ジチタイワークス

【九州公務員ネットワーク】自治体を越えてつながり、ワクワクするまちをつくる「WAKUSU LABO.」。

九州地方の公務員でつながり、ワクワクする地域づくりがしたいーー。こんな思いをもつ4人の職員が、九州公務員ネットワーク「WAKUSU LABO.(以下、ワクスラボ)」を立ち上げた。

普段の業務で、自治体を越えてつながるきっかけはなかなかないものの、そうした機会を求めている職員は多いのではないだろうか。立ち上げのメンバーは所属自治体も担当部署も異なるが、つながることで活動の幅が広がったり、日頃の業務に役立ったりすることを実感しているという。

これから活動を始めるワクスラボが目指すものや、職員同士でつながる意義などについて4人に語ってもらった。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです


【WAKUSU LABO.メンバープロフィール】
 

村橋 友村橋 友介(むらはし ゆうすけ)さん(むらはし ゆうすけ)さん
長崎県佐世保市出身。
2019年、熊本県に入庁。
阿蘇地域振興局総務振興課で移住促進などを担当。休日には地域住民と関わりながら、イベントなどを無償で手伝う“レンタル公務員”として活動している。
ジチタイワークスvol.24(2023年2月発行)G-people

戸上 雄太郎(とがみ ゆうたろう)さん戸上 雄太郎(とがみ ゆうたろう)さん
熊本県熊本市出身。
2021年、益城町に入庁。
県庁職員時代に、震災の復興計画のため、同町に派遣される。高校生など若者を主体にしたまちづくりに取り組み、派遣終了後も“もっと貢献したい”思いから転職。

後藤 好信(ごとう よしのぶ)さん後藤 好信(ごとう よしのぶ)さん
大分県佐伯市出身。
2005年、建築職として佐伯市に入庁。
2015年に公務員まちづくりユニット「DOCRE(以下、ドークリ)」を後輩の河野さんと結成。購入した同市内の空き家を自宅兼複合施設にリノベーションし、地域活性化に取り組む。

河野 功寛(かわの かつひろ)さん河野 功寛(かわの かつひろ)さん
大分県臼杵市出身。
2010年、建築職として佐伯市に入庁。
「ドークリ」共同代表。購入した元旅館を拠点に、リノベーションまちづくりに取り組む。「KIISA」の理事として地元の高校生と地域をつなぐ活動にも従事。

 

九州の公務員の“輪”をつくり、業務や活動にプラスを。

– 「ワクスラボ」とはどんなネットワークなのでしょうか。

村橋: 九州の公務員が“集まれる・つながれるためのネットワーク”です。 私自身、業務外で“レンタル公務員”として一人で活動しています。他自治体の3人とつながる機会ができて、活動の幅が広がったと感じることが多いです。つながるきっかけが大切だと思い、このようなネットワークをつくりたいと考えていました。

ロゴつながるきっかけとしては、年に何度かオフラインで開催するイベントを予定しています。地域住民とともにまちづくりなどに取り組んでいる公務員をゲストスピーカーとして招き、参加者同士で意見交換や交流の時間を設けたいと考えています。ほかには、noteなどのオンラインツールも活用していきたいと思っています。 重視したいのは“実践”。集まって終わりにせずに、何か具体的な行動に結び付けるきっかけにしたいです。

河野: 「ワクスラボ」の由来は、“輪(わ)・九州(くす)”、“ワークス(働く)”、“ワクワクする(モチベーションが湧く)”で「ワクス」。「ラボ」は「laboratory(ラボラトリー)=研究室」で、化学反応や相乗効果が起きることや、失敗も前向きに捉えるというマインドをあらわしています。

 

– 九州に限定しているのはなぜですか。

河野: 熊本の2人と大分の2人がつながったところから、まずは九州内で広げていければいいなと思っています。互いにもう少し手を伸ばせば……という“つながりしろ”を感じるからです。2人とのつながりをきっかけに、県を越えた交流や九州内のネットワーク形成へと思いが強まりました。

