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【セミナーレポート】監視カメラはもっと活用できる!職員の手間をかけずに地域を守る監視カメラ運用術

防犯、防災などで地域の安全を見守る監視カメラ。全国に数百万台が普及していると言われているが、果たしてその能力は十分に発揮できているだろうか?
産業用IoTサービスを手掛ける専門事業者が現状の監視カメラ運用に警鐘を鳴らしつつ、これからのあるべき姿を示す。


概要

■タイトル:住民の安全を守るために~監視カメラは「設置する」時代から「映像を活用する」時代へ~
■実 施 日 :2021年5月18日(火)
■参加対象:自治体職員
■開催形式:オンライン(Zoom)
■登録者数:42人


<講師>

小林 謙輔さん

アムニモ株式会社
IoTエッジビジネス事業部 

プロフィール

1975年生まれ。兵庫県神戸市出身。神戸市立工業高等専門学校応用化学科卒。プラントエンジニア、イラストレーター、Webディレクター、マーケター、大手ECモールの営業リーダーなどを経て、2020年より現職。IoTサービスに関わる営業やオペレーション等の様々な業務を担当。

監視カメラは「映像を活用する」時代へ

時代の中で変化した監視カメラ事情

最初に、監視カメラに関する認識・環境の変遷について説明します。

まず、監視カメラが普及し始めた時代。この頃は“お守り”としてカメラを設置しようという風潮がありました。実用面よりも監視の象徴といった扱いが多かったため、ダミーカメラを設置するという事例も多く見られました。その後、実用性が求められ始め、何らかの目的のために録画をするという時代へ移ります。目的の多くは、事件・事故など何かがあったら発生時のデータを見て調査する、といったものです。

そして今は、撮影した映像をいかに活用するか考えるべき時代に入っています。IPカメラ、インターネット、クラウド録画、運用監視、映像解析などを駆使して、“すでに起きたこと”だけでなく、“未来を予測する”といった映像の活用が求められる時代なのです。これに伴って、監視カメラを設置するプレイヤーも、地域のカメラ設置業者から、ネットワーク技術に長けた保守運用業者へ、そしてソリューションベンダーへと移り変わってきています。

以上が大まかな流れですが、こうした変遷の中で、監視カメラの運用には様々な課題が指摘されるようになってきたのです。

現状の監視カメラ運用が抱える課題

監視カメラ運用の課題について触れる前に、自治体関係者の皆様へ問いかけをしたいと思います。それは、「監視カメラを設置するだけで満足していませんか?」というものです。

監視カメラは、設置するだけでなく、その後の運用が非常に重要です。だからこそ「カメラが止まってしまった時にいち早く復旧できているか?」「監視カメラの映像を活用できているか?」といった点を振り返っていただきたく思います。特に、大きな災害が続く昨今では、防犯というニーズだけでなく、大雨の際のアンダーパスや河川の増水監視など、様々な状況で監視カメラが利用されています。以下は、自治体における監視カメラの設置個所の一例です。

いずれも、地域の安全を守るという意味で、重要なポイントです。しかし、こうした各現場においても、カメラが正常に動作していないというケースが多く見られます。監視カメラの正常動作を阻害する要因としては、録画メディアであるSDカードの寿命が短いとか、屋外の過酷な環境におかれたカメラ本体がフリーズする、といったものです。それに対し、多くのカメラは高所に設置され、防水加工も施されており、ちょっとした復旧作業にも多大な費用と手間がかかる、ということが問題なのです。

また、同時に「設置はしたが活用というところまではできていない」という声も、当社ではたくさん頂戴しています。

監視カメラにはネットワークに接続されていないものも多く、「画像をすぐには取り出せない」「正常にカメラが動作しているのか外部から検知できず、必要な録画ができていなかった」といった例が見られます。こうした理由から、映像の活用に結びついていないという実情があるのです。これらの課題を解決したいという思いで、私たちは監視カメラソリューションを開発しました。

スマートシティの発想で運用を最適化する

当社の監視カメラソリューションは、職場のPCや職員のモバイル端末、自治体ホームページなどから監視カメラの映像を遠隔でいつでも確認できるシステムになっています。また、監視カメラの安定運用が可能で、さらに機器の管理など運用面でも使い手に優しい仕組みを提供しています。

