーなえいようかんは条件にかなっている」とすぐに興味を持ち、井村屋のデザインチームと打ち合わせを開始したという。

「えいようかんのパッケージに公式メール登録の二次元コードをデザインして市民に配布することで、“非常食を利用して登録数を拡充する”という、インパクトのあるPRになります。コロナ禍という非常事態において、“避難イコール避難所”という考えではなく、“難”を“避ける”行動が大切だと広く知ってもらうためにも、最適なサービスでした」と野口さん。危機管理監の椎野さんも「災害対策基本法の改正、そしてコロナ禍の影響で、市の防災対策には避難指示や避難所開設タイミングの見直し、備蓄品の効率的な運用なども含めた変化が求められています」と語る。

パッケージには市と井村屋双方の公式キャラクターを配置し、コラボ感の演出で市民の興味を引く仕掛けも。

配布場所やタイミング

●避難訓練時
●公民館のスマホ教室
●災害時の避難所
●消防団の消火活動時
●その他市民参加型イベント など

▶防災意識の高まるタイミングがより効果的!

防災対策の変化に合わせ、柔軟な仕組みづくりを目指す。

同市では現在、備蓄用のほか、消防団活動時の行動食としての活用や、今後順次再開予定の市民参加型イベントなどでも、同商品の配布を検討している。試験的に配布したイベントでは、参加者の多くがその場で二次元コードからのメール登録を完了するなど、PR効果への手応えを感じているという。今後は、公開を控える公式アプリの周知にも役立てる予定。自治体公式アプリは普及率が伸び悩むことも多いが、えいようかんを活用することで、登録数の伸びを図りたい考えだ。

より多くの市民に情報が行き届くことで、災害情報や支援の格差を是正でき、家庭内備蓄の啓発につながると期待も大きい。

「同様の課題に直面している自治体も多いはず。この取り組みは我々だけでなく、ほかの自治体でも課題解決に貢献できると感じています」と野口さん。「公共の支援としては、避難時のストレスを緩和させることも必要です。老舗の甘味でホッとひと息つける時間を用意することで、少しでも安心してもらえる体制を整備したいですね」。

稲敷市 行政経営部 危機管理課
左:危機管理監
椎野 茂夫(しいの しげお)さん
中央:野口 朋之(のぐち ともゆき)さん
右:地域振興部 まちづくり推進課
油原 博臣(ゆはら ひろおみ)さん

備蓄品が抱える問題点をクリアしつつ避難時に疲れた心もほぐす非常食。

小豆を使った数多くの食品を製造する井村屋が、ようかんの栄養価の高さと素材のシンプルさに目をつけて開発。食料備蓄に適した特徴を兼ね備えている。

えいようかん 3つの導入メリット

1.食器も水も不要

フィルムは簡単に開封でき、水を使った調理も不要でそのまま食べられる。柔らかく上品な甘さ。

2.アレルゲンフリー

砂糖・生あん(小豆)・水あめ・寒天と、シンプルな原材料のみを使用。多くの人がアレルギーを気にせず口にできる。

3.コンパクトなサイズで5年間保存可能

食品だけでなく水や衛生用品など、避難所には多くの備蓄が求められるが、備蓄スペースは限られる。えいようかんは一般的な非常食よりもコンパクトなスペースで備蓄可能で、1本当たり171kcal(ご飯小盛1杯分程度)のエネルギーを補給できる。強化段ボールに撥水コート仕様で長期備蓄も安心。多くの自治体で導入実績あり。

※直径約8cm・高さ約11cmの缶入り非常食とえいようかんの、同等カロリーでのスペース比較(編集室にて算出)

オリジナルパッケージで情報提供やPRも可能

●井村屋のデザインチームが対応
●広いデザイン可能域で自由度あり

ようかんの種類を選び、オリジナルパッケージを作成できる「招福ようかん」サービス。パッケージデザインは持ち込みも作成依頼も可能。デザインできる面積が広いので、目的や用途に合わせて自由度の高いデザインができる。


問い合わせ~納品の流れ

オリジナルのえいようかんをつくりませんか?

自治体の課題解決のため、用途や配布対象者に合わせて、専門のデザインチームが対応します。1本・3本・5本セットがあり、小ロットの発注も可能です。通常の備蓄用えいようかんについても、お問い合わせください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:井村屋株式会社

担当:商品営業企画部
TEL:03-5844-6155
住所:〒113-0033 東京都文京区本郷1-24-1 D'sVARIE本郷ビル4F

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