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奈良県葛城市

公開日:2022-08-30

全庁を挙げた“総合窓口”開設を、職員によるアプリ内製で実現。

住民生活
読了まで:5分
全庁を挙げた“総合窓口”開設を、職員によるアプリ内製で実現。

行政全体でDXの機運が高まる中、その推進に苦戦している自治体も多いだろう。特に小規模自治体は、限られたリソースでどう取り組みを進めるかがポイントだ。葛城市では民間の後押しとシステムの内製で、この課題を乗り越えようとしている。

※下記はジチタイワークスVol.21(2022年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]サイボウズ株式会社

民間との連携で課題を洗い出したどりついた最適解とは。

小規模自治体が抱える課題の1つが“DX人材の不足”だ。同市はその状況から脱却すべく、平成27年に「リコージャパン」と連携協定を締結。デジタルにたけた民間人材の派遣を受け入れ、ともに行政事務の改革を推進してきた。その取り組みにおいて、令和元年に全庁的な業務の棚卸しを実施。さらなる業務改革に向けて優先順位をつけていく中で、同社から「kintone(以下、キントーン)」なら、庁内の多くの課題を解決できそうだという提案があった。

キントーンは「サイボウズ」が提供する業務改善プラットフォームで、職員によるノーコードでの業務アプリ開発が可能。同市はこの提案に同意し、アプリ内製による業務改革に乗り出した。「まずは全職員対象の無料トライアルを活用し、デジタルに対する抵抗感を軽減。説明会も全課を対象に実施しました」と梶さんは振り返る。こうした基盤固めの後、令和3年9月に正式導入。同時に、人材派遣型の企業版ふるさと納税を活用して支援要員のSEを1人増員し、職員の早期自立を促す体制を敷いた。

この動きとは別に、同市には大きな課題が控えていた。平成16年の合併以来続けてきた2庁舎体制の片方、當麻(たいま)庁舎の老朽化による除却だ。

庁舎除却の影響を与えず、行政サービスを維持する!

當麻庁舎は令和3年12月をもって閉鎖し、その機能をもう片方の新庄庁舎、および當麻分庁舎へ一時的に移転させることが決定していた。しかし、「分庁舎は施設規模が小さく、窓口が減って周辺住民の利便性を損なう懸念がありました」と村田さん。そこで同市は、各窓口を一元化した“総合窓口”を分庁舎に新設しようと準備を開始。まずは総合窓口業務の支援システムを導入しようとベンダーに相談したが、1,700万円を超える見積もりに、外注は断念せざるを得なかったという。

「代替策として、自前で各課の業務手順書を作成しようとエクセルを活用しましたが、機能が限られており、つくり込むとデータが重くなります。16課分、約170の業務があるので検索性の問題もあり、実用性に欠けました」。

その経緯から、担当職員はキントーンでのアプリ内製に初挑戦することに。SEの補助を受けながらアプリ本体は約2週間で完成し、エクセルからのデータ移行などを含め、約2カ月で運用開始できたという。「担当職員の努力もあり、令和4年1月の開設に間に合わせることができました」と村田さんは胸をなでおろす。

アプリ内の業務手順は庁内各課から随時更新されるため、「手順や様式は、常に最新の状態で窓口対応ができます。このアプリは総合窓口だけでなく、各課の引き継ぎや新人教育の場面でも活用できそうです」と期待を寄せる。

住民の手続き・相談のうち約8割は業務手順書管理アプリで対応が可能。残り2割の複雑な手続き・相談にはテレビ電話システムを活用し、担当課に直接相談ができるブースを設置。

小規模自治体だからこそ、全庁での改革が進めやすい。

同市でキントーンの活用が始まってまだ1年足らずだが、すでに10人ほどの職員が構築スキルを身につけており、そのほかにも15個ほどのアプリが稼働中だ。梶さんは「自治体がデジタル化で自立できれば、コスト減はもちろんのこと、何より職員の自信につながります」と力を込める。

「自治体には今後、より包括的に住民相談を受ける体制が求められます。当市では全庁的な導入を進めたことで、そうした場面でも今回構築したアプリが活躍しそうです」。

庁舎機能再編という局面に、“住民サービスの質を落としたくない”という思いが後押しし、デジタル化の大きな一歩を踏み出した同市。小規模自治体ならではのフットワークの軽さと横のつながりを活かした、全庁的DXの好例だといえるだろう。

葛城市
左:企画部 企画政策課 主査
梶 菜津美(かじ なつみ)さん
右:市民生活部 総合窓口課 課長補佐
村田 良作(むらた りょうさく)さん

現場を知る職員自身がつくるから、業務にフィットするアプリができる!

約140自治体が導入済みの「キントーン」とは

自治体のあらゆる仕事に対応する業務改善プラットフォーム。データベースとコミュニケーション機能を備え、専門知識がなくても直感的操作でアプリが構築できる。外部サービスとの連携で帳票の自動作成などにも対応。

「事務用品出庫申請」アプリを作成!

会計課 主事補 岡本 莉果(おかもと りか)さん

全く知識がなかった私が急にアプリをつくることになり身構えていましたが、SEさんに教えてもらいながら完成させることができました。私にも内製できたことが、ほかの職員にとって良い前例になればと思います。事務用品出庫という業務の特性上、全課でキントーンに触れてもらうきっかけにもなっているようです。今後は用品の発注までできるよう、バージョンアップを予定しています。

「ガブキン」で他自治体と知見を共有!

「ガブキン」は行政職員限定のオンラインコミュニティ。情報交換やアプリの共有ができ、セミナーなどのイベントも定期的に開催されている。令和4年5月時点で登録者は700人以上。キントーンユーザーでなくても参加OK。

新プラン「全職員導入ライセンス」スタート

従来のガバメントライセンスから、さらに最大60%オフで利用できる「自治体向け全職員導入ライセンス」を提供中(適用条件あり)。全庁展開により導入効果を最大限発揮できるチャンスです。詳しくはお問い合わせを。

お問い合わせ

サービス提供元サイボウズ株式会社

住所:〒103-6027 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー27F
E-mail:cy-public@cybozu.co.jp

資料ダウンロードはこちら資料ダウンロードはこちら

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