“働き方改革”の推進に向け、テレワーク導入を検討する自治体が増えている。同様の構想をもっていた多摩市は令和2年、「アセンテック」の「リモートPCアレイ」導入により、低価格・短期での仮想デスクトップ化を実現させた。
※下記はジチタイワークスVol.20(2022年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社アセンテック
働き方改革の実現に向けてテレワークの導入を検討。
平成27年に起きた、日本年金機構の情報漏えい問題を受け、総務省はネットワークの三層分離を平成29年7月までに実施するよう、全国の自治体に通達。ほとんどの自治体が、期間内にネットワーク強じん化対策を完了させたが、“分離したセクション間でのデータ受け渡しが面倒”“特定端末でしか作業できない業務が増えた”など、解決すべき課題も表面化してきた。
「当市も、三層分離の次に取り組むべき課題の解決策を探していたところ、民間企業では働き方改革の実現に向けたテレワーク導入が積極的に進められている現状を知り、その必要性を改めて認識しました」と矢部さん。とはいえ、三層分離に伴う制約がある中でテレワークを導入するには、工夫と調査が必要だ。
テレワーク導入を通じた働き方改革を“公務員人生の課題の1つ”に掲げた矢部さんは、自治体および民間企業の事例研究、製品リサーチ、市役所内での提案資料作成や予算案立案を実施し、複数の導入プランを構築したという。
そんな折、令和2年初頭から、新型コロナウイルスの感染が拡大。事業継続計画の観点からもテレワーク導入の必要性が高まり、数多くの製品を比較した上で同サービスの導入を決定した。
臨時交付金を有効活用し低コストのVDI環境を実現。
テレワークの手法として最も一般的なのが、サーバー上にデスクトップ環境をつくり、その画面だけをユーザー端末に転送する“仮想デスクトップ(以下、VDI)”だ。ユーザー端末にはデータが残らないので、紛失や盗難などによる情報漏えいリスクも低減できる。ただし導入にあたっては、相応のコストと構築期間、導入後のメンテナンスの手間などのハードルがあり、それが原因で導入に踏み切れない自治体も少なくないようだ。
その点、リモートPCアレイは、VDI構築に必要なデバイスやソフトが最初から搭載されているので、導入時のイニシャルコスト削減、構築期間短縮が実現できる。「当市の場合、地方創生臨時交付金をテレワーク体制構築に使用できることになり、市の財源を極力投入せずに導入できる製品を徹底リサーチしました。その結果、同製品の導入を決めたのです」。
自治体での導入事例がまだ少なかったこと、全体管理を相談できるコンサルタントがいなかったことなどから、導入前の不安は決して小さいものではなかったそう。「それでも、疑問点の質問・確認を繰り返し、丁寧に説明してもらったことで、無事に構築へと至りました」と矢部さんは振り返る。
自席PCと同様の使用感でテレワーク環境を実現。
同市は現在、管理職以上の通常業務をVDI端末に切り替えたほか、一般職員にも、貸し出し式でVDI端末の利用を広げている。「通常業務や会議の際、非常に便利だという管理職の声を耳にするほか、庁内ネットワークを無線LANとしたことで、各種業務のペーパーレス化も進んでいます」。
導入のタイミングが新型コロナウイルスの第5波発生前だったため、感染および濃厚接触で登庁できない職員もテレワークで業務を継続できた。「担当業務がテレワークと相性の良い職員や子育て世代からは、『自席のPCと変わらない使用感で在宅業務できる』という声が出ています」と、同製品の大きなポイントである“1端末に1PC(こちらを参照)”環境の手応えも感じているようだ。
コロナ禍の第5・6波の際、係長クラスからテレワークに関する問い合わせが多かったことから、同市は今後、VDI端末の通常業務使用を係長級職員にも展開しようと計画している。また、既存端末の保守期限切れの時期に合わせ、マイナンバー系業務端末のVDI化も進める考えだという。
多摩市 企画政策部 情報政策課 基盤係 主任
矢部 隆一(やべ りゅういち)さん
多摩市でリモートPCアレイを選んだ理由
導入コストや導入に要する期間、VDI端末のアップデートなど導入後管理の容易さも考え合わせた結果、リモートPCアレイの導入を決めた。
リモートPCアレイとは
5~30台分の物理PCカートリッジと、CPUやメモリ、ストレージ、管理ソフトウェアなどを搭載し、VDI導入のハードルを下げるオールインワンのシステム。
独自の画面転送技術で快適な通信とセキュリティの向上が実現。
