地域イベント成功の秘訣は?集客力を高める企画・運営のポイントと成功事例
地域イベントは地域の経済活性化やコミュニティ形成において重要な役割を果たす。しかしイベントを成功させるためには、戦略的な企画と運営が欠かせない。本記事では地域の魅力を発信するための企画のポイントを解説する。地域イベントを成功させている自治体の事例や民間サービスの活用方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
【目次】
• 地域イベント企画の成功事例を紹介
• 地元住民参加型イベントの成功のポイント
• イベント企画の改善ポイント
• 民間サービスを利用した企画と運営
• 地域イベントの集客力を高める方法
• イベント成功のポイント
※掲載情報は公開日時点のものです。
地域イベント企画の成功事例を紹介
地域イベントは、地域の魅力をアピールすることで経済を活性化させ、コミュニティの結束に貢献する重要な役割を果たす。しかしイベントの成功には、企画段階からの工夫が欠かせない。ここでは地域イベントの成功事例を見ながら、成功の秘訣を探っていこう。
成功するイベント運営に必要な工夫とアイデア
地域イベントの成功には、地域住民の協力が欠かせない。住民が積極的に参加できる仕組みを整え、地元の伝統や文化を取り入れることで、住民の参加意欲を高めることができる。地域の結束を強める目的であれば、伝統芸能やお祭りなど、地域ならではの文化を体験できるイベントが効果的だ。特に、花火大会や地域のお祭りは、住民だけでなく観光客にも強い訴求力があり、地域経済の活性化にもつながるだろう。
観光客を引き寄せる!地域資源活用の事例
観光客を引き込むためには、その地域でしか体験できない価値を提供することが重要である。例えば、地元食材を使った食のイベントや郷土料理の紹介は、観光客に地域の魅力を伝える絶好の機会となる。また、地元の食材を用いた料理教室や特産品の試食イベントなど、特別な体験を提供することで、観光客の興味を引きやすくなるだろう。
イベント運営の成功事例
具体的に、どのような成功事例があるのだろうか。ここでは岐阜県養老町と北海道札幌市の事例を紹介する。
岐阜県養老町・大養老展
岐阜県養老町が東京池袋で実施した「大養老展」は、養老町の地元文化と特産品を体験できるイベントだ。料理教室や地元の高級地酒の試飲会など、観光客が参加できるプログラムが多く、地元ならではの特産品を味わえる。こうした参加型のしかけで都市部での地域認知を高めることができ、観光や移住に対する関心を促進できたという。
札幌商工会議所・まちあそび人生ゲーム
札幌商工会議所が実施した、「発寒商店街まちあそび人生ゲーム」は、商店街を舞台にしたリアル体験型のイベントで、参加者は地域を巡りながら商店街を体感できる。
地域の商店や地元文化への理解も深められ、商店街への集客にもつながるユニークな企画となっている。
また、本ゲームではゲーム内の仮想通貨を扱うことで、ゲームを楽しみながらお金の使い方を学ぶことができる仕組みとなっている。
▲ 実際のイベントの様子。お店の前に行列ができるほど盛況だったという。(画像提供:札幌商工会議所)
デジタルツール活用で成功した地域イベント事例
デジタルツールを活用することも、地域イベントの成功要因の一つである。例えば、令和5年に実施された造幣局の「桜の通り抜け」では、事前予約制を導入することで入場者が前年の17万人から24万人に増加した。予約制の導入により当日の混雑が緩和され、来場者の満足度も向上している。こうしたデジタル化による運営の最適化は、今後のイベント運営において有効な手段であるといえる。
イベント企画の改善ポイント
地域イベントを成功させるためには、企画段階でニーズをとらえ、コンセプトをしっかりと考えておくことが大切だ。ここでは、企画の改善ポイントを紹介する。
1. 参加者のニーズを把握する方法
イベントの成否を分けるポイントの一つは、「参加者のニーズを把握すること」である。イベント前にアンケート調査やSNSのフィードバックを分析し、どのようなコンテンツが求められているかを把握する必要がある。例えば、過去の参加者データから、どの年齢層に人気があったか、また特に好評だったアクティビティが何かを調べることで、次回の企画に反映させることができる。
2.効果的なマーケティング戦略
マーケティング戦略としては、ソーシャルメディアや地元新聞、観光サイトを活用するのがよいだろう。SNSではハッシュタグを用いることで、イベント内容や雰囲気を広く伝えられる。また、地元向けの広報にはポスターやチラシを活用し、自治体や商店街と連携してプロモーションを展開することで、地域住民へのリーチを強化することができる。ターゲットに向けた効果的な戦略が、集客力を高めるカギとなる。
3. 安全かつスムーズなイベント運営の秘訣
