ジチタイワークス

大阪府茨木市

リモート接客サービスの活用で、公共施設の受付対応に新たな可能性を見出す。

公共施設のリモート接客サービス

公共施設の機能集約が進むことに伴い、利用者のニーズが多様化している。茨木市は新施設にて、人手不足対策やデジタル活用へのチャレンジとして、リモート接客の実証実験を行った。雇用やサービスの新たな可能性が見えてきたという。

※下記はジチタイワークスINFO.(2024年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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多様な市民が利用する人気の施設で雇用の可能性を見出す実証実験。

人口減少などに伴い、公共施設のあり方が変化している昨今、接客スタッフの配置が悩みの一つではないだろうか。利用者の多い施設では人手不足が深刻で、反対に少ない施設では人件費がかかるという課題がある。同市では令和5年11月、ホールや図書館、子育て支援センターなどを備えた「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」をオープン。平日でも約4,000人が利用し、休日やイベント開催の日には8,000~1万人ほどが訪れるという。

「閉館した市民会館の跡地の活用を、市民と一緒に考えてつくり上げた施設です。無作為抽出した市民と市長が対話する“100人会議”を皮切りに、約8年間で計108回のワークショップや社会実験を実施。会議室やホールだけでなく、出入口や共用空間ですらも、市民の皆さんが“使う”ための様々なアイデアが組み込まれています」と、向田さん。その結果、開館から半年で来場者数は100万人に迫るほどで、予想以上にスタッフが必要になっているという。

おにクルは、文化施設などの運営実績をもつ「サントリーパブリシティサービス」が代表指定管理を担う。接客の人手不足など、社会問題への解決策を模索する中で、リモート接客の実証実験を同社が提案。令和6年1月~3月にかけて、利便性や利用者の満足度を探った。

民間企業のノウハウを取り入れ、市民に親しまれるサービスへ。

リモート接客の端末は、スタッフが常駐し、利用者が最も多い1階総合案内と、常に接客スタッフがいなくてもよいが、時々対応が必要になる3階と7階の多目的室・会議室などのある3フロアに1台ずつ設置。このサービスでは、利用者・スタッフの双方が画面越しに会話することができる。アバターと実際の映像はスタッフが自由に切り替えられるため、接客する側の心理的な負担を軽減するという。

スタッフは自宅やオフィス、建物内の別フロアなど、通信環境があればどこからでも接続でき、一人で複数の端末をまとめて対応することも可能。テキスト表示や翻訳機能もあるため、聴覚障害者や外国籍の利用者ともやりとりがしやすくなるそうだ。

実証実験の序盤では、接客用の端末であると市民に伝わりにくく、活用が進まなかったそう。「同社の提案で利用者層に合わせて待機画面のデザインを変更してからは、使う人が増えました。また、端末を使った市民向けのイベント“謎解きクイズラリー”では、子どもから高齢者までが楽しんでくれました」。イベントは3回実施され、計約800人が参加。使い方の理解にもつながり、参加者からは“駅や学校にも置いてほしい”など、利便性を実感する声があったという。

人手不足や多様な働き方に対応し施設の効率的な運営を目指す。

2カ月間の実証実験で1,015件にリモート接客で対応。利用者から不満の声はなく、対話しながら地図などの情報を画面で見られる点、フロアを移動しなくても質問できる点、対面と同等のスムーズなやりとりができる点などが好評だったという。

接客は同社の社員が担当したが、「アバターや映像があることで、対面の接客と変わらないコミュニケーションを維持できたようです」と向田さんも手応えを感じている。おにクルのように利用者が多い施設では雇用の可能性が広がるが、山間部にある施設などで活用する際に期待されるのは、人員配置の効率化だ。「利用者の少ない施設をまとめて一括対応できれば、人件費を抑えながらもサービスの維持が図れるかもしれません」。

今後の導入に向けては、実証実験の結果を踏まえて検討するという。「リモート接客には、効率だけでなく、多様な働き方の面でも可能性を感じます。市民の皆さんと一緒につくり上げた施設で、民間とも連携しながら、さらにいいサービスを提供していきたいです」。

茨木市
市民文化部 共創推進課
課長 向田 明弘(むこた あきひろ)さん


担当者の声

サントリーパブリシティサービス
デジタル推進グループ
菊池 将史(きくち まさふみ)さん

各指定管理施設の特性に合わせてソリューションを提案しています。システム選定からUIデザインの提案、住民へのサービス周知など、導入から定着まで、各自治体の皆さまに伴走サポートします。

指定管理の実績

音楽ホールなど、文化施設の運営ノウハウをもつ同社は、公共施設の管理全般を請け負う“指定管理”サービスで全国に実績がある。

島根県立美術館、大和市文化創造拠点シリウス(神奈川県)など

お問い合わせ

サービス提供元企業:サントリーパブリシティサービス株式会社

事業推進本部(担当:菊池)

TEL:070-1079-2237
E-mail:masafumi.kikuchi@sps.sgn.ne.jp
東京都江東区豊洲3-2-24
豊洲フォレシア16F

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