ジチタイワークス

2027年の蛍光管製造禁止に備え、迅速な照明のLED化を。

リースで施設の照明を一括LED化

施設のLED化を終えていない自治体もある中で、令和5年11月、「水銀に関する水俣条約(以下、水俣条約)」締約国会議において、2027年末の蛍光管製造禁止が合意された。今後の対処方法について、「あかりみらい」の越智さんに聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.30(2024年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社あかりみらい

3年後の蛍光管製造禁止を前に在庫と人手を確保する必要が。

-どのような影響が考えられますか。

水俣条約では、すでに水銀灯の生産と移動、販売が禁止されています。今回は2025年にコンパクト蛍光灯が、2027年に直管蛍光管が製造禁止となることが決まりました。

今まで政府のカーボンニュートラル行動計画では、2030年までに政府施設を100%LED化するはずが、3年前倒しになりました。全国の自治体もほぼこの目標に倣っているため、あと数年でLED化を完了させなければならないことになります。多くの公共施設をもつ都道府県や中核市などでは、予算・スケジュール・資材・工事業者の確保など、複数の困難な課題を急に突き付けられた状況です。

-完了できないとどうなりますか。

従来の蛍光管が流通しなくなるので、管が切れた場合、在庫がなければ照明交換ができません。蛍光管の在庫を持っていたとしても、令和元年にすでに製造が終了した安定器の寿命が来れば、不点灯になります。これから危惧されているのは、政府・民間に加えて多くの自治体が一斉にLED化に走り出したときに、メーカーの生産が間に合わなくなることです。水俣条約に加盟する147カ国で同様の状況になれば、世界的な発光ダイオード不足や資材不足が起きるかもしれません。そのため、公共インフラ施設や病院、学校、トンネルなど不点灯が許されない施設をもつ自治体は、少しでも早くLED化に取り組むべき状況です。

加えて、働き方改革の法整備に伴い、今年の4月から建設・運送業界でも労働時間の規制強化が始まります。そのため、平日の工事が難しい公共施設や学校は、週末にまとめて作業を頼めるとは限らず、工期を長めに想定しなければなりません。だから、できるだけ早く、計画的に着手することが求められています。

-コンパクト蛍光灯とはどのような照明のことを指すのですか。

インバーター安定器を内蔵したダウンライトやスクエア照明などに使われる、省エネ型蛍光管です。省エネ率が高く、多くの施設で採用されています。2025年の製造禁止が決まってしまっているため、これを多用している施設を優先的にLED化する必要があります。

※令和5年11月時点

リースを活用したLED化で初期費用と職員の業務を軽減。

-全照明を短期間でLED化する方法は。

多数の施設を管理している自治体にとって、短期間で全施設のLED化を完了することは困難です。今までの建築営繕、公共工事としての方法では非常に長い期間がかかってしまい、この蛍光管の製造禁止期限に間に合わなくなるでしょう。

当社は“リースを使った民活プロジェクト”と位置付けて実施することを提案しています。単年度の予算で高額の工事費を計上することは難しくても、民間相場で算定して公共単価の3分の1から半分程度になる総予算を、10年間の長期分割で毎年計上するのであれば、プロジェクトは進行しやすくなるはずです。

-財政メリットにもつながりますね。

一般的に70%から80%もの省エネ効果が期待できるLED照明であれば、現在支払っている電気代が削減でき、その分を毎月のリース代に充てられると考えます。そのため、新規に予算調達をする心配がなく、実行に移りやすくなります。10年後には無償譲渡となり、それまではメーカー補償で修繕費がかからないのも自治体のためのビジネスモデルです。

照明配置図から迅速に見積もり・メリットを試算。

-見積もりはどうすればいいですか。

当社では、照明配置図の写真を特許プログラムに流し込むことで、短時間で試算見積もりを行うことができます。自治体の施設管理担当者から照明配置図を撮影したデータを転送してもらえれば、早くて翌日には見積もりと電力量・電気代・CO2の削減見込み、長期リース設計による財政メリットを提示できます。