イベント運営の重要なポイントは、参加者の安全とスムーズな進行を確保することである。動線設計や会場スタッフの配置、防災対策を徹底することで、トラブルを未然に防ぐことができる。また、会場内の適切な案内標識の配置により、混雑や事故の回避が可能となる。事前に詳細な運営計画を立てることで、当日の流れも円滑になるだろう。
4. イベント後のフィードバック収集と活用法
イベント終了後に収集した参加者からのフィードバックは、次回のイベント改善に役立つ貴重な情報源である。アンケートやSNSで感想を集め、参加者が満足した点や改善を求める点を把握することで、次回に向けた改善点が明確になる。これにより、参加者の満足度向上やリピーターの増加も期待できるだろう。
民間サービスを利用した企画と運営
地域イベントは、企画から予約管理、プロモーション、当日の運営、後片付けまで、様々な工程が必要であり、自治体だけで全てを担うのは負担が大きい。そこで、民間サービスをうまく活用したい。ここでは、イベント管理やプロモーション支援、アウトソーシングの活用法について紹介する。
イベント管理システムの選び方
イベント管理システムを選定するときは、イベントの規模や目的に応じた機能が備わっているか確認しよう。
イベント申し込みフォームの作成機能があれば、参加者数を把握できるだけでなく、参加者の情報をデジタルデータで整理可能だ。有料イベントであれば事前決済システムがあると、当日現場での支払い処理の手間を省ける。
▶ 「地域イベント」に関する、民間サービスを確認する。
「ジチタイワークスHA×SH」では、サービス資料の確認とダウンロードが可能です。
プロモーションを支援するサービスの活用
マーケティング戦略として、ソーシャルメディアや地元新聞、観光サイトを利用することは前述したが、デジタルとオフラインの宣伝を組み合わせることが特に効果的である。自治体だけでプロモーションを全て完結させるのが難しい場合には、民間サービスの利用も検討するとよいだろう。
集客力を高める方法については、このあと詳しく解説する。
アウトソーシングで業務を効率化する方法
アウトソーシングとは、業務の一部を外部に委託することである。地域イベントに関連する業務は多岐にわたり、アウトソーシングをうまく活用することで、負担を軽減できる。専門知識や経験を持つパートナーと連携することで、プロモーションや当日の設営、後片付けなどの業務をスムーズに進めることが可能だ。
地域イベントの集客力を高める方法
地域イベントの集客力を高めるには、ターゲット層に効果的にリーチできるプロモーション戦略が欠かせない。ソーシャルメディアの活用や年齢層に応じた広告展開、リピーターを増やす工夫など、様々な手法を組み合わせることで集客効果が向上する。とはいえ、マーケティング戦略が初めての担当者には難解に感じるかもしれない。ここでは集客力を高める方法を分かりやすく説明したい。
ソーシャルメディアを活用した広報戦略
ソーシャルメディアは、少ないコストで多くのターゲット層にアプローチできる利点がある。
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)、TikTok、YouTubeなど、各プラットフォームにはそれぞれ異なる特性があるため、ターゲット層に合わせた選択が重要だ。Instagramは視覚的な訴求力が強いため、イベント会場の風景や準備風景、過去の開催の様子を写真や動画で発信するのに向いている。
Xは、地域イベントの広報戦略において、リアルタイムで情報を発信しやすく、地域イベントの臨場感や一体感を醸成するツールとして有効だ。ソーシャルメディアによって利用している年齢層が異なるため、ターゲットに合わせた選定が成功のカギとなる。
ターゲット層に応じたプロモーション企画
プロモーションは、ターゲット層の特性に合わせた内容にすることが重要だ。若年層向けには前述したInstagramやX、TikTokなどがリーチしやすいが、シニア層にはやはり新聞折り込み広告やテレビCM、自治体の広報などがよく見られるだろう。年代や生活習慣に合わせたメディアの使い分けに加え、イベントの魅力を強調したキャッチコピーや視覚的なデザインを整えることで、各層にアピールできるプロモーションを展開しよう。
リピーターを増やすための工夫
リピーターを増やすためには、参加者に「次回も来たい」と感じさせる工夫が必要である。例えば、地域の特産品と交換できるチケットや、地域の商店街で使用可能な商品券などの特典があると、参加者の満足度が向上する。イベント後にはフィードバックを収集し、改善点を次回に反映させることで、リピーターの増加が期待できるだろう。
イベント成功のポイント
地域イベントを成功に導くには、企画段階でニーズを把握し、誰に向けて何をするのかコンセプトをしっかりと考えることが大切だ。地域の特色を活かした工夫を盛り込み、魅力を最大限にアピールしよう。今回紹介した成功事例や改善ポイント、民間サービスの活用法を参考に、イベント企画を成功させてほしい。