モバイルワークを訪問開発で低コスト&スピーディーに実現。
働き方改革の構成要素である“モバイルワーク”。その必要性が叫ばれる中、堺市では“訪問開発”によるシステム改修を行い、現場のニーズに応えている。ICT部門担当者、現場職員の双方に経緯と導入効果を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.13(2021年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]サイボウズ株式会社
各所管課と民間企業が一緒に課題を洗い出し!
堺市では、働き方改革を推進するに当たり、職員の勤務状況を改善し、職員が本来取り組むべき業務に多くの時間を振り分けられるようにモバイルワークを導入することを決めた。これは、現場からの「帰庁してからメモを報告書にまとめるのが大変」「外出時に携行する資料が多い」といった声を受けてのことだと、同市ICTイノベーション推進室の阪井さんは語る。「改善すべき点が多いのは明白でした。そこで、平成30年に具体的な課題を洗い出すためのワークショップを開催しました」。
ワークショップは7つの所管課から選ばれた職員に加え、ICTイノベーション推進室の職員が参加し、他市のモバイルワーク導入に取り組んだ実績を有する「大塚商会」の協力を得る形で5つのグループに分けて3回実施。意見は活発に交わされ、具体的な改善点は出揃ったが、情報共有、データ管理方法の統一、ペーパーレスなど、所管課によってニーズは異なる。個別の開発も検討したが、その場合はコストがかさむ。解決策を探っていたところ、大塚商会から「『kintone(以下、キントーン)』なら解決できる」という提案があった。
訪問開発と組み合わせて3カ月でのリリースを実現。
キントーンは「サイボウズ」が提供する業務改善プラットフォーム。データベース機能とコミュニケーション機能を備え、業務に合わせた様々なアプリをつくることができる。「開発コストが抑えられる点に加え、運用しながらカスタマイズできる柔軟さとスピードにも魅力を感じ、導入を決めました」と阪井さんは話す。
同市は各部署の課題に合ったアプリの開発を、大塚商会による“訪問開発”と保守で進めることにした。訪問開発は、システム全体を構築して納品する一般的なフローではなく、トライ&エラーを繰り返し、開発期間を短縮する方法。また、一度アプリを開発した後も、定期的なオンサイト保守の機会を設けることができる。その各段階で、現場側の要望と開発側の知識をすり合わせながら改修を加えることにより、使いやすいアプリを迅速につくることができる。
同市のモバイルワーク用のキントーンは約3カ月という短期間で完成し、各現場にリリースされた。実際にキントーンを使っている建築課の安井さんは「通常のシステム開発であれば、その仕様書をつくっている期間内に、今回はもう完成していたという印象。それほど迅速でした」と評価する。
可変性に富むキントーンが業務の可能性を広げる!
キントーンを利用してのモバイルワークは、令和元年7月に運用が開始され、現場では次々に変化が起きた。「建築課では、書類を電子化してキントーンに入れることで、身軽に外出できるようになりました。また、現場から電話で報告を受けても状況がイメージできないといったことがありましたが、キントーン上で写真を見ながら話すことで正確な意志疎通ができるようになりました」と安井さんは振り返る。職員が帰庁後に手書きメモを入力して印刷し供覧する…といった手間も減り、現場写真などの画像印刷に至っては「肌感覚で8~9割はペーパーレス化できている」という。また、キントーンでの情報共有により、誰が何に困っているのかが分かり、職員同士で声を掛け合う場面も増えた。
堺市では令和3年度からさらに、LGWAN網を活用したモバイルワークなどキントーンの活用範囲の拡張を予定している。徐々に対象部署を広げ、目指すは令和7年の全庁導入だ。阪井さんは「キントーンの能力はまだ最大限に引き出せていない。今後も研究を重ね、活用シーンを広げていきたい」と期待を寄せている。
堺市 ICTイノベーション推進室
左:主査 紙谷 昭(かみたに あきら)さん
中央:阪井 志帆(さかい しほ)さん
右:建築都市局建築部建築課
建築第一係長 安井 裕雅(やすい ひろまさ)さん
職員をつなぎ業務を見える化するキントーンの多彩な機能!
数ある業務改善プラットフォームの中でも、圧倒的な支持を誇るキントーン。「使ってみれば分かる」という現場の声が、その高い機能性を証明している。
■キントーンを使えば外出中の職員とのコミュニケーションもスムーズに!
■写真や報告書の出力・供覧も、キントーン上で行えば簡単&ペーパーレス!
キントーンの特徴
1.ドラッグ&ドロップの直感的操作で簡単に構築・修正が可能に
キントーンはドラッグ&ドロップで簡単に構築・修正でき、システム設計の経験などは不要。マイナーチェンジや小修正は職員が対応することも可能で、スキルや経験を問わず、誰でも簡単に利用することができる。
2. 100自治体、民間1万8,000社の導入実績、他自治体との情報共有にも強い
キントーンでつくったアプリは、再利用・配布が可能。庁内や自治体間で横展開でき、どんどん効率が上がる。他社システムとの連携にも強く、庁内だけでなく他自治体などとの情報共有にも活用できる。
訪問開発と保守でスピーディーに開発
サイボウズのパートナー企業が現地に赴き、対面で開発を行うサービスが訪問開発だ。現場職員の意見・アイデアを、キントーンのプロであるパートナー企業がアプリに落とし込むことでスピーディーにアプリ開発が可能になる。加えて、オンサイト保守でより使いやすいものに日々改良されている。
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