後藤: 4人がつながれたことから始まりました。それに、九州の人は“九州愛”が強いように思います。民間サイドでは九州内のつながりを深める動きやイベントが起きているので、私たちも公務員サイドから九州を盛り上げていける何かをできればいいなと思っていました。

– 4人が出会ったきっかけを教えてください。

村橋: 私は令和5年2月に「ジチタイワークスvol.24」の「G-people」のページに掲載されたことをきっかけに、後藤さんからメッセージをもらったことが、佐伯市との最初のつながりですね。その後、7月に後藤さんなど地域で活躍する公務員を招いてトークイベントを企画したのですが、そこでドークリの2人と戸上さんをつなぐことができました。

後藤: 気になる職員にはメッセージを送っています。村橋くんも、“同じにおいがするな!”と思ったから(笑)。

村橋: 後藤さんのことは、以前から新聞記事などで知っていたので、“あの後藤さんからメッセージが来た!”とうれしくなりました。戸上さんからもメッセージをもらい、“あの戸上さんだ!”と。相手のことを知っていても、直接つながる機会はめったになく、うれしいことです。そんなきっかけをワクスラボでも実現できるといいですよね。

レンタル公務員として地域の人たちの依頼を受け、作業やイベントなどを手伝っている村橋さん。

▲レンタル公務員として地域の人たちの依頼を受け、作業やイベントなどを手伝っている村橋さん。

人脈が広がれば、地域愛をもつ範囲も広がる。

– 実際につながれたことで、よかったと感じることは。

戸上: 同じ公務員で、何らかの活動をしている人から話を聞くと、“自分もできるかもしれない”と勇気をもらえます。気になったら直接アドバイスをもらえることも、ありがたいですね。

村橋: これまでは面白いことをしている公務員がいること自体、そんなに知りませんでした。それに私は一人で活動しているので、“できることに限りがある”と感じることも。ほかの人の活動を知ることで、まだ自分にできることがあるんじゃないかと前向きになれました。

後藤: つながることで刺激をもらえますね。より多くの公務員がそう感じられる場所をこの4人でつくれそうな気がします。

河野: 熊本の公務員とのつながりは、戸上さんと村橋さんが初めてでした。そこから熊本を身近に感じて、SNSなどで益城町や阿蘇の情報を見たときにも、意識するようになったんです。 私たちはユニットですが、中には一人で活動している人も多いと思います。ちょっと変わったことをしているからこその悩みや、“あるある”話を共有することで気持ちが前に向き、活動がいい方向に進むきっかけになるといいですよね。

ドークリの2人は、購入した空き家のリノベーションをワークショップで行い、地域活性化に取り組んでいる。

▲ドークリの2人は、購入した空き家のリノベーションをワークショップで行い、地域活性化に取り組んでいる。

 

– 実際に業務や活動に活かせたと思うことはありますか?

河野: 他自治体の新しい取り組みは新聞やSNS、ジチタイワークスなどの情報誌で知るのですが、“それってどうやって実現できたんだろう?うちの市でもやりたいけど裏事情は?”と、気になります。個別に聞ける関係になれば、方法だけでなく、表からは見えないリスクなども教えてもらえるようになるかなと。

村橋: これまでレンタル公務員の活動で、地域にいる“すごい人”と知り合うことがありました。戸上さんとは熊本で定期的にトークイベントを開いているのですが、そういうすごい人たちを多くの人に知ってもらう機会になっています。これは、個人活動での“お手伝い”から一歩進めた部分だと思います。自分一人ではそこまでできなかったし、イベントを続けることは難しいと思います。戸上さんと一緒に、“熊本のドークリ”になることが目標ですね。

戸上: じゃあもっと頑張って続けていかないとね(笑)。 地理的特性が似ている九州内の自治体であれば、抱えている課題にも共通点が多いと思います。ほかの地域の事例をそのまま真似することは難しくても、事例の背景にあるエッセンスを学び取り、自分の取り組みに活かすことはしています。

一歩踏み出すことで、ワクワクできる仲間と出会える。

– このネットワークでつながって、九州の公務員の皆さんにどんなことを感じてほしいですか?

