ジチタイワークス

大阪府

施設や設備、まちの財産を守る!万が一に備える最新の防水設備。

“いつか”では遅い水害対策

もしも自分たちのまちに水害が起きたら――。その“もしも”は万が一ではなく、“いつか起き得る”リスクの高い災害として重要視されている。国を挙げて水害対策が推進されているが、依然としてその歩みは遅い。今、私たちが知っておくべき防水設備の知識を見つめ直す。

※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]東洋シヤッター株式会社

水害を見越したスピーディーな行動。

平成27年9月に起きた関東・東北豪雨。茨城県常総市では常総市役所別棟の浸水が100cmに及び発電機が水没して災害救助活動に大きな支障をもたらした。政府は自治体の対策強化を促し、令和2年2月には国土交通省と経済産業省から庁舎や建築物における電気設備の浸水対策ガイドラインの取りまとめを発表。水害対策は急務となっている。

水害の大きな起因となる“ゲリラ豪雨”に対応するためには、スピードが重要だ。仮に深夜や休日に有事が起きたとき、自治体職員がすぐに庁舎に駆けつけ対応するのは難しい。また、土のうや簡易的な止水板を設置するとしてもかなりの時間と手間のかかる作業が必要で、多くの自治体が人手不足に悩まされている。こうした課題を解決できるのが、止水ドアや防水扉、水防板などを事前に設置しておく浸水対策である。

 

非常時に操作不要!画期的な止水ドアを開発。

人手を必要とせず、より効果的な浸水対策として止水製品が注目され各メーカーが開発に乗り出したとき、多くの自治体に水防板を提供していた「東洋シヤッター」では「どんなものが最も安全なのか」を考えた。

そこで設計事務所や電力会社など止水対策の関係者たちに意見を求めたところ「いつも使っている扉に止水性能が欲しい」と共通する意見が多かった。

「従来の止水製品には“止水用ハンドルを締める”といった非常時にワンアクションが必要でした。通常の扉に止水性能をつけることは技術的に難しいことでしたが、なんとか要望に応えたいと思い試行錯誤したんです」と開発に携わった諸留さんは話す。

平成27年、東洋シヤッターはオリジナルの止水ゴムを用いた止水ドアの開発に成功。SATドア・PATドア※と同じ納まりで気密性や耐風圧性などをそのままに、水害発生時には操作不要で止水性能を発揮する止水ドア「TSウォータータイト」をリリースした。この扉さえ設置していれば、非常時の特別な処置が必要ない。普段通りに扉を閉めているだけで、いつ水害が起きても水深3mまで浸水を塞げるのだ。これによりスピーディーな対応ができるだけでなく、浸水対策への人的コストを減らし、職員が二次災害に巻き込まれるリスクを回避した。

この他、電気機器類のある部屋への浸水を頑丈に守る「水防扉」や扉前で幅広く出入り口の浸水を防ぐ「アルミ水防板」など、用途に合わせた止水製品を展開している。

 

各自治体で好評浸水対策に一手を打つ。

現在は総合庁舎、消防署、ポンプ場、県庁など全国の自治体に導入。特に「止水ドア」はかつてない止水製品だと好評を集めているという。

担当の諸留さんは「年々、ゲリラ豪雨が増え台風も巨大化しています。もしも急激な雨が来て庁舎のパソコンがショートし重要なデータベースが壊滅したら、どれだけの代償を払わなければいけないでしょうか。ペーパーレス化で資料がデータに移行している時代に、浸水対策の危機管理はとても重要です」と話す。


浸水対策として使われる土のう。設置するのに時間と人手が必要。

※SATドア・・準防音ドア
 PATドア・・完全防音ドア

Interview


東洋シヤッター 技術部 諸留 充さん

 

労力・人的コストを最低限に!

設置するだけで水害から施設や電気設備を守ってくれる「止水ドア」をはじめ、万が一に備えて知っておきたい防水設備を紹介する。

浸水から建物を守る止水ドアシリーズ

1.止水ドア「TSウォータータイト」

日常で使用する扉に止水性能を付加した「止水ドア」。SATドア・PATドア※と同じ納まりで気密性や耐風圧性などをそのままに、水害発生時には操作不要で止水性能を発揮する。窓付き止水ドアでは、上の階へ逃げるべきか、外部に逃げるべきかの状況確認ができる。

 

2.水防扉

止水性能に特化した「水防扉」。普段は使用せず、水害時に丸ハンドルを操作することで効力を発揮する。静水圧の自社実験では水漏れゼロを達成。重要施設の機械や電気機器類のある部屋への浸水を守る。

 

3.アルミ水防板

土のうの代用として、最も一般的に用いられる止水製品「アルミ水防板」。非常時に扉前へ軽量のパネルを、正面から左右のやり返し(けんどん)設置することで浸水を防ぐ。土のうでは止水性能が3000L/h・㎡(参考値)なのに対し、アルミ水防板では0.03L/h・㎡(実験値)と10万倍もの漏れを防げる。

 

4.吊り下げ式アルミ水防板

アルミ水防板を設置する手間を省ける吊り下げ式。通常時は扉の上部にあるため、運搬や保管のスペースが不要だ。また、水害時にはボタン一つで下降させ、地面についたところでハンドルを締め付けるだけでOK。最大幅6mまで対応できる。

 

CHECK 

全国自治体へ導入実績あり!

これまで全国自治体に導入。特に止水ドアは多くの自治体から問い合わせがあり、「普段から使っているドアに止水性能があって万が一の時も安心」「こんな止水製品が欲しかった」と嬉しい声が集まっている。

お問い合わせ

サービス提供元企業:東洋シヤッター株式会社

部署:業務企画部
TEL:06-4705-2123
住所:〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場2-3-2南船場ハートビル12階

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