マンパワーが足りないことで、膨大な照明をLED化するための設計見積もりが進みにくいという課題をよく聞きます。公共工事の建築営繕の積算手法で1棟ずつ調査し、見積もりしていくのでは、あと数年で間に合わせるのは困難です。

-CO2削減量も把握できるのですか。

LED化によるCO2削減量は、当社試算によると町村規模で年間数百~数千t、市の規模では数千~数万tの見込みです。新規予算を取らずに節電と脱炭素につながり、事前の見積もり・試算の段階で効果予測も可能です。決定打がなく悩んでいる担当者にとっても、取り組みの第一歩にしやすいのではないでしょうか。

ランプだけを変える“管交換”でコストを抑えスピーディに進む。

-工事の課題はありますか。

天井切削が必要となる工事では令和4年度から、アスベスト有無の調査が義務付けられています。アスベストは人が吸い込むと健康障害を引き起こすおそれがあるとされる素材。平成18年以前にできた建物に使われている可能性があります。調査を行うには、時間や費用がかかり、アスベスト調査の資格保持者が不足していることも課題です。

-スムーズに進めるには。

当社の工事は既存の蛍光管をLEDの管タイプに替える世界基準の“管交換方式”を主として採用しているため、天井を切削する必要はなく、アスベスト調査が不要です。工期が延びたり、費用が増えたりすることもなく、多くの施設の照明をまとめてLED化する際は特に合理的です。

また、工事は当社が対象地域の事業者と契約し委託します。自治体の担当職員は工事に立ち合い、完工検査を行うだけ。数十、数百の施設がある場合、照明数は何万・何十万灯にも及びます。地域の事業者が総出で取り組むことになり、地域経済の活性化にもつながるでしょう。

-少しでも早く準備を始める必要があるのですね。

まず、管理している施設数と、そのうちLED化されていないものがどれだけあるのかを確認してください。その調査方法と、見積もりから入札、契約、工事に至る手法やスケジュールについてアドバイスしますので、気軽にお問い合わせください。導入事例をもとにした、地域課題に合ったコンサルティングなど、変化を繰り返す社会情勢に対応できる、よりよいまちづくりを一緒に考えていきます。

器具交換(左)は器具ごと交換するのに対し、管交換(右)は灯具を流用できる。埋め込み型は、アスベスト調査が必要になる場合がある。

あかりみらい
代表取締役
エネルギーコンサルタント
越智 文雄(おち ふみお)さん

一括LED化の流れ

同社が工事業者やリース会社との契約まで行うため、自治体は各所とのやりとりが不要に。見積もりなどがスピーディに進むことで、打ち合わせから工事に着手するまで1~3カ月。工事が終わった建物から10年のリース契約が始まり、10年後に器具が無償譲渡される。

施設が多いほど電気代の違いに差が。少しでも早く始めることでメリットも増える。

全国に広がる自治体施設一括LED化の動き

同社に問い合わせた全国の都道府県・市町村で、導入に向けた動きが進んでいる。全国に出向き、リース活用による自治体施設一括LED化の方法についてレクチャーしている。

令和5年11月、岡山県で開かれた「農村道路研究集会」の勉強会アドバイザー、令和5年12月、沖縄県の施設LED化調査を受託。都道府県単位のLED化の相談も受け付けています。

オンラインセミナー

主な内容

●水俣条約に対応するために
●電気料金高騰対策
●脱炭素施策
●LED化が進まない理由
●リースの活用
●見積もり試算方法
●全国自治体試算例
●入札要綱例  など

そのほか、様々な質問にエネルギーコンサルタントが答えます。

 

1時間半程度 参加無料 予約制

スケジュール確認や受講の申し込みはこちらから

お問い合わせ

サービス提供元企業:株式会社あかりみらい

TEL:0120-760-814
Email:akari@akarimirai.com
東京都千代田区丸の内1-8-3
丸の内トラストタワー本館20F

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