システムを連携できる統合プラットフォーム
住民の利便性向上のため、各自治体でDXが推進されている一方で、デジタル化により職員の負荷が増えるという新たな課題が生まれている。住民だけでなく、職員の便利さも実現するには“システム連携”が重要だという。
※下記はジチタイワークスVol.28(2023年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]ServiceNow Japan合同会社
デジタル化によりシステムが乱立し職員の業務増加でマイナス効果に。
自治体DXの時流により、手続きのオンライン化や業務のデジタル化が活発になっている。しかし、その多くは各部局や所管課単位で進められており、庁内には業務に特化した様々なシステムが乱立する状況が生まれている。そのため、住民側も申請や手続きごとに異なるサイトへアクセスする必要があり、氏名や住所を都度入力する手間が発生してしまう。
「さらに、異なるシステム間ではデータが連携されないケースがほとんどです。データをつなぐために、職員が紙やCSVなどを出力して別システムへ手入力したり、Excelに転記して集計したりとアナログな作業が必要に。デジタル化により利便性が向上するはずが、職員の負担を増やし、手作業によるミスを誘発する原因にもなっています」と野澤さんは自治体の現状を分析する。
「DX推進に必要なことは、各部局、所管課単位でデジタル化していた仕組みを横につなげること。そして、利用者側の視点に立った優れたUXを提供し、住民も職員もデジタル化による恩恵を受けられるようになることです。独立したシステム同士を連携させ、一度デジタル化したデータはそのまま活用して、業務プロセスがデジタル上で完結できるようになることが理想です」。そのためには機能ごとに独立したシステムを調達するのではなく、全庁的にシステムを統合できるプラットフォームの導入が有効だという。
ユーザーの導線を1つにすることで双方がデジタル化の恩恵を享受する。
「ServiceNow」が提供する「Now Platform」は、異なるシステム同士を連携させ、住民サービスの提供や業務を一気通貫で行えるクラウド型統合プラットフォームだ。住民と行政の接点を一元化するポータルサイトを用意し、これまで手続きごとに分かれていたシステムを集約させて、利用者の導線をラクにするという。住民は基本情報を一度入力するだけで、ほかの手続きの際も自動で同期されて便利に。また職員側も様々なシステムから流入してきたデータが整流化され、部局を横断した業務が可能になる。さらに、導入済みの既存システムとの連携もでき、一新する必要はないそうだ。
東広島市(ひがしひろしまし)では同プラットフォームを活用し、令和3年から市民と市役所・学校をつなげる“市民ポータルサイト”を構築している。情報登録した市民には、IDとパスワードが割り振られ、サイトを介して学校への欠席連絡や証明書の申請などができる。さらに、LINEと連携させると、学校からのお知らせやごみ収集日の通知をLINE上で確認できるという。「これらは当初から全てのサービスが用意されていたわけではなく、段階的に拡充されています。アジャイル開発が可能なため、随時必要なサービスを構築、改修することができるのです。また、ローコード・ノーコード開発ができ、1つのプラットフォーム上で、複数ベンダーによるサービスの開発や、職員による内製化にも対応できます」と強みを語ってくれた。
デジタル化で取り組むべきは価値の高い住民サービス。
同プラットフォームを導入する自治体は増えており、様々な活用事例が生まれているそうだ。「これまでは、業務に特化したシステム導入が行われていました。ただそうすると、ユーザーである住民目線が不在になり、職員もラクにならない。既存の手法にとらわれずに、“どんな住民サービスを実現したいか、そのために何が必要なのか”と新たな視点で見直すことが大事だと思います。行政のもつノウハウと私たちベンダーがもっているテクノロジーの知見を組み合わせれば、価値の高い住民サービスの提供が可能になると考えています」。真のDXとは、業務の効率化により、職員は職員にしかできない業務に専念でき、住民は便利なサービスを受けられるようになること。両者が恩恵を受けられるDX推進が、自治体の未来を切り開くのではないだろうか。
ServiceNow Japan
金融公共戦略ビジネス事業本部
公共営業本部 本部長
野澤 さゆり(のざわ さゆり)さん
独立したシステムを連携させるメリット
導入事例
神奈川県横浜市
予算・財務情報管理
予算編成から決算、事業評価までのプロセスをデジタル化するシステムを構築。関連システムとデータ連携し、手作業を介さず、即座に集計・分析が可能に。
広島県東広島市
市民ポータルサイト
住民との情報共有や手続きが集約できるポータルサイトを構築。住民と行政がつながる窓口が一元化されることで、便利なサービスを提供できるように。
詳細は動画から!
東広島市職員が事例を語るセミナー動画を公開中(※2024年7月末まで)。従来の課題から取り組み内容まで詳しく知ることができる。こちらからアクセスを。
サービスの詳細についてはWEBで確認
上記以外の導入事例や活用方法について紹介中。詳しくはこちらへ。