第1回「なるほど!公共FM知恵袋」
日本管財(株)の運営するオンラインサロン「公共FMサロン」とのコラボ企画、「なるほど!公共FM知恵袋」。
第1回は明石市の松永さんに寄稿いただきました。
●「なるほど!公共FM知恵袋」とは?
この企画は、部署、まち、官学民の垣根を超えオファーさせていただいた執筆者のみなさまに「公共FM」に関連するテーマで全2~3回程度の寄稿をいただくものです。
サロン運営事務局側から一方的にご依頼するのではなく、執筆者の皆さまが「発信したい」内容や、サロン会員が「聞きたい」内容を都度ご相談しながらテーマを決めていく、「知恵袋」的な双方向性のある企画となっています。
なお、各寄稿の第二回以降はサロン限定公開となります!是非この機会にサロンへの登録もご検討ください。
●「公共FMサロン」とは?
日本管財(株)が運営する、Facebookを用いた自治体職員限定の無料サロンです。公共FM実践のリアルがわかる情報を日々発信しているほか、パートナー専門家にもジョインいただきサロン会員を含めたオンライン交流会などの限定企画も実施しています!
サロン加入のお申し込みはこちらから
Q.明石市ってどんなまち?
A.こどもを核としたまちづくりで「まちの好循環」が加速中!
明石市は兵庫県南部の中央に位置する人口約30万人の中核市です。タイやタコなど全国ブランドになっている明石海峡の豊かな海の幸で有名です。また日本標準時の子午線が通る時のまち、古くは柿本人麻呂の歌に詠まれた歴史のまちと多様な顔を持っています。
近年は市長の強力なリーダーシップのもと、「こどもを核としたまちづくり」「誰にもやさしいまちづくり」を進めています。第2子以降の保育料無料化、高校生までの医療費無料化、認知症安心プロジェクト、障害者等への合理的配慮の提供を支援する助成制度など特色のある様々な施策を展開しています。その結果、子育て世帯を中心とする転入が増加し8年連続人口増となるなど「まちの好循環」が加速しています。
Q.明石市の公共FMの取り組みを教えてください!
A.包括管理で人員削減と管理品質の向上。一方、施設の見直しは悩みながら。
明石市の日常修繕を含む施設包括管理も、おかげさまで4年目に入りました。対象施設数は希望のあった施設を追加し、当初の132から163に増加しました。毎年度末に行っている学校・幼稚園・保育所等の対象施設へのアンケートでも、3年目は「良くなった・少し良くなった」の割合が9割に達し、1・2年目を上回るなど、現場の先生方からも良い評価をいただいています。明石市の包括管理は、日常修繕を組み込み施設所管課の職員7名の削減を行ったことで、4,800万円のコスト削減という目に見える効果を生み出した点で注目されていますが、施設管理の品質も確実に向上しています。今年は、これまでに蓄積された点検結果等のデータを活用して、各施設の劣化状況を反映した保全計画を立てる予定です。
一方、明石市は決して公共FMがうまくいっている先進自治体というわけではありません。高齢者大学の移転・複合化、母子福祉施設や公園内の飲食施設の民間移譲等、いくつか形になった取り組みはありますが、PPPで大きな収益を上げている施設も、PFIの実績もありません。
「こどもを核としたまちづくり」等の施策にヒト、モノ、カネが重点配分される中で、公共FM担当として何ができるのか、どうやって進めるのか、日々悩みながら取り組んでいます。
現在、少年自然の家と証明発行等を行うサービスコーナーの見直しに関して、約1年半に渡って地域のまちづくり協議会等と継続的に意見交換を行っています。地域のみなさんの多様な意見にしっかり向き合い、何とか形にしたいと考えています。
Q.取り組みで大切にしていることは?
A.公共FMにハプニングは付きもの。でもリカバーできます!
公共FMに取り組んでいると必ずハプニング(小さな失敗)にぶち当たります。私も、市民の方にお叱りを受ける、関連部署の職員と衝突する、トップの方針が変わるなど、多くのハプニングを経験しました。でもハプニングはリカバーできます。取り組みの成否は、いかにリカバーして道筋をつないでいくかにかかっています。そのために私は以下の3点を意識しています。
①すぐに動く
ハプニングは放置しておいて好転することはありません。察知したらすぐにリカバーに動くことが重要です。例え空回りになったとしても、リカバーしようとする熱意は伝わるはずです。
②仲間に頼る
ハプニングはひとりでリカバーする必要はありません。みんなで考える方が良いアイデアが出るかもしれません。上司や同僚に動いてもらう方が、相手が納得してくれることもあるでしょう。
③心の栄養補給を大切に
公共FM担当には比較的ハートの強い方が多いと思いますが、それでも失敗で心が折れそうになることもあると思います。そんな時はしっかり心の栄養補給をし、前向きな気持ちを取り戻しましょう。趣味に走る、おいしいものを食べる、何でも構いません。セミナー等で同じ悩みを共有することも効果的かもしれません。
Q.サロン会員の皆さまに一言
A.自分の自治体に合った事例を探そう!
今年から公共FM担当になられた方も多いと思います。「キラキラした事例はたくさんあるけど、本当に我がまちで実現するのか、私にやりきれるのかと迷っておられるかもしれません。しかし、自治体職員として自分のまちの状況はよくご存じだと思います。今、自分のまちに本当に有効で進めやすい取り組みは何か、よく考えてみてください。明石市の包括管理も、ちょうど中核市移行を控えて、新たな事務を担う人員が求められる時期であったために導入できた面があります。
何をするかが決まれば、あとは心配いりません。全国の公共FM先任者のみなさんの知恵が詰まった事例がたくさんあります。調べて問い合わせれば貴重な助言ももらえることでしょう。共に歩む公共FM仲間の一員として力強く第一歩を踏み出してください。
お問い合わせ
日本管財株式会社
担当:営業統括本部マーケティング推進部(恒川・大原)
TEL:03-5299-0851
E-mail:eigyo_market@nkanzai.co.jp