ジチタイワークス

鹿児島県姶良市

リスク情報をまとめて入手し、避難指示の発令タイミングを見極める。

気象アラート・リスク予測システム

全国各地で梅雨期の災害クラスの大雨が増え、各自治体が対応に追われている。姶良市では、令和5年6月末から7月上旬にかけて続いた豪雨時に避難指示などを発令。その際、新しく導入したシステム「SORAレジリエンス」が役立ったという。

※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]損害保険ジャパン株式会社

最大72時間の予測情報を活用して、高齢者等避難のタイミングを計る。

鹿児島県の災害といえば、従来は主に台風や桜島の噴火などが懸念されてきた。しかし近年ではそれらに加え、出水期の豪雨による浸水や土砂災害などの被害も増えている。同市も例外ではなく、担当者は豪雨のたび、避難指示などを発令するタイミングの見極めに頭を悩ませているという。

「今年の梅雨期では6月30日の18時に高齢者等避難を発令し、翌1日に解除。7月3日に急きょ土砂災害警戒情報が発表され、避難指示を発令しました」。と危機管理課の田畑さんは振り返る。このとき同市では災害警戒本部を立ち上げ、気象庁のキキクルや鹿児島地方気象台などから、気象情報を収集した。「それらに加えて、今回初めてSORAレジリエンスを使いました。30日の高齢者等避難の発令時期を計るのに、雨雲レーダーと、災害危険度を72時間先まで予測する“タイムチャート”が役立ったのです。

夜にかけて危険度が増してくることが予測されたので、18時には中山間地域や人口密度が高い地域などを中心に、市内12カ所で避難所を開設。既存の情報収集ツールに加え、同システムがプラスされたことで、意思決定に説得力が増し、ためらうことなく発令ができました」。

令和5年6~7月豪雨

6月末から7月上旬にかけて、九州南部を断続的な豪雨が襲った。同市では路肩決壊や土砂崩れが発生し、通行止めや停電などの被害にあった。

素早く、一元的に、適切な情報が入手できるコンテンツが魅力。

このシステムは、「損害保険ジャパン」が提供している自治体向け災害対策保険に、令和5年4月から新しく付随したサービス。同社と「SOMPOリスクマネジメント」、「ウェザーニューズ」の3社が、協働で開発した気象アラートシステムだ。ウェザーニューズ、気象庁、国土交通省、各自治体、電力会社など、複数機関から提供される情報を、一つのサイトで把握できるという。

コンテンツは大きく分けて2種類あり、「リスクMAP画面」では、台風進路や雨雲レーダー、土砂災害の危険度、河川カメラなど、12項目の情報が網羅される。「リスク一覧・詳細画面」では、発令中の警報・注意報・避難情報をはじめ、この先の強雨・強風・強雪リスクをタイムチャートで予測可能。あらかじめ拠点を登録すれば、いつ、どの拠点に影響が及ぶのかをタイムリーに把握でき、拠点のリスクが高まれば、メールで情報を送信するアラート機能も備えているという。

同課の堂森さんは、「情報収集のツールは一つでも多い方がいいと、システム提供開始の連絡を見てすぐに登録手続きをしました。操作もスムーズで、一画面で様々な情報が得られるのが便利です。今回の豪雨時には拠点を本庁しか登録していなかったのですが、各避難所や警戒地域なども登録すれば、さらに活用できると感じました」と語る。

迅速な災害対応で、市民の命と暮らしを守るための対策。

同システムは、「全国町村会災害対策費用保険」もしくは「全国市長会防災・減災費用保険」の契約があれば無料で利用可能。両保険は、災害救助法が適用されない災害に対し、避難にかかる費用の一部が支払われるもの。財政負担を軽減し、迅速な意思決定を後押しする。風水害を基本に、地震・噴火・津波を対象とするオプションもあるという。

「当市では平成29年にこの保険を契約して以来、更新を続けています。過去に何度か避難指示の発令を迷うようなときもありましたが、この保険があることで、以前よりもためらいなく避難指示を発令できるようになりました。財政的な負担が軽減されて助かっています」と田畑さんは語る。「当市では以前から、市民への情報発信に力を入れています。正しい情報をもとに一人ひとりが的確な判断をして避難行動ができるよう、このシステムも役立てていきたいですね。現在は各地域の自主防災組織や地区防災計画に重点を置いて整備中。市民の協力を仰ぎながら、地域の防災力を高めていきます」。

姶良市
総務部 危機管理課
左:主任主査 田畑 直貴(たばた なおき)さん
右:主事 堂森 涼太(どうもり りょうた)さん

災害リスクを一元的・網羅的に把握する

■自治体の課題をサポート

課題1 情報の参照先がバラバラで状況把握に時間がかかる
➡下記機関の情報を一画面で確認できる
 ウェザーニューズ社・気象庁・国土交通省・各自治体・電力会社など

課題2 独自の防災システム導入は予算的に難しい
➡保険契約済自治体なら無料で利用可能

課題3 先々を予測した避難指示の意思決定がしづらい
➡最大72時間先までの気象リスクを予測

動画視聴はこちらから。画像をタップ or クリックでもご覧いただけます。

発災時の費用をカバー

避難指示などを発令した災害のうち災害救助法の適用は1割以下。
➡9割以上が自治体負担に ※平成26年~令和2年までの平均

内閣府と協働で開発!

全国町村会
災害対策費用保険

全国市長会
防災・減災費用保険
災害救助法が適用されない災害の対策費用をカバーする。

<補償対象の例>

避難所設置
被服・寝具
応急救助費
食料・飲料
医療・助産
各種輸送費
※職員・消防団員の手当を含む

約500自治体が加入中
※令和5年8月時点

お問い合わせ

サービス提供元企業:損害保険ジャパン株式会社

団体・公務開発部第三課

TEL:03-3349-5408
10_sora-resilience.jimukyoku@sompo-japan.co.jp
東京都新宿区西新宿1-26-1

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