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ケアマネ絶賛!LINE公式アカウント“キーワード応答メッセージ”のススメ

読者投稿ページは、自治体職員が日々の業務や活動している内容を発表・共有できる場です。読者自ら執筆した原稿の中から、編集室が選出した記事を、ジチタイワークスWEBで公開させていただきます。

ぜひ、皆さんの自治体職員としての経験や取り組みを、編集室にお届けください。

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● 投稿者(自治体職員)プロフィール

テーマジャンル : 介護・高齢福祉
投稿者名 : 篠原 裕佑さん(40代)
所属部門 : 宇部市 介護保険課

 

介護認定申請の審査には、とても時間がかかる

介護認定には、「要支援1〜2」「要介護1〜5」という区分があり、利用できるサービスの種類や内容が変わります。これらの区分の審査判定には、認定調査、主治医の意見書徴取、一次判定処理、審査会での審議といった過程があります。私は介護認定の担当者として、申請受付から始まる上記の審査事務について、運営業務の一部を担っています。

さてみなさん、この手続きにおよそ何日かかるか、ご存じでしょうか。法令は、30日以内での処理を求めています。しかし実際にはなかなか難しく、当自治体の直近月では、平均40日となっています。工夫と改善を重ねてこの数値ですが、理想は遠いのが現状です。

この期間が長くなると、申請者、とりわけ高齢者の支援にあたる「ケアマネジャー(以下、ケアマネ)」にとって、困った状況が生じます。「サービス利用を開始できない」「調整ごとがあるのに、身動きが取れない」といった事態です。

 

ケアマネが困ると、電話が増える

こうなると、ケアマネから市役所に、「審査の状況はどうなっていますか?」と、確認の電話がかかります。主治医から意見書は届いたのか、審査会はいつ行われるのか、などなど。確認ポイントはある程度絞られますが、全体の審査期間が長期化してくると、電話の件数も相当な数となります。事務局では電話対応に時間がとられ、審査事務がさらに滞る……という悪循環が生じます。

当自治体でも、過去には審査期間が60日に及び、毎日50件以上の電話問い合わせがあるという、非常につらい時期があったようです。私が着任した時点では、別の施策によって問い合わせが抑制されていましたが、それでも10〜20件はかかってきました。

そこでこの課題に対し、“ケアマネが事務局とやりとりすることなく、自分の手元で簡単に審査の進捗を把握できるようにするには、どうすればいいか?”との問いを立て、対策を検討しました。
 

 

その電話対応、LINE“キーワード応答メッセージ機能”で解決!

手がかりは3つありました。まずは、介護認定申請を電子化していたこと。次に、業務システムから進捗データの抽出ができたこと。そして最後は、自治体LINE公式アカウントを運用していたことです。
これらにより、“ケアマネが市のLINEに電子申請のキーワードを送信すると、進捗情報が返信される”という仕組みが構築できました。すぐに効果はあらわれ、数カ月後には、進捗確認の電話はほぼなくなりました。電話の少ない事務環境は、非常に快適です。

一方ケアマネ側においては、まず、進捗確認がスマホでできるため、劇的に簡単になりました。
そしてこれにより、
①主治医への働きかけの要否
②一次判定を踏まえた各種調整
③審査予定日を踏まえた各種調整

など、迅速な業務判断が可能となりました。
ケアマネから見て、自治体は何かと負担をお願いする立場にあることが多いかと思います。そんな中、本取り組みについては、公式な会議の場で称賛をいただくまでの存在となっています。

直近月では約2,500件(200ユーザー)の問い合わせに応答しており、まさに、事務局・ケアマネ双方の日常を変えたと感じています。本取り組みは、LINE公式アカウントと、何らかの管理ツールさえあれば、導入検討が可能と思われます。情報共有や電話対応に課題のある事務局の方は、ぜひご検討をオススメします!
 

LINEでの対応イメージ

◀LINEでの対応イメージ

照会のキーワードは、電子申請の申し込み時に付与される、“申請”そのものを識別する値。
“人”ではなく“申請”に関する情報のやりとりと位置付けることで、個人情報を含まない情報共有を実現している。

 

 

 

 

 

 

 

 

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