家計の中に占める割合は決して少なくはない保険。しかし、自身が加入する保険の中身をあまりよく分かっていない……。そんな人も珍しくないだろう。
シリーズ「今さら聞けない保険の基礎知識」の前編では、保険の種類について解説したが、後編では、現在加入している保険の見直しをする際の一般的なポイントについて「ブロードマインド」平原さんが解説する。
※本記事は、資産形成に対する理解を深めるための情報提供を目的としており、いかなる投資の推奨・勧誘を行うものではありません。
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解説するのはこの方
平原 直樹(ひらはら なおき)さん
ブロードマインド株式会社 マーケティング本部 執行役員
立教大学社会学部卒業後、東証一部上場の大手IT企業に勤める傍ら2006年FP資格を取得。
「資産運用」「退職金運用相談」を専門とし、日本全国の官公庁や自治体などで年間100件を超えるセミナーを開催する傍ら、相談業務やコラムの執筆など幅広く活動している。
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保険を見直す目的とは?
保険の見直しというと、毎月の保険への出費(以降、「保険料」という)を下げることが目的と思われがちですが、それだけが目的ではありません。
保険の見直しの目的は、現在加入中の保険の保障(補償)内容と、自身の必要な保障(補償)が合っているのかをチェックすることが最大の目的となります。毎月の保険料が大きな負担になっている場合、優先順位の低い保障(補償)を外すという選択になるかもしれません。
一方、「今の保障(補償)では不安」という人は、見直しによって保障(補償)を充実させることもあります。当然ですが、保障(補償)を充実させればその分、保険料は高くなります。結果、保険の見直し後には以前よりも保険料が高くなることも珍しくありません。
原則的には、「保険料を下げたい」というニーズと、「保障(補償)内容を充実させたい」というニーズは相反する関係にあることを忘れないようにしましょう。
家族の変化に合わせ最適なタイミングを知る。
一般的には、結婚や出産など“家族の人数が変わるとき”が保険の見直しタイミングといわれています。家族の人数が増える場合、必要な保障の範囲や保険金額が増える傾向にあります。反対に、離婚や子どもの独立などで家族の人数が減る場合、保険金額が減る傾向にあります。
また、住宅購入や転職・退職など“収支が大きく変わるとき”も、保険の見直しタイミングです。収支が厳しくなった際に保険の見直しで支出を減らすというは、一般的な家計管理方法ですよね。
一般的に住宅を購入する際には、住宅ローンを組むことになるかと思います。ぜひ、そのタイミングで保険の見直しをしてください。
というのは、住宅ローンを組むと一般的には「団体信用生命保険」という新規の生命保険に加入することになります。住宅ローンの返済中に、契約者に万が一のことが発生した場合「(大黒柱を失った)家族がローンの返済ができない」という事態を防ぐためですね。
新しく生命保険が追加されたわけですから、現在加入中の生命保険を削減できる余地があるわけです。多くの家庭では住宅購入に伴い、家計で占める住居費の割合が上がりますので、保険の削減ができると助かりますよね。
保険見直しの3つのカギ!保障・金額・期間を徹底チェック。
ここからが、保険を見直す際のポイントです。以下、3つのチェックポイントを見ていきましょう。
チェックポイント1:必要な保障(補償)の確認
「加入中の保険は、自身の必要な保障(補償)を満たしているか」が、最初のチェックとなります。必要な保障(補償)を満たしていないと、保険事故が発生した際に保険が下りないため、保険の見直しの際に最も重要なポイントといえるでしょう。
必要な保障(補償)の範囲を広げると、その分保険料は高くなりますが、必要のない保障を省くことで保険料を削減することも可能です。なお、同種類の保険でも保険会社ごとに給付要件が異なることも珍しくありません。
必要な保障(補償)を決める際には、団体保険を含めて複数の保険会社を比較検討することが重要です。
チェックポイント2:必要な保険金額の確認
次に、「必要な保険金額を満たしているのか」という点です。
保険金の支払い義務が発生する「保険事故」が起こって補償を受ける場合、必要な額を満たしていなければ保険に加入した意義も半減してしまいますよね。保険金額を上げるとその分保険料は高くなりますし、保険金額を下げると保険料もその分安くなります。
チェックポイント3:保険期間の確認
多くの人が忘れがちなのが、保険期間というポイントです。保険は保険期間の有無で、2種類に大別することができます。
⑴ 定期保険
保険期間が決まっている保険です。保険期間を過ぎると保障(補償)は切れてしまいます。
⑵ 終身保険
保険期間が決まっていない、一生涯有効な保険です。
この保険期間に関して忘れがちですが、非常に重要です。仮に死亡時に1,000万円の保険金を受け取れる生命保険に加入したとします。これが定期保険なのか、終身保険なのかで意味合いが大きく変わってきます。あなたが長生きした場合、定期保険では保障を受けられない可能性があります。
一方、どんなに長生きしても、人間はいつか亡くなってしまうので、終身保険であれば必ず保険金を家族に残すことができるわけです。
また、一般的に終身タイプの生命保険に加入した場合、支払い総額よりも多くの金額を家族に残すことができます。つまり、確実に家族に財産を残すことが目的であれば、終身タイプの生命保険に加入した方が預金よりも有利ということです。
当然、終身保険と比較すると定期保険の方が保険料は安く済みますが、家族に必ず保険金を残せるということを踏まえると、保険料は高くても終身保険の方がいいという人もいますね。
このように、保険の見直しには様々なポイントがあります。公務員の皆さんは、こうした保険の一般的なポイントに加え、公務員独自の制度を理解することも重要です。
次回は、保険選びにも重要な“公務員の独自制度”について解説します。
保険の見直し方で迷っているという人は……
ブロードマインドは、一人ひとりの理想のライフプランを実現するために、生命保険・損害保険、投資信託、住宅ローンなどの幅広いソリューションを特定の金融機関に偏らない立場からワンストップで提供しています。保険の見直し方で迷っているという人は、まずはお気軽に問い合わせください。