家計の中に占める割合は決して少なくはない保険。公益財団法人生命保険文化センターが行った「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、日本人の世帯年間払込保険料の平均額は、37.1万円(全生保※)であり、月額換算すると3万円を超える。
それなりの保険料を支払いながらも、実は加入している保険の中身についてあまり分かっていない……。そんな方も珍しくないだろう。そこで今回は、シリーズ「今さら聞けない保険の基礎知識」として、今改めて知っておきたい保険の基礎を「ブロードマインド」平原さんが解説する。
※民間の生命保険会社、郵便局、JA(農協)、県民共済・生協等で取り扱っている生命保険(個人年金保険や生命共済を含む)のことを指す。
※本記事は、資産形成に対する理解を深めるための情報提供を目的としており、いかなる投資の推奨・勧誘を行うものではありません。
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解説するのはこの方
平原 直樹(ひらはら なおき)さん
ブロードマインド株式会社 マーケティング本部 執行役員
立教大学社会学部卒業後、東証一部上場の大手IT企業に勤める傍ら2006年FP資格を取得。
「資産運用」「退職金運用相談」を専門とし、日本全国の官公庁や自治体などで年間100件を超えるセミナーを開催する傍ら、相談業務やコラムの執筆など幅広く活動している。
保険を見直す目的とは?
保険とは、事故や病気、自然災害などの予測できないリスクに対する経済的な備えです。
保険に加入する(=保険料を支払う)ことで、事故や病気、自然災害などの場合に保険会社からお金(保険金)を受け取ることができます。これにより、自身や家族を経済的なリスクから守ることができるわけです。
さて、ひと口に「保険」といっても、業界では大きく2つに分けることができます。具体的には人間を対象とした「生命保険」と、主に物を対象とした「損害保険」です。一見、大きな違いはないように思えますが、これらは明確な違いがあるのです。
例えば、生命保険では、将来の不測な事態に対する経済的な支援として「保障」という言葉を使います。一方、損害保険は、事故や災害などによって発生した損害を埋め合わせるために行われる金銭的な補填として「補償」という言葉を使います。
この考え方の違いによって、保険金の支払われ方にも違いが生まれます。生命保険は、基本的に契約に応じた保険金が支払われる「定額払い」なのに対し、補填という考え方の損保は、実際に発生した金額を支払う「実損払い」が基本となっています。
また、両方の商品を取り扱う際には、それぞれ違う資格の取得が必要です。そのため、生命保険、損害保険それぞれを知っている人というのは、実は非常に珍しいというのが実情です。
人と物を守る、多様な保険の種類とは?
そこでまず、「人」を対象とする生命保険について見ていきましょう。
1. 死亡時の保障に対する保険
保険の対象となる人(以降、「被保険者」という)が死亡した際に受け取る保険です。また、高度障害という所定の状態になった場合には、生存していても保険金を受け取ることが可能です。
2. 病気などの保障に対する保険
被保険者が病気やけがに対する備えです。主に「入院」や「手術」を受けた場合に保障を受けることができます。なお、対象となる病気を「がん」に絞った「がん保険」や三大疾病に絞った「三大疾病保険」などもあります。
3. 老後のための貯蓄に備えた保険
老後に向けてお金を蓄える保険です。一般的には銀行預金のように一定金額を蓄えていくタイプを指しますが、最近では外貨で積み立てていくタイプや、投資商品で積み立てていくタイプなども人気があります。
続いて、「物」を対象とする損害保険について見ていきましょう。前述の通り、損害保険では、「保障」ではなく「補償」という言葉を使います。
1. 自動車を対象とした保険(自動車保険)
交通事故を起こした際に、相手に損害を与えてしまった場合の補償に加え、搭乗者や自身の損害に対する補償などがあります。また、事故の際に自分の車の修理代補償をつけることも可能です。
2. 家や建物を対象とした保険(火災保険)
自宅などが火事になってしまった場合の補償に備えた保険です。
火事以外にも、風災や水災など自然災害にも対応することも可能です。
なお、自然災害でも地震だけは、別途地震保険に加入する必要があります。
3. 損害賠償に備えた保険(賠償保険)
損害保険が主に物を対象とすると説明しましたが、人を対象とする保険もあります。
その代表例が賠償保険であり、不注意などで第三者に損害を与えてしまった場合の賠償責任に備えた保険です。最近では自転車に乗る人は、自転車の事故で相手にけがをさせてしまった場合の損害賠償のために加入が義務化されています。
4. 旅行保険
旅行中の様々なリスクに備える保険です。旅行中の事故や病気による死亡、旅行中に病院にかかったお金を補償してくれます。持ち物が破損した場合や航空機の遅延による損害などをつけることも可能です。
公務員ならではの割引制度を活用する。
民間の保険に加入する場合、保険会社の営業担当者や、その保険会社を取り扱っている保険代理店から個人で加入することが一般的です。
しかしながら、公務員の皆さんは、勤務先(自治体など)に「団体保険」という制度もあります。団体(勤務先)で一括加入することで、個人で加入するよりも割引を受けられます。基本的には、生命保険、損害保険ともに取り扱いがありますので、うまく活用するとお得に加入ができますね。
このように様々な種類の保険がありますし、団体保険と民間の保険会社の商品含めて保険選びはとても難しいですよね。
次回は、現在加入している保険の見直しをする際の、一般的なポイントについて解説します。
保険の選び方で迷っているという人は……
ブロードマインドは、一人ひとりの理想のライフプランを実現するために、生命保険・損害保険、投資信託、住宅ローンなどの幅広いソリューションを特定の金融機関に偏らない立場からワンストップで提供しています。保険の選び方で迷っているという人は、まずはお気軽に問い合わせください。