河野: すでに活動をしている人、一歩踏み出したいけどまだ踏み出せていない人、頑張りたいけど方法が分からない人、みんなに公務員の可能性、自分の可能性に気づいてほしいです。また、“うちの地域は……”とネガティブになるのではなく、ネットワークを通して色々な活動に触れ、“自分の地域もこれならできるかも、ここだけはできるかも”と、前を向ける機会になればうれしいです。

後藤: もやもやしている人や、何かつながりがあればうまくいくのに……と思っている人のきっかけになりたいですね。

村橋: ほかの人にはない自分の得意分野がみんなあるはず。まだそれを地域に活かす環境、きっかけがないのかもしれません。自分の強みに気づいて地域のために活かす人が増えてくれれば理想的ですよね。

戸上: 公務員の中には、すごいスキルをもっている人や、素晴らしい活動をしている人がいます。そういう人たちが混ざり合って、“ラボ”らしい化学反応や相乗効果が生まれてほしいです。

戸上さんが益城町で主催しているマルシェイベント「テラス」の様子。

▲戸上さんが益城町で主催しているマルシェイベント「テラス」の様子。

 

– 担当業務や活動が様々だからこそ、相乗効果が楽しみですね。

戸上: 公務員には、例えばケースワーカーや公共インフラの維持管理、収税業務など、社会にとって必要不可欠な仕事をしている人がたくさんいます。そういった人たちはスポットライトを浴びにくく、ワクワクする活動とは少し離れたところにいるかもしれません。でも、そういう裏方として頑張っている人たちがいるからこそ、表で活躍できる人がいる。幅広い分野の人に参加してもらい、みんなが一体になれるネットワークにできるといいですね。

河野: 自治体では誰もが希望の部署に異動できるわけではありませんが、業務外の活動で、異動に左右されない“地域との関わりしろ”は、部署がどこであってもマインド次第でつくれます。まちを楽しめる公務員がいるまちの方が、きっと面白くなる。公務員がまちを変えられる可能性は大いにあると思います。

 

– 最後に、九州の公務員の皆さんに、メッセージをお願いします。

戸上: これまでを振り返ると、枠を超えるようなことはしにくい自治体の文化の中で、何度も打ちのめされて、少ない成功に対して失敗が多かったなと。同じような境遇にいる同士で励まし合い、頑張れる機会にしたいです。そういう人たちとつながれることを楽しみにしています。

村橋: 私はお手伝いのボランティアという、身近な活動から取り組んでいます。自分のやれること、手の届くところから頑張りましょう!

ワクスラボメンバー後藤: 一緒に一歩踏み出して、つながりをつくるきっかけにしましょう。自分たちがワクワクすることも大切ですね。

河野: もともと私は、“自分の業務はこの範囲、自分の関われる地域はここまで”と決めてしまう方でした。でも一歩踏み出すと世界はとても広く、関われる範囲や居場所、存在意義は無数に広がると気づきました。一人でも多くの人が自分の範囲を広げて、ワクワクできるきっかけになれたらと思います。

 

活動の詳細や問い合わせはInstagramから

@wakusu_labo

 

【実施済みのイベント】

-ワクワクを科学する九州の公務員ラボ- WAKUSU LABO.

開催日:令和6年2月10日(土)
開催時間:14時~16時30分
開催場所:早川倉庫 (熊本県熊本市中央区万町2丁目4


■プログラム
 オープニング(14:00-14:10)
 事例紹介(14:10-15:10)
 01 佐伯まちづくりユニット DOCRE(ドークリ)
 大分県佐伯市役所建築住宅課 後藤好信氏
 大分県佐伯市役所都市計画課 河野功寛氏
 02 一般社団法人REPORT SASEBO 理事
 長崎県佐世保市役所 文化振興課 中尾大樹氏
 クロストーク(15:20-16:20)参加者との交流
 クロージング(16:20-16:30)

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