リコーが全国で初となる音声ガイダンス機能の付いたコンビニ交付用の行政証明書交付端末をリリース。視覚に障がいのある方も証明書の発行が可能だ。発売までの経緯についてリコージャパンの杉本賢一さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.6(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]リコージャパン株式会社
全国初の音声ガイダンス付き視覚障がい者に対応
従来のコンビニ交付用の行政証明書交付端末は、画面の案内を見ながら操作し、証明書を発行する仕組み。既に設置している自治体も多い。今回新たに開発されたのが視覚障がい者向けに音声ガイダンスを取り入れた行政証明書交付端末だ。
開発のきっかけは、豊島区から要望があったことだった。もともと各種証明書の発行のために自動交付機を置いていた豊島区役所。音声ガイダンス付きで、視覚障がい者にも対応したものだった。その機器をコンビニ交付用の機器に一新することになり、調べてみるとコンビニ交付用の端末は音声ガイダンス機能が付いたものがないことが判明した。そこで、豊島区から視覚障がい者向けのコンビニ交付用の端末をつくれないかと総務省に相談したのがきっかけだった。それから交付端末を製造開発している企業数社に声をかけた。
豊島区に機器を設置。利用方法もわかりやすく掲示している。
SDGsに注目し誰もが使える機器を開発
現在、日本政府が進めているのが平成27(2015)年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」だ。令和12(2030)年までの国際目標としてゴールが定められ、そのなかには、「目標10.人や国の不公平をなくそう」がある。
年齢、性別、障がいに関わらずあらゆる人々が平等にサービスを受ける権利があるのだ。SDGsの活動に積極的に取り組む自治体は多く、総務省の相談からニーズをいち早く汲み取ったのがリコーだった。全国で初めて音声ガイダンスを付与したコンビニ交付用証明書交付端末を開発したのだ。
誰もが使いやすい機能でマイナンバーカード普及の後押しも
音声ガイダンス機能以外にも利点がある。15インチの大画面で高齢者でも見やすい、車イス利用者でも使えるよう画面の調整ができる、無線対応でネットワークケーブルの敷設が不要、などだ。さらに、証明書交付の専用機としてラインナップに加えたのも特徴の一つである。今までは証明書交付はマルチコピー機のひとつの機能だったので、機械に慣れない高齢者などのなかには、使い方がわからず混乱してしまう人もいた。誰もが扱いやすい専用機に加え、希望に応じて専用機にコピー機がセットされたモデルや、マルチコピー機能を追加した複合機モデルも注文できる。
リコージャパンの杉本さんは、「市民に自ら証明書を発行してもらうことで職員の窓口対応業務が軽減します。また、待ち時間短縮によって市民の満足度向上も期待できる。発行にはマイナンバーカードが必要なので、市民の取得率アップにもつながるでしょう。機器の導入がカード取得促進になれば」と語る。
リコージャパン 公共事業部 杉本 賢一さん
視覚障がい者も操作可能 機器導入がSDGs実現の一歩に
全国で初めて開発された音声ガイダンス付きのコンビニ交付用行政証 明書交付端末。あらゆる人々が使えてSDGsの実現につながるほか に、職員の業務負担の軽減なども見込まれる。
国連サミットで採択された「SDGs」は17の目標と169のターゲットからなる。
見込まれる導入効果
SDGsの推進
音声ガイダンスや15インチの大型パネ ルの採用により、視覚障がい者や高齢 者などあらゆる人にとって使いやすい 端末となった。SDGsの目標の一つ「不平等を是正する」を実現する。
窓口業務負担軽減
市民自ら証明書を発行できることで、 職員の窓口業務の負担が軽減できる。 また待ち時間の短縮により、市民の満足度もアップ。
マイナンバーカード取得促進
簡単に使える証明書交付端末は、マイ ナンバーカードをリーダーで読み取ることで利用可能。マイナンバーカード取得の促進が期待できる。
特徴
コンビニ交付用行政証明書交付サービスの専用機。マイナンバーカードや住民基本台帳カードを使い、住民票の写しや印鑑登録 証明書などの各行政証明書を発行できる。希望に応じて、交付端末とコピー機がセットになったコピー機能搭載モデルや、コピーやスキャンなどのマルチコピー機を搭載した複合機モデルも用意。
①初めてでも簡単操作
画面に表示されるガイドに従って、簡単に証明書の発行が可能だ。
画面上で使用したい行政サービスを選択する。
マイナンバーカードをカードリー ダーにかざし、読み取る。
発行したい証明書を選択。表示 された料金を投入する。
証明書をスムーズに発行
②音声ガイド
備え付けられたハンドセッ トからは音声ガイダンスが 流れる。テンキーボタンで 操作でき、視覚障がい者も 一人で利用できる。
③15インチ大型画面
見やすく操作しやすいように 15インチの大型フルカラー タッチパネル。覗き見防止の フィルターを採用しているの で、個人情報の扱いも安心。
④車イスでもOK
タッチパネルは角度の調整 が可能。車椅子利用者でも 座ったまま扱うことができる。
お問い合わせ
サービス提供元企業:リコージャパン株式会社
050-3817-1183
〒108-0023 東京都港区芝浦3-4-1 グランパークタワー田町
Web http://www.ricoh.co.jp/mfpas/