当社では、自治体での利用シーン以外に、民間からも屋外をメインとした監視カメラのニーズを受けています。例えば、踏切、ビル、工場・プラント、空港などですが、これらを総合してつくるスマートシティのイメージを持っていただければ分かりやすいかと思います。

以下、当社の監視カメラソリューションが解決できる代表的な課題を列挙します。

・監視カメラが止まらない
・きちんと動作しているのかが分かる
・きちんと録画ができる
・録画データがなくならない
・瞬停が起きても壊れない
・見たい映像を素早くサーチできる
・遠隔通信が途絶えない
・通信コストが高くないシステム
・運用者にやさしいシステム

こうした課題解決を実現するために、当社では独自のシステム構成を作り上げています。その構成要素は、主にデバイスとクラウドアプリケーション・サービスに分けられます。

この中から特に注目すべき、Edge Gateway、ビデオ管理システム(VMS)、デバイス管理システム、統合ビデオ管理システム、AIチップ搭載モデルをピックアップして説明します。

4つの機能を併せ持つ画期的なゲートウェイ

まず、現状の監視カメラが抱える課題と、実際に行われている対処法の例を、以下に挙げてみましょう。

①カメラがハングアップした→現場に駆けつけて電源をリブート
②SDカードの録画が止まった→SDカードを都度交換、あるいは定期的に交換
③電源ノイズや瞬停でカメラが止まった→現場に駆けつけて電源をリブート
④遠隔で映像を監視したい→SDカードを本体から取り出して確認しなければならない
⑤遠隔で各地の映像を管理したい→個別にカメラ映像を確認しなければならない

このように、マンパワーに頼り、手間と時間とお金をかけているのが現状です。

これに対し、アムニモでは様々なソリューションを提供しています。

①カメラがハングアップする

当社の「Edge Gateway(以下、エッジゲートウェイ)」には4つのPoEが搭載されていて、カメラを接続・給電することが可能です。カメラはエッジゲートウェイから監視されていて、カメラが正常動作していない場合はその1台だけを対象にリブートを行います。

②SDカードの録画が止まる

SDカードには書き込み回数の制限があったり、使い方によって発熱したりすることがあるため、過酷な屋外環境での長時間使用には不向きと言えます。
エッジゲートウェイには信頼性の高いSSDを搭載しており、さらに録画映像を閲覧監視できるビデオマネジメントシステム(VMS)のソフトウェアを内蔵しています。これにより、確かな録画保存と、画像解析の効率化が可能です。

③電源ノイズや瞬停でカメラが止まる

屋外の電源は不安定になりがちです。例えば工事現場などでは電力供給の途中でコンプレッサーなど大きな電力を使う機器が繋がっている場合もあり、電圧が下がって瞬停を起こし、デバイスが不安定になって止まるようなことも起きます。エッジゲートウェイはこうした過酷な環境で使われることを想定し、内部にインバーター回路を備え、電源が落ちる前にSSDへの書き込みを終える設計になっています。これによりメディアが破壊されることを防いでいるのです。

④遠隔で監視したい

屋外で有線を引くのが難しい設置環境の場合、通信にはモバイル回線を使用します。デバイスは4つのSIMを装着できるようになっており、4つのキャリアをコントロールして使うことが可能です。例えば災害でキャリアAの基地局が使えなくなった場合でも、10数秒で回線の生きているキャリアBへと切り替えることができます。

⑤遠隔で各地の映像を管理したい

管理しているカメラが広範囲に散らばっている場合は、監視センターの集中管理画面でまとめて見たいというニーズがあります。VMSとSSDを搭載しているエッジゲートウェイなら映像をセンターで束ねて見ることが可能であり、必要な時に必要な情報だけをクラウドに上げられるので、通信費用も抑えられます。

以上を総括した上で考えられる構成の例として、以下のようなものが挙げられます

カメラはPoEでエッジゲートウェイ1台につき4台まで接続でき、外部入力を受け付けて、VMSでSSDに録画データを書き込み、複数のSIMを使って必要なタイミングで必要なデータをクラウドに送る。それを監視センターや職員の端末で監視する、といった流れが実現できるのです。

このように、エッジゲートウェイは単なる接続機器ではなく、複数の装置が実現する機能を1台に集約したものです。構成ユニットは、PoE、ビデオレコーダー、VMSをつかさどるコンピュータ、LTEルーターの4つ。従来の技術であれば4つの機能に対し、それぞれの機器が必要で、それらを組み合わせてソリューションを構成していましたが、この全てを取り込んだかたちになっています。重複するユニットもないので、その分コストの低減も可能になります。

