世界中で脱炭素化の動きが加速する中、国が推進しているのがクリーンエネルギー自動車の普及とその充電インフラ整備だ。特に後者については、まちの未来をつくることにもつながるため、自治体にも積極的な姿勢が求められるだろう。
※下記はジチタイワークスVol.25(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]ENECHANGE株式会社
“ついで”に充電できるよう充電器は分散設置が基本。
“2035年までに国内での乗用車の新車販売で電動車100%を目指す”という国の方針に伴い、近年、設置ニーズが高まっているEV充電器。国は2030年までに15万基の設置目標を掲げているが、これは現在の設置数の7倍以上になる。EV充電器には急速充電器と普通充電器の2種類があり、国が目指す15万基の内訳は急速充電器が3万基で普通充電器が12万基となっている。
普通充電器の導入から運用までをサポートする「ENECHANGE(エネチェンジ)」の田中さんによると、「急速充電器に比べ、普通充電器は手軽に設置できます。25cm四方のスペースがあればいい上に、コストも低い。ただし、充電には時間がかかるため、1~2時間以上の滞在が見込まれる施設に設置するのが望ましいでしょう」。
自治体の場合は、公営の体育館やプールなどの駐車場に設置すれば、施設の利用中に充電できる。ガソリンスタンドで給油するような従来のスタイルとは異なり、まちのあちこちで充電できるようにすることが大切だという。利用者が生活動線の中で“ついで”に充電できるようにするためだ。「給油には大がかりな設備が必要ですが、電気なら至るところに流れているのでそれが可能です。水道管に蛇口を設置するようなイメージですね。2027年までに当社だけで3万基の設置を目指しています」と意気込む。
補助金と拠出金のダブル活用で“予算の壁”を乗り越える。
現在、EV充電器の設置はそのほとんどを民間施設が担っている。しかし、自動車の電動化が進む中、充電インフラは生活に欠かせないものになりつつある。今後、自治体の役割は大きくなっていくだろう。
そこで活用したいのが、国が用意する“クリーンエネルギー自動車やそのインフラ導入を促進する補助金”だ。この補助金を活用すれば、補助上限額の範囲内で、工事費の100%と本体費用の50%を賄える。さらに、補助金でカバーできない本体費用の残り50%と消費税分を、同社が独自の拠出金で補てん。場合によっては自治体のコストを実質ゼロに抑えることも可能だという。適用には条件があるものの、予算障壁が高い自治体も、導入を検討する余地はありそうだ。
「この補助金のニーズは高く、昨年度は申請期間の途中で予算に達してしまいました。間に合わなかった申請は今年度にまわってくることが予想され、まだまだ需要高は続くと思われます。興味のある自治体には早めに検討してもらいたいですね」。
観光客の誘致から脱炭素化まで自治体ニーズは広がっていく。
これまでにも複数の自治体施設に普通充電器を設置してきた同社。導入から運用まで全てをワンパッケージでサポートする体制が整っているという。「事前に現地調査を行い、ベストな設置場所を提案しています。また、“土地の利用料が発生する”といった自治体ならではの事情にも柔軟に対応することが可能です」。
もちろん、利用者の利便性の向上にも力を入れる。現在、国内に普及している普通充電器のほとんどが3kWだが、同社が提供するのは6kWのため倍速で充電できる。また、各自動車メーカーなどが発行しているEV充電カードを利用できるのもメリットだ。EV購入時に契約している人が多いため、設置した施設の集客拡大にも貢献する。
「ホテルなどにEV充電器の有無を問い合わせる電話が入るなど、最近では観光地でのニーズも高まっています。宿泊客誘致のため、観光地における充電インフラの整備は自治体が戦略的に進めていく必要があるでしょう。また、地域の脱炭素化という観点からも、自治体への期待は大きくなる一方です」。実際、福岡県みやま市では昨年度、廃校になった小学校跡地を利用したレストランと、新規オープンした総合市民センターにEV充電器を設置。脱炭素に向けた取り組みを強化しているという。近未来の充電インフラ整備をどう進めるか、自治体には先を見据えた行動が求められている。
新しい時代のインフラ設備として高まる自治体ニーズに柔軟に対応。
福岡県みやま市総合市民センター「MIYAMAX」に設置されたEV充電器。
駐車場があれば簡単に設置できる。
自治体にEV充電器の導入が求められる理由
脱炭素社会の実現に向けて
多くの自治体が2050年までに二酸化炭素の排出を実質0にする“ゼロカーボンシティ”を表明。EVの普及は自治体による脱炭素社会への取り組みとしても注目される。
観光地に宿泊客を呼ぶため
観光地を振興する上で大切なのは、そこで宿泊させること。増え続けるEVドライバーにとって、EV充電器設置の有無は宿泊地を決める重要なポイントとなるだろう。
エネチェンジの3つの強み
1.導入時に補助金と拠出金をダブル活用
国の補助金と同社独自の拠出金をダブルで活用。自治体は、導入後にかかる電気代を負担する。(補助金・拠出金の適用には規定あり)
2.EV充電カード対応による圧倒的なユーザビリティ
多くのEVドライバーが所持するEV充電カード対応で、施設の集客に貢献。カードを充電器にタッチするだけで充電でき、利便性も高い。カード不要で充電スポットの検索から決済までできる専用アプリも。
3.自治体施設への導入事例がある
複数自治体への設置経験があり、自治体独自の要望にも柔軟に対応。企業などを含めると47都道府県での導入が決定している。
予算や知識がなくてもEV充電器の導入を!
各自治体の希望や事情に合わせ、設置までの最適なプランを提案します。補助金申請の煩雑な作業もお任せください。経験豊富な当社が、ワンストップで代行します。導入予算が確保できない場合も、まずはお問い合わせください。
ENECHANGE
執行役員
田中 喜之(たなか よしゆき)さん
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