テレワークで容量の大きいデータを扱う際には、さらに安定した環境が望まれる。アセンテックでは、デスクトップ仮想化などの分野で、多くの独自技術をもつ海外企業のサービスを組み合わせた、より高度な活用を提案している。
高いセキュリティを保ちつつテレワークでも業務を快適に。
アセンテックがディストリビュータ契約※を結んでいる「シトリックス・システムズ」は、約100カ国で事業展開中の多国籍テクノロジー企業。VDIやクラウドコンピューティング分野で約40万社・団体のユーザーを擁し、同社によるとサービス利用中のユーザーは1億人以上にのぼるという。
日本国内ではアセンテックが同社の仮想化関連ソリューションや、それに付随する様々なシステムを提供中。特に、自治体向けに積極的に提案しているのが、独自ソリューションのリモートPCアレイと、シトリックス・ソリューションを組み合わせた運用だ。「2つ組み合わせることで、シトリックスの独自通信技術である“Citrix HDX”が利用可能となり、高いセキュリティを確保しつつ、WEB会議など安定した通信環境・速度が必要な業務が快適に行えるようになるのです」と、中村さんは説明する。
※メーカーが代理店に商品を売り切り、代理店がエンドユーザーに商品を転売する契約
ネット環境が良好ではない拠点でも安定した通信状態。
同社のリモートPCアレイは、VDI基盤に必要なデバイスやソフトウェア類を1ユニット内に搭載した、オールインワンのシステム。ただ、自治体の支所・出張所など、ネットワークが不安定で、通信速度が遅い地域で使用する場合、本庁の基幹サーバとつながりにくかったり、リモート端末を使ったWEB会議などがスムーズに行えなかったりする可能性も否定できないという。
「その点、同サービスを組み合わせれば、データ重複排除技術や画像などの圧縮技術により、ネットワーク接続が“細い”状況下でも、データ通信量を抑えられます」と北原さん。コンピューターを仮想化するためのソフトウェアが不要で、VDI環境を構築する際のイニシャルコスト削減、構築期間の短縮が実現できるのが、リモートPCアレイ導入による大きなメリット。シトリックス・ソリューションとの組み合わせを検討することにより、“導入しやすさ+安定運用”が期待できるというわけだ。
様々なデバイスで活用でき、業務の場所や形態が自由に。
シトリックス・ソリューションには、運用ポリシーに沿ってリモート操作を制御し、セキュリティを向上させる機能、アプリケーションの仮想化共有機能、PCばかりでなくChromebookやタブレット、スマホでもクラウド上のサービスを利用できる機能などが準備されている。「シトリックス・ソリューションは、それらの機能を活用するためのプラットフォームであり、業務の形態や幅に変革を与えるツールだといえます」。
このようなシステムを導入することで、より安定した業務環境の整備につながっていくだろう。
アセンテック 営業推進本部
左:中村 弘嗣(なかむら ひろし)さん
右:北原 友樹(きたはら ともき)さん
リモートPCアレイ×シトリックス・ソリューションの利点
1.通信帯域が狭くても快適なテレワーク
地方の支所・出張所などにリモートPCアレイを導入する際、通信帯域の狭さにより、使い勝手が低下する可能性がある。独自の通信(画面転送)技術を持つシトリックス・ソリューションとの組み合わせにより、ネットワーク環境が向上する。
2.PC以外も活用できるので業務の幅が広がる
Chromebookやタブレット、スマホ経由でシトリックス・ソリューション上の業務関連データにアクセスできるため、ノートPCを置けない出先での業務も可能になる。その場合は、デバイスのOSや通信規格に応じた最適化接続が自動的に行われる。
3.ポリシー定義によるデータ漏えいの可能性を防御
“USB周辺機器の使用を許可、拒否”“クリップボード操作可能なデータ形式の指定”“接続端末のドライブを読み取りのみアクセス許可”するなど、データ漏えいの防止を実現。また、情報漏えい防止の観点から、リモート操作画面に、強制的に“日付”“使用ユーザー情報”“端末情報”などを表示し利用可能。
検証機無償設置キャンペーン
リモートPCアレイを検証する際、アセンテックSEが日本全国どこでも訪問し、検証機の設置と半日程度のオンサイトトレーニングを無償で実施します。詳細はお問い合わせください。
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お問い合わせ
サービス提供元企業:アセンテック株式会社
TEL:03-5296-9331
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