ICTをはじめとする技術の進歩や、それらに連動する社会環境の変化によって、目指す防災のあり方も大きく変わりつつある。“非常時における電力確保”の面においても例外ではない。すでに新たな対策を求める声が上がっているという。その詳細をパワーオークの周さんに聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.14(2021年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]BLUETTI JAPAN(旧パワーオーク)
時代に合わせて変化するライフラインに対応を。
自治体における防災計画は、平成23年3月に発生した東日本大震災の教訓を受け、様々な修正が行われてきた。中でも重視されるようになったのが“情報の共有”だ。的確な防災行動をするためには、刻々と変わる状況を常に把握する必要がある、というのが主な理由だ。現在、これらの情報を得るツールとして代表的なのがスマートフォンだろう。ほとんどの場所で、必要な情報の収集が可能になるのはもちろんのこと、家族や友人たちとつながることができる安心感は、心細い被災者にとって何物にも替えられない。
しかし、停電が起き、バッテリーが切れてしまった場合、これら全てがシャットダウンされてしまうことになる。「社会のデジタル化が進んだ今、水や食料はもちろんのこと、個人への電力供給という面でも対策をとることが必要不可欠だと思います」と、避難所向けの蓄電池やポータブル電源などを開発・販売している同社の周さんは語る。
蓄電池が“停電時”の避難所にもたらす安心感
避難所で力を発揮する大容量蓄電池の有用性。
コードを差すだけで各種製品に充電できるのが蓄電池の強みだ。「基本的には、皆さんが持っているモバイルバッテリーと同様の操作感で充電することができます。また、ガスや石油などの燃料を使用するものではありませんので、本体を室内に設置して使用できる点も避難所の設置に向いています」。蓄電池本体への充電も、一般的な家庭用コンセント経由で可能だ。
すでに同社の蓄電池は、各地の防災拠点への納入実績があり、令和2年度に450台が東京都立川地域防災センターに導入されている。加えて、新型コロナウイルス感染症対策用のワクチン保管・搬送用冷蔵庫のバックアップ電源としても採用されているという。
多数の人々が集まる避難所においては大容量であることも重要になる。「当社では、『BLUETTI EP500』という、5,100Whのバッテリー容量を誇る製品をラインナップしています。これはスマートフォンの場合、約413台を充電することができる容量です。テレビや冷蔵庫などの電化製品にももちろん使えます。また、本体は6,000回以上充電できる耐久性を持つので、すぐに消耗して使えなくなるということもありません」と胸を張る。安全性が高いとされるリン酸鉄リチウム電池を採用している点も心強い。
大容量かつ充・放電6,000回可能な品質で、被災者の心身両面の負担をサポート
1.多人数に対応する大容量
大容量・高出力・多彩な出力系統で、多数のデバイスへの供給が可能になる。
2.被災者を守る安全仕様
充・放電時の過熱や過電流を、徹底的に監視・制御するBMS機能を搭載。
3.日常使いできる耐久性
毎日フル充電しても14年以上使用できる計算。維持・管理費の負担も軽減される。
低コストと高い操作性
シンプルな製品構成となっているため、低コストでの導入が可能。また、タッチパネルを標準装備しており、誰でも直感的な操作が可能だ。
短時間で充電が可能
ACコンセントのみで9時間前後、ソーラー給電との併用により約4時間(太陽光の状況により異なる)でフル充電ができる。
アプリでの遠隔操作機能
本体をWi-Fiにつなげることで、スイッチのオン・オフ、残量の確認などが可能。設置場所が遠方の際に便利な機能となる。
UPS機能でBCP対策
あらかじめPCなどを接続しておくことで、停電時でも切断されることなく、業務を継続することができる。BCP(事業継続計画)対策に有用。
持ち運びできるので柔軟な運用が可能
大容量蓄電池
BLUETTI EP500
蓄電容量5,100Wh
最大出力2,000W以上
充・放電6,000サイクル
※詳細はお問い合わせください
使用できる目安
スマホ(10W):約413台充電
PC(50W):約82.6時間
テレビ(300W):約13.7時間
小型冷蔵庫(100W):約41時間
※使用環境により異なります
新しい技術を積極的に使い、先手、先手の対策を。
蓄電池の設置数の目安については、「同製品(EP500)の場合、防災センターや避難所となる学校ごとに、最低1台以上の配置をオススメしています。キャスターが装備されていますので、被災が一定区域に集中してしまった場合でも移動させることが可能です」と語る。また、出力として、AC4口のほか、USB-AやUSB-C、DCにワイヤレスチャージまで備えている。延長ケーブルをつなげることで、需要が多いスマートフォンの充電においても、効率的な運用ができる。
さらに、Wi-Fi環境下にあることが前提だが、アプリ経由で、蓄電池の使用状況を管理できる機能も装備している。これにより、防災本部などの遠隔地からでも、蓄電池の残量などの確認ができるため、先手を打った対策が可能になる。
次に、蓄電池と組み合わせて使用できる太陽光発電ソーラーパネルを紹介する。
ソーラーパネルを備えておくことで、“停電の長期化”にも柔軟に対応出来る
安全に蓄電可能なクリーンエネルギー
燃料を使用することなく発電できるので安心。
コネクター1本ですぐに発電できる
差し込むだけの簡単給電(対応製品のみ)。
