住民課で使用される転出入の申請書類や税務課の課税納税証明書の発行申請書など、直筆で記入が必要な書類を記入と同時に電子化できるタブレット「ワコム クリップボード」が登場した。商品の利便性と今後予想される行政の働き方の変革について開発元に聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.2(2018年1月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 株式会社ワコム
ペーパーレスに寄与する新開発のペンタブレット
今回開発したクリップボードは、ボールペンで記入した字をそのまま電子化できる商品です。まず、電子フォーマット化したい帳票をエクセルやワードでA4サイズの書式で作成し、電子化して書類の隅にバーコードを付与します。そのデータを印刷した書類をボードに挟んでバーコードを読み込めば準備はOKです。そのまま専用ボールペンで記入をすれば、文字が同時に電子化されます。記入が終わり、保存ボタンを押すとファイルが保存される仕組みです。
このクリップボードが最も威力を発揮するのは、紙とデジタルファイルの両方を保存する必要がある時です。たとえば住民課の窓口で記入する機会の多い申請書類や税務課の証明書発行申請書、福祉課のケースワーカーが訪問記録などを記載するノートなどは、スキャンしたり、手で入力し直したりする手間が省けます。専用のエンジンを使えば、テキストに変換し、データとして抜き出すことも可能。入力データの二次利用が必要な場合にはテキスト変換エンジンを併用するのがおすすめです。
住民の記入フローは変えず職員の業務を効率化
そもそもこの商品を手がけたのは、「職員のみなさんの電子化の手間を減らし、業務の効率化ができないか」と考えたからです。私たち株式会社ワコムの電子ペンタブレットの世界シェアは80%を超えていて、その技術を応用して開発しました。 ポイントは書き手、すなわち住民のみなさまのフローを変えないことでした。いつもと同じようにボールペンで書類に記入するだけで電子化が可能です。また、さまざまな部署ごとにつくっていた書式を統一すれば、来庁者の記入や、職員の保管業務の効率化も見込めます。
書式は部署や案件別にエクセルやワードを使って独自に作成できるので、先に挙げた部署以外でも活用できる場面はたくさんあると考えています。今のところ外出先で利用する方法と据え置きで利用する方法があるので、状況に応じて活用していただきたいですね。
部署ごとの使い方を提案環境にやさしい自治体へ
導入を考えていらっしゃる場合は、まずはお問い合わせください。何を電子化するのか、テキストや数字を画像データやテキストに変換して残す必要があるのかなど、用途をヒアリングして書式のつくり方やクリップボードの使い方などをレクチャーしています。将来的には書類のペーパーレス化、業務の効率化を達成し、エコロジカルな働き方を提案できればと考えています。
株式会社ワコム ビジネスソリューションユニット 吉川 祐司さん
クリップボードを無料貸し出し!実証実験モデル自治体を大募集
エクセルやワードでつくった書式に専用ボールペンで記入するだけで電子化できる「ワコム クリップボード」。業務の効率化を考えている自治体に無料で貸し出すキャンペーンを実施します。
使い方は簡単
○帳票を作成し、印刷
○帳票をボードにセットし、記入
○手書き情報を自動でデジタル化
○記載した内容はリアルタイムで モバイルデバイスに転送、表示
○書き終えたら「開始/終了」 ボタンを押して送信データを確定
ワコム クリップボードの仕様
○一般的な書類サイズ(A4 、A4レター)に対応
○ペーパーIDで紙の帳票とPDF化したデータを関連付ける
○専用ペンは電池レスでメンテナンスが容易
○サインデータの取得も可能
○Bluetoothでワイヤレス接続ができる
○USBケーブルでWindowsPCと接続できる
ワコム ペンタブレットの導入実績
全国42都道府県の県警指令本部で使用
市の教育委員会で導入し、小中高校のパソコン教室で使用
未来の働き方を体験してみませんか?実証実験モデル自治体を募集
ペーパーレス化、書類の電子化を考えている自治体のご担当者は、一度ぜひお問い合わせください。ご連絡いただいたご担当者には使い方、要望を伺って、用途に合わせた提案をいたします。