健全な緑地環境をつくる防草シート
地域の景観を保つために、雑草の対策は欠かせない。その一つとして、太陽光を遮断して雑草の生長を抑える防草シートが利用されている。商品開発からアフターフォローまで手がける「白崎コーポレーション」に話を聞いた。
※下記はジチタイワークスINFO.(2024年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[PR]株式会社白崎コーポレーション
左から
白崎コーポレーション
取締役 副社長 中川 豪(なかがわ たけし)さん
第二営業部
取締役 部長 山本 泰久(やまもと やすひさ)さん
担当者の声
20年以上にわたり、商品の開発・改善に努めてきました。これまでの知見を活かし、雑草問題の解決をサポートします。
生活環境の中で雑草が引き起こす危険や、不快な状況を防ぐために。
道路や公園、河川敷、公共施設の駐車場など、様々な場所に生い茂る雑草の対策に、苦労している自治体は多いのではないだろうか。同社で防草・緑化事業に長年携わってきた山本さんは「雑草は放置すると、どんどん伸びてしまい、根も深く広がって除去するのが困難になります。住民からの相談で草刈りをするケースが多いようですが、一時的な対処ではまた同じ問題が起こってしまうでしょう」と話す。雑草が繁茂すると田畑や住宅地に侵入したり、空き地などでは外から内部が見えなくなるため、ごみの不法投棄やたばこのポイ捨てが増えたり、害虫が発生したりと多くの影響があるという。
雑草対策には、草刈り、除草剤、道路の舗装など様々な手段がある。よく行われているのは草刈りだが、定期的に作業をする必要があり、作業者の高齢化や炎天下での熱中症リスクという問題も生じている。除草剤については、環境などへの影響を心配する住民も多いそうだ。こうした中、地面にかぶせて雑草の生長を抑える防草シートが普及するようになったという。
同社は平成8年に防草・緑化のグリーンナップ事業をスタート。平成11年には、強い繁殖力をもつ雑草に対応できる防草シート「チガヤシート®」を開発した。副社長の中川さんは「自然に優しい手法で雑草をなくし、シバザクラなど特定の植物だけを育てるような緑化を目指しています。防草緑化研究会(現・NPO法人緑地雑草科学研究所)を立ち上げて、知見のある社外の方々とも協力。雑草問題を分析して科学的に解決することを大事にしています」と語る。
除草作業の課題
景観だけでなく交通の安全面などから、こまめな除草を要望する住民は多い。一方、高齢化が進み、作業者の確保が難しくなっているという。
徹底した現場調査を行い、適切な方法を提案する。
自治体から同社に寄せられる相談で特に多いのは、道路の脇に生える雑草だという。「歩道に広がると歩行を妨げ、視界が悪くなって、けがにつながるおそれもあります。道路沿いの住宅地に侵入することもあり、住民から除草を要望されることも多いようですね」。雑草には、太陽光を遮っても繁殖するものや、アスファルトを貫通する強度があるものなど多様な種類があり、それぞれに適した対策が必要になるという。「当社には専用の試験場があり、雑草の生態研究にもとづいてシートを開発してきました。また、最適な商品を提案するため、設置前には必ず現地に足を運んで、防ぎたい雑草や地形などの調査を行います」と山本さん。さらに、防草シートの機能を高めるためには、施工方法も重要だ。「風が強い場所ではシートを固定するピンの形状や間隔を変えるなど、隙間ができない工夫をしています。調査・診断、施工指導を含むアフターフォローまで、一貫した体制が当社の大きな強みです」。
雑草の繁茂を抑制するだけでなく、緑化事業のために防草シートを取り入れる自治体も多いという。公園の植え込みなど、植栽したい場所にシートを設置し、穴を開けて苗を植えれば、花や木だけを育てることができる。雑草を防ぎつつ、育てたい植物の性質も考慮した商品を提案しているそうだ。「そうはいっても、緑化目的で植物を育てるには、土壌を改良してから植栽した方がいい場合もあり、防草シートだけでは解決できないことも。そのようなときは、ほかの業者を紹介するなど、長い目で見て地域の役に立つアドバイスを心がけています」。
長期視点の防草と緑化により地域社会に貢献していきたい。
現在、防草シートは雑草対策の手段として、身近な場所でも多く見られるようになった。「実は防草シートには統一された品質基準がなく、各社がそれぞれの基準で耐用年数などを表示している状況です。こうした中、“当社の商品は長期にわたって本当に期待された機能を果たしているのか”を、検証する必要があると思いました」と中川さん。
同社は、全国各地で施工後10年以上経過した場所を選び、令和5年に29カ所・約150地点で現場調査を敢行。場所によって評価の判定にバラつきが出ないよう、全ての調査に中川さんが立ち会って事例をまとめた。その結果、シート表層の劣化や変色はあるものの、10年を経過しても防草の役割を果たしている成果が得られたという。
