ジチタイワークス

若手職員にホンネ聞いてみた!U29職員ホンネRoom

入庁して数年が経ち、若手の今だからこそ思うことは多いはず。そこで今回、29歳以下の若手職員へ匿名アンケートを実施。現場から聞こえてくる“ホンネ”を紹介します。同世代の職員同士で共感したり、上司世代の職員が若手の気持ちを知れたり、そんなコーナーです。

※下記はジチタイワークスVol.34(2024年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

アンケート概要

実施期間 令和6年6月26日~7月10日
形  式 WEBアンケート
対  象 29歳以下の現役自治体職員
回答者数 68人

先輩職員さん、教えてください

アンケートで集まったお悩みを、先輩職員に聞いてみました。同じような経験を経た先輩からの、解決のヒントをお届けします。

答えてくれた先輩 宮城県登米市(とめし)の職員さんに聞きました!

議会事務局
小野寺 崇(おのでら しゅう)さん

朝ドラの誘致やロケ支援に奮闘した活躍から、地方公務員アワード2022を受賞。

まちづくり推進部 まちづくり推進課
伊藤 詩織(いとう しおり)さん

登米市が好きになり、市外の民間企業から転職して公務員に。

 

悩み01 初めて年下の後輩ができました。たまに質問への回答がうまく伝わっていないように感じます。何か伝え方にコツがあれば知りたいです。(27歳)

小野寺 自分が分かっていることでも、ほかの人に分かるように伝えることは、なかなか難しいですよね。“伝えること”と“伝わること”は違います。私も後輩と話すときには、端折らずに丁寧に説明しないと伝わらないと思っています。その一方で、余計なことまで説明しすぎて伝わらないと感じたこともありました。

質問に答えたら、“疑問は解消しましたか”“大丈夫ですか”と相手が理解できているかどうかを都度確認するといいのではないでしょうか。また、教えたことが実践できたときは褒めることも大切だと思います。日頃からいいコミュニケーションを取って、対話力を上げておけば、伝わりやすくなるのではないでしょうか。

伊藤 仕事でつまずく人は、全体像や着地点となるゴールが見えていないことが多いように思います。全体像の中で、その仕事がどこに位置付けられているのか。どんな着地点を見据えてどうしたらいいのか。そして完成形はどうあるべきなのか。それら3つを意識しながら話すようにしてはどうでしょうか。

私も後輩を見ていると、着地点や完成形を描けていないことで、締め切りが近づいても焦ることすらないのだろうと感じることがあります。また、分からないところが分からないケースも当然ありますよね。後輩には経験のために、まわり道をさせるという考えもありますが、私は最短距離の正解を教えてあげることも必要だと思います。

 

悩み02 古いやり方を変えたくない人たちをどう巻き込んで業務改善を進めていくべきでしょうか。(28歳)

小野寺 他人はそう簡単には変わらないと認識することが大切です。そうしないと、“何で変わらないの”という辛い思いばかりが、大きくなってしまいますから。変えたくない人には、変わるメリットを分かりやすく示すことも重要だと思います。また、“何を言うか”ではなく“誰が言うか”も大きなポイントでしょう。上司に言われれば納得するケースもあるので、攻め方の作戦を立ててみませんか。

若手が主体になって改善を進めることはとても素敵なことだと思います。改善派が主流になれば変わらざるを得ないので、ぜひ自分の思いを伝えて、部局を越えて同じ思いをもつ仲間を集めましょう。きっといるはずです。

伊藤 一方で、色々な経験や議論を積み重ねた結果、変わらないという選択肢をとることもあると思います。それでも変えた方がいいと感じることがあるなら、まずは理解者を増やしてみませんか。自分には味方がいないと悶々とするかもしれませんが、基本的に味方は多いと思っていた方が働きやすいですよね。

もし近くにいなくても、範囲を広げて探してみれば意外とたくさんいるはずです。周囲にストレートに話しにくければ、雑談の中で“私はこうなるといいと思うんだよね”などと自分の考えを話してみてはどうでしょう。いきなり上司に切り込んだらすぐに断念せざるを得ない可能性もあるので、同じ課ではない斜め上の人を巻き込むなど、うまく立ちまわることも意識するといいと思いますよ。

 

悩み03 自分の力が発揮できず、転職を考えています。先輩職員の皆さんが公務員でありつづける理由は何ですか?(24歳)

伊藤 私は“公務員になりたい”と思ったことは一度もないんです。“好きなまちで働きたい”と思って中途採用で入庁しました。もし私が職員を辞めるとしたらまちが嫌いになったときだから、まちのためにいい仕事をしたいと思っています。転職しても、必ずしも十分に力を発揮できるかどうかは分かりません。今、体調を崩すほど辛いのでなければ、まずは置かれた場所で咲くように頑張ってみませんか。

小野寺 私の場合は、公務員としてまちをよくしていきたいという思いでしょうか。公務員だからこそできることがあると感じています。転職を考える際は、なぜ公務員になったのかというところに立ち返ってみませんか。私は、直接まちづくりに関わる職場ではないときもありますが、週末にまちをよくする活動をしています。そうやって自己実現をする人もいます。

実際にやってみないと分からないことってありますよね。どんな部署でも辛いことがあれば、楽しさを見出すこともあるでしょう。転職する若手職員には“もう少しだけやったら見える世界が変わるのに、もったいない”と感じています。年数を重ねると見える面白さがあると思います。

 

\若手職員へのメッセージ/



手を差し伸べてくれる味方は、まわりにいるはず。まずはできることから動いてみて。
 

 



庁外の人とつながれば、悩みが解消して心が軽くなるだけでなく、人生が豊かになりますよ。
 

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