ジチタイワークス

静岡県島田市

公共施設の適正化は包括管理で実現!施設の質向上を加速させた島田市。

【誤記に関するお詫びと訂正】
ジチタイワークスVol.15(紙媒体)に掲載した本記事において、問い合わせ先のメールアドレスに誤りがありました。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。
誤:eigyo-market@nkanzai.co.jp 正:eigyo_market@nkanzai.co.jp
※こちらのウェブ記事内に記載のメールアドレスはすでに訂正を行っております。


「公共施設等総合管理計画(以下、総合管理計画)」の見直しもあり、公共施設における施設マネジメント思考とその実践は、待ったなしの状態だ。多くの自治体が頭を悩ませる中、島田市は“包括管理”という選択で前進を続けている。具体的な内容を、同市の小柳津さんに聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.15(2021年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本管財株式会社


【編集室より】

この鼎談はクローズドのオンライン形式で実施。どこを取っても興味深い内容だったのですが、誌面では全てを紹介できませんでした。こんなに有益な情報をお蔵入りさせるのはもったいない、ということで、誌面に掲載できなかった部分を公共FMサロン限定で公開しています。ぜひ、ジチタイワークス誌面の記事とあわせてご覧ください。


●「公共FMサロン」とは?

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先進自治体の事例をヒントに“まずはやってみる”ことが大切。

総合管理計画の策定後、各自治体はそれぞれの課題に直面している。島田市の場合は、施設の品質、保有量、管理費の適正化が最重要課題だった。

以前から同市では、施設の機械警備を一括で業務委託するなど、公共施設マネジメント(以下、公共FM)に対する取り組みには積極的だった。しかし、それでも課題解決への道のりは遠かった。小柳津さんは、かつての状況をこう振り返る。「私の着任前から実施されていた機械警備の一括契約も、一定の効果を生んでいました。しかし適正化という目標に到達するには、より強力に効率化できる手法が必要でした」。

課題解決の糸口をつかむべく、様々な方面から施設管理について学びを深める中で“包括管理※”という手法を知った。「機械警備の一括委託と発想は同じだ。これなら当市でも実現できるかもしれない!と思ったのです」。先進自治体にヒアリングした情報を持ち帰り、さらに調査を深めた結果、「まずは実行してみよう」と同市は包括管理の導入に向けて動き出したという。
※包括管理についてはページ下「包括管理とは」をご覧ください

“施設の品質向上”を旗印に予防保全の方針を推進する。

ひと口に包括管理といっても、その目的は、コストを下げる、職員の可処分時間を増やすなど様々だが、同市では「品質の適正化に重点を置いた」と強調する。庁内での合意形成においても、コストダウンの手法ではないという説明を繰り返し、理解を促していった。「当市の総合管理計画には、何かが起きてから対処する“事後保全”ではなく、“予防保全”で少しずつ手を入れて長く維持していこうという方向性が盛り込まれていたので、そうした点も追い風になりました」。

公募型プロポーザルを経て、令和2年10月には優先交渉権者を「日本管財」に決定。決め手について、「提案書を見て、実績の豊富さを感じました。包括マネジメントに関する提案も充実していて、審査員からも高評価でした」と小柳津さん。包括管理の対象とする施設は、所管課ごとに希望施設を募る形で調整。最終的に70施設をラインナップして、令和3年4月に同市の包括管理がスタートした。

包括管理導入で見え始めた地域の未来への道筋!

現在、順調に包括管理は進行している。具体的な結果が出るのはこれからだが、所管課からは、「令和3年度に向けての令和2年度末の契約関連業務が減った」と効果を実感する声が上がっているという。

同市の包括管理がスムーズに進んだ背景には、事前の入念な根まわしがある。例えば庁内では、先進自治体の職員や公共FMの専門家を招き、研修会などを実施して包括管理の考え方を周知。地元事業者にも気を配り、説明会で「地元業者の仕事が減るのでは」という不安を抱かれるよりも先に、「地元企業抜きには成り立たない手法である」ということを伝えた。さらに、当日参加できない事業者に向けて、後日YouTubeで説明会の動画を視聴できるようにするという徹底ぶりだ。

包括管理で公共FMに弾みをつけた同市。令和5年には庁舎移転を予定しており、新庁舎も包括で委託する予定となっている。また、「いずれは修繕も組み込んでいきたい」と期待を寄せる。「包括管理には先進自治体の事例も豊富にあります。それらを、まちの個性に合わせて導入すればきっとうまくいく」と力強く語るその言葉には、地域の未来をつくる上での確かな手応えが感じられた。

島田市 行政経営部 資産活用課
資産経営担当 主事
小柳津 航(おやいず わたる)さん

包括管理運用開始のカギは“業務開始前の下準備”!!

事業者決定(令和2年10月)から事業開始(令和3年4月)までの半年間で、庁内・事業者・施設担当者へ説明の場を設け、事業の背景・目的を含め丁寧に共有を実施。

●庁内向け説明会

各施設を所管する担当課に向け、包括管理の必要性や、従来の施設管理体制からどう変わるのかといった背景・目的から、実際の実施体制や対応範囲などの実務についても説明を実施した。

●事業者向け説明会

「地元企業抜きには成り立たない手法である」ということを伝え、「仕事が減るのではないか」という不安を払しょく。さらに、後日YouTubeで録画を配信するなど、情報提供の工夫も凝らした。

●施設担当者訪問

包括管理を実施する約70施設全てに日本管財担当者が訪問。施設担当者にも改めて包括管理の説明をするとともに、施設の現地調査を行い、年度明けからのスムーズな業務開始につなげた。

総合管理計画を具体化するために!包括管理が公共FMの近道になる。

全国で浸透しつつある包括管理。日本管財では、包括管理のサービス提供はもちろん、セミナーやサロンなどを通して、自治体を多面的にサポートする。

包括管理とは

包括管理は、施設を所管課が縦割りで管理するのではなく、管理業者が一括して包括的に管理する方法。専門的かつ横断的に施設管理を行うことで、施設に関するデータも正確に集約・蓄積することが可能だ。また、それらは統廃合や複合化といった施設再編に向けての指針づくりにも役立つ。日本管財では、日常的に行う施設管理において、保守点検結果や巡回点検結果といった劣化情報の収集などに加え、施設の保全の優先順位を判定する調査を実施。それらの情報は管理システムで一括管理され、施設の最適配置を検討する基盤となる。

担当者からのメッセージ

公共FMの課題は地域によって異なり、予算も様々です。包括管理においても自治体に共通する“正解”はありません。それぞれのまちに合わせてオーダーメイドでつくる必要があります。当社では、地域課題の洗い出し、開始前の設計、周知と合意形成のためのセミナー実施、導入後の定例会における情報共有など、自治体と伴走しながら施設の最適化を進めていきます。下記「公共FMサロン」でも情報共有・課題解決の場を提供しております。島田市の事例を包括管理業者目線で解説した動画コンテンツも配信中です。ぜひご利用ください。

日本管財 営業統轄本部 マーケティング推進部
島田市包括施設管理センター総括責任者
杉本 全伸(すぎもと よしのぶ)さん

「公共FMサロン」参加方法

日本管財では自治体職員限定の公共FMサロンを運営!サロンでは、誌面でご紹介しきれなかった“こぼれ話”をサロン限定記事として展開しています。サロン加入は無料ですので、ぜひこの機会にこちらのフォームよりお申し込み・ご参加ください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:日本管財株式会社

TEL:03-5299-0851
住所:〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-10 柳屋ビルディング5F
E-mail:eigyo_market@nkanzai.co.jp
担当:マーケティング推進部 恒川・大原・石井・島田

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