ジチタイワークス

愛知県清須市

LPガス仕様の空調を導入し、避難所の防災力を強化する。

自立発電可能なLPガス災害対応バルク

平成12年に発生した東海豪雨によって甚大な被害を受けた清須市。令和4年、災害対策として市内全ての小・中学校の体育館にLPガスを用いた空調設備を一斉導入した。昨今の気象動向を見据えた取り組みについて、市長の永田さんに聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.36(2025年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]一般社団法人全国LPガス協会・日本LPガス協会

清須市
市長
永田 純夫(ながた すみお)さん

既存インフラに頼らないエネルギーで避難所が抱えるリスクを低減する。

約17㎢の市内に3つの河川が流れる同市は、東海豪雨によって深刻な被害に見舞われた。以降、“安全で安心に暮らせるまちをつくる”という政策を掲げ、防災・減災対策に力を入れて取り組んでいる。「気候変動により全国の平均気温が上昇する状況で、課題となっていたのが避難所の温度管理でした。児童・生徒の熱中症対策を兼ねて、市が避難所に指定した全12カ所の小・中学校については、令和元年に教室への冷暖房工事を完了。次は、災害時に多くの住民が寝泊まりすることになる、体育館の空調だと考えていました」。

災害に対応できる設備を模索していたときに出合ったのが、ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン(GHP)と、「災害対応型LPガスバルク供給システム(以下、災害対応バルク)」だった。他自治体の事例視察など、検討を重ねた上で導入を決定。「行政としてはコスト面を考える必要もありますが、何よりも“いざ災害”というときに確実に使えることを重視しました。大規模災害によって電線や都市ガス配管の断絶が起きてしまうと、エネルギーとして使えなくなります。LPガスであれば、たとえ被災が広範囲に及んでも、避難所が最も必要とされる最初の数日間、安定的に稼働できると考えました」。

全12カ所の体育館を一斉整備し、防災力強化と教育環境充実へ。

当初は数年かけて順次導入する計画だった。しかし、教育現場からの要望を受けて、全小・中学校体育館の一斉整備を決断。令和2年度から調査や準備を開始し、費用面は経済産業省の補助金などを活用することで、最小限にとどめることができたという。

「体育館工事は平常授業への影響を考えて、夏休み期間を中心に実施しました。一方で、ちょうどコロナ禍が明けたタイミングだったため、子どもたちから“夏休みも思い切り部活動をしたい”という要望もあったのです」。そのため、5月初旬から学校教育課とスポーツ課が協力し、公共体育館との調整を開始。通常は一般開放されている時間を各校に割り振り、部活動ができる環境を整えた。

「稼働開始後は、猛暑時の体育や卒業式などが快適になったと、学校現場から喜ばれています。教室のエアコンが故障した際には、体育館で授業を行うこともあるようです。また、近隣自治体の学校関係者からは、“練習試合はエアコンのある清須市でやりたい”という声も上がっていると聞いています」。

住民の生命や財産を守るために、よりよい対策を考えつづける。

防災に注力してきた同市では、地域ごとに自主防災訓練を実施することが恒例となっている。「令和5年度からは、災害対応バルクを活用した炊き出し訓練を開始しました。避難所である体育館のすぐそばで調理ができる利便性を実感しています。また、住民の中には人工呼吸器などの医療的ケアが必要で、災害時の不安を抱えている人もいますが、“体育館で電源が使えます”と、職員が自信をもって答えられるようになっています」。導入以来、各学校の体育館は避難所としての信頼性を増し、自主防災訓練も体育館を中心に実施されるようになったという。

東海豪雨の被害は、当時を知る住民によって現在も語り継がれている。高齢化が進行する社会では、住民の命や財産を守り抜くための地域インフラ整備がますます重要になるだろう。「当市は川に囲まれた自然豊かな土地柄ですが、起伏が少なく内水氾濫が起きやすい地形でもあります。ポンプ排水や設備の耐震化なども毎年続けており、今後も地域に合う形で防災への備えをしていく予定です。令和6年の能登半島地震は非常に大きな災害で、私たちは改めて課題を提示されていると受け止めています。各自治体がそれぞれの環境や規模に合わせ、継続的に防災対策を見直すことが大切ではないでしょうか」。

補助事業の詳細を確認

経済産業省では、避難所などを対象に、LPガス災害対応バルクおよび関連設備の設置を支援している。詳細は「エルピーガス振興センター」のWEBサイトにて確認を。

補助事業活用実績

全国1,602カ所

※令和6年3月31日時点エルピーガス振興センター調べ

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