「防草と緑化の技術を通してまちの美しい景観を守り、地域が抱えている課題解決の手伝いをすることが、当社のミッションです。雑草の放置は、花粉の飛散によるアレルギーなどの健康被害や、草刈りの人手不足など様々な問題にも波及します。そのために役立つツールとして商品を提供し、自治体のパートナー企業でありたいと考えています」。
雑草にまつわる問題は全国各地にあり、住民の快適な暮らしに影響を及ぼしかねない。人と植物が共生する健全な環境をつくるためには、それぞれの場所に合った方法を選び、先手を打って対処していくことが大事なのではないだろうか。
■高浜町
建設整備課
中田 裕也(なかだ ゆうや)さん
以前は草刈り機で除草を行っていました。町民にベンチを気持ちよく使ってもらうため、丁寧な作業を心がけていたのですが、その結果、道路などと比べて、とても手間がかかっていました。
そこで、同社の担当者と現場調査を行い、人が集まるベンチ周辺には、歩行による摩擦に強い「チェーンステッチシート」を、のり面部分には植栽帯に適した「彩植兼美(さいしょくけんび)」を提案してもらいました。実際に現場を一緒に見たことで、より効果的な対策ができたと思います。設置後は作業の頻度が減り、人件費も削減。景観に配慮された色で見た目もよくなり、地域の憩いの場となっています。
導入時期:令和5年度~
設置場所:休憩場所としてベンチを設置している町有地
■岡谷市
建設水道部 土木課
主査
橋爪 誠二郎(はしづめ せいじろう)さん
これまでは、職員や手伝いをしてくれる直営の作業班3~5人で除草を行っていました。人手不足のため手配に時間をとられていましたし、1人当たりの負担が大きく、予定通りに作業が進まないことも。
そのような中、約20年耐久の「GUシート」の提案を受けました。機能が長く続くため、長期で考えると除草回数の削減が期待できます。また、当時使っていたシートは、重ね目などに生える雑草に困っていましたが、副資材の活用で解決できると教えてもらいました。色々なアドバイスを受けられるのも導入の決め手でしたね。設置後は1人で作業できるようになり、効率的に人員を配置できるようになりました。
導入時期:令和元年度~
設置場所:諏訪湖付近の湖畔(1カ所)
カネコ種苗
緑飼部 販売グループ
課長
瀧本 光栄(たきもと みつひで)さん
当社は防草シートの施工に携わっています。同社のシートは、現場の声をもとに研究が行われているので、素材・厚み・透水性など種類が多いことが特徴ではないでしょうか。そのため、雑草の種類や地形に合わせた設置が可能です。固定ピンを打ち込む箇所がマーカーで記されているなど、慣れない人でも設置しやすい工夫も。現場ごとに技術的なサポートや、それぞれの特性について情報提供を受けるなど連携をしているので、自信をもって施工に臨めます。
防草シートの特性を活かした施工例
それぞれの場所が抱える課題に合わせて活用
同社の防草シートは、出芽に対する強度の高いものや、耐久性の高いものなど様々な種類があり、生えている雑草の性質によって対応ができる。設置場所の課題に対して、シートの特性を活かした施工例を紹介する。
①施工場所:農道/特性:高貫通抵抗性
イネ科の強壮雑草を抑える。農作物の生育を阻害する害虫や害獣の抑止などにもつながる。
②施工場所:河川・堤防/特性:高耐久・耐水性
河川の景観維持と、土砂堆積の軽減ができる。治水安全度の向上を目指す。
③施工場所:中央分離帯/特性:目地防草
舗装の間など、目地から発生する雑草を抑えることで、ドライバーの視界不良や事故を防ぐ。
④施工場所:施設周り/特性:景観性
景観がよくなることで、ごみのポイ捨てや不法投棄を抑えて、環境衛生の維持につながる。
⑤施工場所:公園/特性:透水性・通気性
住民が集まる場所では、緑化を目的とした防草対策に活用されている。
⑥施工場所:歩道/特性:高強度・柔軟性
歩道境界の雑草を抑えることで、通行人の視認性が上がり、事故防止にもつながる。
本格導入を検討中の自治体に無料トライアル実施!
防草シートの本格導入を検討している自治体向けに、最大50㎡までのトライアルを実施している。現場診断による提案から施工時の立ち会い、経過観察までサポートが受けられ、実際の導入をイメージしながら検討が可能。詳細についてはお問い合わせを。
※場所や条件などによっては、実施ができない場合もあり。
お問い合わせ
サービス提供元企業:株式会社白崎コーポレーション
TEL:0778-62-2800
E-mail:info-green@shirasaki.co.jp
福井県鯖江市石生谷町11-23
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