国際交流・多文化共生を推進する古賀市。情報発信の要であるWEBサイトに、ボタン1つでやさしい日本語に自動翻訳する「伝えるウェブ」を導入した。増え続ける外国人も安心して暮らせる地域づくりに役立てているという。
※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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これからの時代を見据え多国籍が共存できるまちへ。
福岡市と北九州市の間に位置する古賀市。交通の便が良いことから製造業を中心に多くの企業が集まっている。外国人技能実習生の受け入れも盛んで、平成27年からの5年間で外国人住民の割合は約2倍になり、40近い国の人々が暮らすようになったそうだ。令和2年度には国際交流・多文化共生係を新設し、急増する外国人との共存を目指しているという。
「多言語化にも取り組んでいますが、外国人住民に伝わりやすいのは“やさしい日本語”でした」と語るのは、まちづくり推進課 国際交流・多文化共生係の渋田さん。積極的にやさしい日本語を学び実務に取り入れているほか、高校生とのコラボ企画を通じ、住民への啓発活動も盛んに行ってきた。
「例えば、ごみ出しや交通のルールを知らないなど、小さな暮らしのトラブルもありました。地域で生活していく上でのルールを知ってもらうためにもWEBサイトを読んでもらいたい、そのためにサイトにもやさしい日本語を導入したいと考えていました」。
そんなときに目にしたのが伝えるウェブの案内はがきだったという。「すぐに問い合わせてみました。無料トライアルで利用できるというのが良かったですね。実際に使用し、効果を確かめてから本格導入できるので安心でした」。
文章作成や保存・印刷もでき庁内活用のイメージが広がる。
トライアル後、同市では今年4月から伝えるウェブの基本プランを契約。現在は主にWEBサイトの自動翻訳機能を活用しているという。「サポートも手厚く、スムーズに導入することができました。WEBサイトへの自動翻訳リンク設置も、サイトの保守業者が年間保守契約の範囲で対応してくれました」と同係の飯尾さんは振り返る。「翻訳により理解しやすい文章が作成され、自動でルビが振られるのが便利ですね。言葉の区切りに余白を入れる“分かち書き”もされるので、さらに読みやすくなるのも良いです。外国人にも喜ばれています」。
ほかにも、文章を音声で読み上げてくれる機能が付いており、ピッチや速度などの個別設定が可能だ。
今後は、基本プランに含まれる「やさしい日本語エディタ」の活用に力を入れていきたいという。導入して日も浅く、十分な活用ができていないそうだ。「作成した文章をやさしい日本語に言い換えるだけでなく、Wordなどで保存して印刷できる機能を使いこなせると便利ですね。紙での通達が多い教育現場などで活用できればと考えています。専門用語や慣用語が多い各種手続き書面は、ただルビを振るだけでは理解できないことが多いです。表現そのものが分かりやすくなれば、安心して手続きができると思います」。
外国人だけでなく、子どもや障害者、高齢者など、多くの人に情報を届けられるツールになればと期待を寄せる。
他課との連携や研修を重ね日頃からの活用を目指す。
同市では、外国人と交流を図るイベントなどを積極的に開催。政令都市以外で、国際交流と多文化共生のための係を設けて取り組んでいるケースは珍しいそうだ。「近年は、自然災害が増えているので、防災など身近な話題をテーマにしたイベントを開催しています。非常事態にこそ正しい情報発信をしなければ」と飯尾さん。
今後は窓口対応も含め、やさしい日本語の活用を庁内に広めていきたいという。「これまでの活動の効果もあり、一定の認知はされています。今後は普段からも意識して使えるよう、研修を行っていく予定です。苦手意識をもつ職員もいますが、コツをつかめば思っているより簡単にできます。分かりやすい表現で正しく伝わるということは、私たちにとってもうれしいことなんです」と渋田さんは語る。自治体として、正しい情報を広く届けるために、伝えるウェブのさらなる活用が望まれる。
古賀市 まちづくり推進課 国際交流・多文化共生係
左:参事補佐 兼 国際交流・多文化共生係長 渋田 典子(しぶた のりこ)さん
右:業務主査 飯尾 幸恵(いいお さちえ)さん
AIが意味を考え自動で言い換え誰でも分かる文章で情報を届ける。
約3万5,000語のシステム辞書をもとにAIがやさしい日本語に自動で変換。自分たちでは見逃しがちな表現も、高精度の翻訳できちんと“伝わる表現”に。
「伝えるウェブ」にできること
1.自動翻訳とルビ振り、音声で多くの人に伝える
サイトにボタンを追加するだけで、AIがやさしい日本語に翻訳。ルビや言い換えは個別カスタマイズも可能で、自治体ごとに分かりやすい表現で登録することができる。また、自動で振られるルビや音声読み上げ機能は、外国人だけでなく障害者や高齢者にとっても便利。
2.サイトだけでなく印刷物も“編集機能”でやさしく
「やさしい日本語エディタ」を搭載し文書の作成をサポート。判別が難しい単語も、システム辞書をもとに最適な表現へ翻訳。作成した文章は、ルビ付きのWord文書や画像としてエクスポートでき、印刷物・SNSなどへスムーズに活用できる。
導入自治体は全国で増加中!
東京、岩手、島根など全国の自治体が活用中。こちらから導入の経緯や活用事例のインタビューを見ることができる。
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