2つのクラウドサービスが迅速な映像解析をサポート

ここまでは、現場に設置するカメラと、それを制御するゲートウェイについてお話ししてきました。ここからは、映像を活用するために重要なクラウドサービスについて説明します。エッジゲートウェイの優れた機能をさらに活用するために必要なのが、以下2つのクラウドサービスです。

「デバイス管理システム」~デバイスの保守運用の手間を大幅に削減する
「統合ビデオ管理システム」~ちらばったデバイスの録画映像を統合管理する

デバイス管理システムは、広域に展開する監視カメラの保守運用を効率よく行うことを可能にします。例えば、ゲートウェイにつないだカメラ映像を遠隔で見るためには、まずネットワークの設定などを行う必要がありますが、そうした初期設定の作業を自動初期設定機能で軽減するができます。もちろん、設定の変更や、ファームウェアの更新も遠隔で実施することが可能です。

また、トラブル解析や故障対応の場面でも、遠隔でデバイスの死活監視や遠隔リセットができ、動作ログを取得できるので、トラブルの原因究明もできます。デバイスを交換する際の、設定引き継ぎも簡易化されます。

統合ビデオ管理システムは、監視業務用の各種表示画面をクラウドに生成して、端末に提供するものです。クラウド上で複数のゲートウェイにつながれたカメラ映像を監視画面でまとめて表示できるようになります。こちらはまだβ版ですが、統合ビデオ管理システムによるビデオウォールは以下のようなイメージです。

大きなスクリーンで監視カメラの全体的な情報を表示したり、監視カメラで生成されたサムネイル画像を定期的に表示したり、ローテーションによって多くのカメラ映像を監視したりすることができます。また、アラームが発生しているカメラの画像を固定表示する、表示画面数やローテーション頻度を設定するなど、使いやすくアレンジすることも可能です。

AIも活用し、監視カメラは新時代へ

監視カメラへのAI導入で期待されているのは、画像によって正常か異常かを判別するという点です。そもそも、監視カメラが撮影した映像の99%以上は、何事もない正常な状態を映したもの。本来は人の労力を割きたくない部分です。しかもカメラの台数が増えるにしたがってこの部分はどんどん膨らんでいきます。こうした負担の中での見落としや、正常か異常かを判断しづらい状態で人を派遣するといったことは避けたいものです。こういったシーンで、AIの果たす役割に期待が集まっています。これに応えるのが「AI エッジゲートウェイ」です。

AI エッジゲートウェイは、映像を解析して、監視中の現場に何らかの問題が起きる前に予知して対策を行いたい、といったニーズに対応します。従来のエッジゲートウェイの特徴はそのまま受け継ぎ、AI解析を実行する拡張ボードを装着したモデルで、現在、2つのタイプを開発中です。

通常であれば、AIはクラウド側で処理をしますが、これをゲートウェイ側で行うことで、レスポンスの向上や、通信コストの削減、ローカルで処理することによるプライバシーの保護などのメリットが得られます。同時に、コストの上昇や機器の発熱などの課題もあります。これを解決して提供できるよう、現在開発を進めている最中です。

このように、当社では「地域の安全・安心を守る」という自治体様からのニーズにも細やかに対応できるよう、様々なサービス・商品を生み出しています。監視カメラソリューションについて気になることがあれば、何でもご相談ください。

質疑応答 ※一部抜粋

:接続するカメラの指定・制限はありますか?
:カメラはONVIFという規格に対応したIPカメラであれば接続できます。

:お試し期間やトライアル制度などはありますか?
:具体的な案件等があれば打合せさせていただいて、その上で貸し出しできるデバイスも用意しています。

:映像データのバックアップ期間はどの程度でしょうか?
:カメラの映像画質やピットレートなどにもよります。また、保存容量は最大2テラバイト、標準512ギガバイトになっています。この組み合わせによって期間が変わります。
参考までに、標準モデル512ギガでカメラ1台、15フレームで録画した場合、おおむね28日の録画が可能、というのが目安です。

お問い合わせ

ジチタイワークス セミナー運営事務局

TEL:092-716-1480
E-mail:seminar@jichitai.works

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