ジチタイワークス

新潟県

電子契約を導入1年で約63%進め、県内産業のDX支援と業務効率化へ。

電子署名法に準拠した電子契約サービス

新潟県では、令和5年10月に電子契約サービスを正式に導入した。公共工事に限らず、庁内全ての契約書を電子化の対象にしたことで浸透し、導入から1年間で作成された契約書の約63%が電子化。その舞台裏を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.35(2024年12月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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新潟県
出納局 会計検査課
中央:課長
石山 雅央(いしやま まさお)さん
左:調達契約係 主事
齋藤 讓平(さいとう じょうへい)さん
右:係長
金子 秀光(かねこ ひでみつ)さん

時間とコストを削減でき、事業者と職員の双方に利点。

同県は、令和3年7月に「デジタル改革の実行方針」を発表。“暮らし・産業・行政の変革”を目的に、部局横断的に業務効率化と、新たな価値を生み出すデジタル技術の活用を進めている。また、同年9月に施行された「デジタル改革関連法」が契機となり、建設業の事業者からは、契約の電子化を求める声が徐々に上がっていたという。こうした流れを受け、庁内では電子契約の推進を担うワーキングチームが発足。「翌年には電子契約システムを提供する2社と半年間の実証実験を行い、費用対効果や操作性を確認しました」と金子さん。

従来の紙と押印による契約業務では、契約書の印刷や製本、押印、郵送でやりとりを行うなどの事務的負担があった。加えて、事業者側は収入印紙のコスト負担も抱えていた。しかし、電子契約に切り替えることで、それらのアナログ作業が不要となり、大幅な作業時間の短縮と事業者側のコスト削減につながったのだという。

そして、県内での普及も視野に入れ、市町村にも声をかけて、上越市(じょうえつし)と柏崎市(かしわざきし)と共同で事業者を選定。令和5年に「弁護士ドットコム」が提供する「クラウドサイン」を正式に導入したそうだ。

出納局が所管したことで、全契約書が電子化の対象に。

同サービスは、オンライン上で契約締結から契約書の保管までできる。システムにPDF化した契約書をアップロードすると、自動で契約先に署名依頼をメール通知。相手方はメールで届いたURLからアクセスし、手順に沿って電子署名を行うだけで、契約締結が完了する。

「導入にあたっては、幅広く利用を促そうと、県内の4地区で職員と事業者向けに計8回の説明会を行いました」と齋藤さん。様々な事業者に声をかけ、累計で約800人が参加。操作方法などは、同社が資料や動画を作成して解説したという。これらのコンテンツは庁内イントラで、いつでも確認可能な状態だ。

また、電子化は公共工事だけに限定せず、物品購入や委託など全ての契約を対象にした。その結果、運用開始後わずか2カ月で、全契約の約4割が電子化されたという。「クラウド型なのでネット環境さえあれば利用でき、事業者側のサービス登録などは不要なので、導入の障壁も少ない。加えて、事前説明会を丁寧に進めたことが、多くの利用につながったのだと思います」と石山さんは語る。電子契約を活用した事業者からは“契約書がPDFになり、スキャンの手間が省けた”との声があったという。さらに庁内の職員からも、“クラウド上に契約書が保管されるため、後から検索しやすい”“契約締結の時間が短縮され、履行の着手が早くなった”という喜びの声が寄せられた。

1万件以上の電子化を達成し、事業者と他自治体へ周知を拡大。

導入から1年が経った時点で、電子契約の比率は全契約の約63%まで進んだそうだ。これほど早く浸透した要因を金子さんは次のように分析する。「契約時には必ず事業者に電子契約の意向を確認するようにルールを定めています。そこで初めて電子契約の存在を知る事業者もいるようで、今では、県立の学校や病院の契約でも利用が広がっています」。

同課は県内自治体への推進役も担っていることから、市町村にも導入を促していく予定だ。「他自治体からの問い合わせや視察もあり、導入する自治体も増えています。当課でもノウハウを提供していますが、事務フローやセキュリティ面などは自治体によって様々。複数の先行事例を見て、似た状況の自治体に尋ねてみると、参考になると思います」。

人口減少や少子高齢化、競争力の低下など山積する課題解決の手段として、もはやDXは避けて通れない。「だからこそ私たちは電子契約で、改革の一翼を担いたいのです」。同課は今後も周知に力を注ぎ、さらなる普及を目指す。

 

導入の機運が高まる電子契約で業務を効率化する

契約作業をオンラインで完結させる

PDF化した契約書をアップロードし、契約先事業者が電子署名することで締結完了。電子署名とタイムスタンプ付与で改ざん防止に。

契約書の管理もラクに
締結済みの契約書は、クラウド上に自動保管され、過去の契約書の検索が簡単にできる。

基幹システムとも連携
LGWANに対応しており、自治体の文書管理システムなどと連携させ、より便利に使える。
 


 

導入実績

全国235自治体に導入済み

クラウドサインのサイトでは、導入済みの他自治体事例を豊富に紹介中。

※令和6年10月時点 弁護士ドットコム調べ

お問い合わせ

弁護士ドットコム株式会社

東京都港区六本木4-1-4 黒崎ビル5F
TEL:03-5549-2854(平日10:00~18:00)
Email:digitalgovernment@cloudsign.jp

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