コロナ禍の影響により、全国の自治体で、緊急性の高い情報の発信数が増加している。一方、住民が情報を受け取るメディアは、日進月歩で多様化が進み、従来の手法では確実な伝達が難しくなってきた。そんな中、いち早く新たな仕組みを導入した神戸町の事例を紹介する。
※下記はジチタイワークスVol.13(2021年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]バイザー株式会社
届けたい情報を届けられない、従来の手法では対応が限界に。
自治体が住民へ配信すべき情報は多岐にわたる。同町でも、その手段として、紙媒体やメール、行政無線を活用していたが、様々な局面で課題を感じていたという。特に危惧していたのは、緊急時の対応だ。「メール配信は、確認までのタイムラグが発生しがちです。防災無線は、外出先では聞きそびれることも多いはず」と水野さん。
また、住民向けだけでなく、職員間の情報共有にも課題があった。「例えば、閉庁時に災害が発生した場合、担当者が一度登庁し、専用PCから参集連絡をしていたので、どうしても時間のロスが出ていました」。
住民への確実な情報伝達と、職員間における迅速な情報共有。これらの解決を目指し、模索を続けていたが、その動きを加速させたのがコロナ禍だった。「緊急性の高い情報配信の増加に加え、臨時休業時の対応など、教育現場からも多くの課題が寄せられたのです」。庁内には、“まち全体の情報共有の仕組みを、早急に変えねばならない”といった切迫感が広がったという。
そこで急浮上したのが、「バイザー」が提供する「情報配信システム」だ。「全庁的な活用ができる仕組みがあったことと、国の臨時交付金が活用できる内容であったことが導入の決め手となりました」と水野さんは当時を振り返る。決定後の両者の動きは迅速だった。「寄せられていた課題をもとに仕様面を決定し、バイザーさんには、操作面でのレクチャーも現場ごとにしていただきました」。全庁的な変更であったが、各課の疑問を解消しながら進めたことで、スムーズな運用開始に至ったという。
複数のメディアに一斉配信、直感的な操作で運用が可能。
同社の情報配信システムは、複数のパッケージから成り立っている。その中の「すぐメールPlus+」は、メールやLINEなど様々なメディアへ、送りたい情報を一斉配信することができるシステムだ。「LINEを選択した住民の方が7割以上で驚きました。普段使っているメディアなら確実に見ていただけるはずです」と期待を寄せる。また、外部システム(気象・火災情報など)からの情報も、テキスト化して同時に配信しているそうだ。
また、「マチエール」は、住民向けの情報やコンテンツを、一元的に制作・更新・管理できるシステム。ここで手がけた情報は、前述のすぐメールPl us+によって、自治体の専用アプリなどに反映。即座に住民側にも配信される。気になる運用面も「操作が簡単で、直感的に使えるので、I Tに強くない職員でも運用ができています」とのこと。また同町では、令和3年4月に、これらのシステムを活用し、専用アプリの中で“防災”コンテンツをリリース予定。さらに、ごみカレンダーなど利便性の高いコンテンツを追加していくことで、“普段使い”のアプリにしていくことが当面の目標だという。
住民向けから教育向けまで、情報配信のDX化が一気に進む。
同町ではさらに、災害発生時における職員の安否確認や参集指示などを、自動で配信・集計できる「すぐ参集」、そして、学校・家庭・地域をつなぐ連絡システム「すぐーる」も導入した。「これで全庁での情報配信のDX化が一気に進みました。今後はこの仕組みをさらに活用し、安心で安全なまちづくりをするのが、私たちの使命だと思っています」と気を引き締める。
自治体は今後も、感染数やワクチンなどに関する情報を、きめ細やかに配信しなければならない。これらに対応するには、やはり、既存の情報配信の仕組みを大きく変える必要がありそうだ。
神戸町役場
総務部 総務課 財政係長
水野 佳朗(みずの よしろう)さん
4つのソリューションで、まち全体の情報流通がスムーズに。
バイザーでは、各現場向けに開発された専用パッケージを用意している。これら全てを導入することで、全庁一体となった情報配信のDX化が実現する。
一斉情報配信システム すぐメールPlus+
あらゆる媒体へ情報配信
モバイル媒体を活用する若者から、アナログ媒体に親しみのある高齢者まで、幅広いニーズに対応。よく使う文面はテンプレート登録が可能。業務を簡素化し、人為的なミスも防ぐ。
多言語配信にも対応
自動翻訳機能によって8カ国語対応も可能。増加する外国人に向けた発信をサポート。
防災行政無線と連携
無線で配信した情報のテキストを自動で受信し、住民が登録したメディアに配信できる。
様々なコンテンツを簡単編集 マチエール
アプリ等へ配信するコンテンツを制作・管理
防災向け機能(プッシュ通知や最大音量通知など)を装備したコンテンツや、生活支援系のコンテンツ(カレンダー・住民レポートなど)の制作・更新・管理が可能。オフライン機能では、通信が遮断されてもハザードマップなどの閲覧ができる。
公共職員専用参集システム
職員がよく使う複数のメディア(メール・電話・LINEなど)へ一斉連絡が可能。自動配信機能では、“震度4以上だったら参集メールを自動で配信する”といった設定も可能だ。
学校・家庭・地域をつなぐ連絡システム
資料の添付や、アンケートの送付・回答、欠席・遅刻連絡もオンライン上で可能。体温やせきの有無などを記した健康連絡帳もデジタル化でき、毎日の確認作業が容易になる。
情報配信のDX化推進で職員の負担軽減を。
これらの情報配信ソリューションは、職員の負担軽減という面でも大きく貢献。負担の大きかった問い合わせ対応業務も、マチエールの機能を活用することで軽減が可能です。
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