200Wの高出力で、短時間でフル充電
EP500の場合、最短5時間でフル充電が可能。(状況に応じてパネル4~8枚を同時使用した場合)
折り畳んで持ち運べる太陽光発電パネル
蓄電池とセットで設置しておきたいのがこの太陽光発電ソーラーパネル。収納時はコンパクトなので移動も簡単だ。
太陽光発電ソーラーパネル
BLUETTI SP200
定格電力:200W
・太陽電池積層方式:ETFE
・変換効率:最大23.5%
・重さ:6.5kg
※詳細はお問い合わせください
長期化した際の頼もしい味方に
太陽光が当たる場所へ持ち運び、ソーラーパネルを広げるだけで、発電および蓄電が可能。非常時の貴重な電力源となる。
目的に応じて選びたいポータブルタイプ
ポータブル蓄電池
BLUETTI AC200P
蓄電容量2,000Wh
最大出力2,000W以上
充・放電2,500サイクル
EP500に比べ、設置スペースをとらないタイプもラインナップ。小さいながらも、出力系統としてACのほか、USB-AやDC、ワイヤレスチャージまで備えている。タッチスクリーンで操作できるのもポイント。
※詳細はお問い合わせください
使用できる目安
スマホ(10W):約162台充電
PC(50W):約32時間
テレビ(300W):約5.4時間
小型冷蔵庫(100W):約16時間
※使用環境により異なります
ソーラーパネルとの併用でさらに広がる防災計画。
非常時の頼もしい味方となる蓄電池だが、停電が長期化した場合、蓄電池本体への充電ができなくなる可能性もある。「その場合でも、一般的な発電機を利用して蓄電をすることが可能です。しかし、当社がオススメしたいのは、太陽光発電ソーラーパネルを備えておくこと。当社の製品『BLUETTI SP200』は設置も簡単ですし、コネクター1本で蓄電池本体への充電が可能になります」。
同製品の最大出力は200W。これは、太陽光の状況によるが、パネル4~8枚の使用で、最短5時間(EP500への蓄電の場合)でフル充電できる計算だ。「コンパクトに収納ができるのも魅力の1つで、必要とされる場所へすぐに移動ができます。また、パネル本体には生活防水加工がされているのも特徴です」。自立型なので、床や地面に本体を置くだけで設置ができ、太陽の高さに応じてパネル角度の調整が可能なのも同製品の強みだ。
様々なメリットを持つこの太陽光発電ソーラーパネルを、蓄電池とともに防災計画に加えることで、より柔軟性の高い対策が可能になるだろう。
小規模の避難所には、コンパクトな蓄電池で対応。
同社はこのほか、ポータブルタイプの蓄電池として「BLUETTI AC200P」も用意している。最大直径が42㎝とコンパクトなので、小型車で移動する際などには重宝するという。
また、小さいながらも大容量・高出力を誇るだけでなく、多様なアウトプットを装備。最大17台の電化製品への給電ができるのが強みだ。もちろん、ソーラー給電にも対応している。活用の方法や避難所の規模(受け入れ人数や、確保できる設置スペースなど)に応じて使い分けたいところだ。
技術は進化している。心身両面において被災者を守るには、社会の変化に合わせた防災計画が必要だ。新たな対策の1つとして、蓄電池やソーラーパネルの導入を検討してみてはいかがだろうか。
パワーオーク マーケティング責任者
周 美蓓(しゅう びばい)さん
情報がないのは恐怖。自らの経験を通じ、災害時における電気の重要性を実感。
パワーオーク CEO
川村 卓正(かわむら たくまさ)さん
災害発生時、特に初期段階において大切なのは、水や食料、医療の提供に加え、情報、照明、空調の安定供給だといわれています。これらは全て、人間に理性ある行動を促し、パニックを起こさせないための重要な要素です。私自身、東日本大震災で大停電が起こった際、車のバッテリーを利用して、携帯電話の充電やラジオでの情報収集、時には寒さをしのいだという経験があります。被災者にとって、これらの要素が身近にあることが、どれほど心強いか、身に染みたのを覚えています。
しかし、防災拠点への避難となった場合、車を利用できるケースは限られます。都市部では、車をお持ちでない方も多いでしょう。また、防災拠点にある予備電源は、個人の利用を想定していないケースが多いように思えます。
そこで、私たちが設置を呼びかけているのが、大容量蓄電池と太陽光発電ソーラーパネルなのです。充電しておけば、サッと設置し、直感的な操作ですぐに利用することができます。また、長期化にも対応可能です。
大容量蓄電池は“普段使い”することがポイントです。例えば、学校に設置する場合、部活や校内行事などで使用するマイクやスピーカー、音楽プレイヤーなどの電源として利用する方法です。単純にとても便利ですし、日々利用することで、多くの人がその存在を把握できるだけでなく、常に充電を行う習慣が身につきます。混乱を極める非常時にちゃんと使えるようにするには、とても有効な運用となります。
当社は、ポータブル電源の世界的なブランド“BLUETTI”のホルダーとして、新エネルギー分野、特にリチウムイオン電池の製品・開発をグローバルで展開してまいりました。自治体への導入実績もございますので、ぜひお気軽にご相談ください。
予算や規模に応じてお見積りが可能!
利用の目的や、設置したい場所などをヒアリングの上、各種製品を組み合わせた最適なプランをご提案いたします。ご質問などがございましたら、お気軽に右記まで問い合わせください。
お問い合わせ
サービス提供元企業:BLUETTI JAPAN(旧パワーオーク)
TEL:042-851-6996
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