令和3年、長野県では業務時間の把握と効率化を図るため県庁全体で業務量調査を行った。結果、議事録作成に膨大な時間を割いていたことが判明。その対策として、文字起こし作業の時間短縮に向けた取り組みと効果を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.20(2022年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社時空テクノロジーズ
文字起こしに費やす3万時間がもったいない。
定例議会や首長の会見、WEB会議にタウンミーティングなど、自治体業務の多くの場面で職員の負担になっている議事録作成。「以前は職員がICレコーダーに録音した音源を聞きながら、手動でテキストを作成していました。作業時間は実際の会議の4~5倍はかかります。一部はテープ起こし業者に依頼していたのですが、議会の時期などは納期が1カ月以上先になることもありました」とDX推進課の相田さん。議事録作成は多くの職員にとって非常に大きな負担だったという。実際、令和3年度に行った全庁の業務量調査では、驚くべき結果が判明。約8,000人もの職員が年間約3万時間も議事録作成に費やしていたのだ。
以前よりDXに積極的な同県では、令和2年に策定した長野県DX戦略のもと、県と市町村が連携した「長野県先端技術活用推進協議会」を設置。自治体DX推進ワーキンググループを組み、課題別チームで地域のデジタル化を進めている。AI音声文字起こしツールも研究テーマの1つだったという。「当初から様々な文字起こしツールを比較検討していましたが、“これだ”というものに出合えず……。そんなとき、塩尻市からログミーツを紹介してもらいました」。
オフラインの対面会議に強い!
LAN、Wi-Fiなどのネット環境がなくても、クラウドを経由して音声を文字化。少人数から20人以上の会議に対応。
3つのセキュリティ認証を取得!
携帯回線によるセキュアな通信が可能。プライバシーマーク、ISMS、ISMSクラウドセキュリティ認証の主要セキュリティ認証を取得。
月額定額制の安心価格!
ログミーツの専用モバイル端末は1台2万9,800円、使用料は通信料込みで1カ月20時間1万円から。
実証実験で作業時間の約4割削減に成功し実装へ。
ログミーツが従来の文字起こしツールと異なる特徴の1つに、携帯電話回線を使った専用モバイル端末の存在がある。LAN設備が不要で、いつでもどこでもリアルタイムに文字起こしができ、会議に集中できる。さらに、3つのセキュリティ認証を受けている点も安心だ。クラウド上に音声とテキストが蓄積され、WEBブラウザ上の専用エディタ画面を使えば、写真やメモを追加することもできる。
「塩尻市は県内でも指折りのDX先進地域で、すでにログミーツの実証実験を終え、導入が決まった頃でした。実物を借りて触ってみたところ、ボタンを押すと音声と連動して面白いように文字が出てきて驚きました」。そこでワーキンググループ内の県と組合と15市町村は、操作性と変換精度などを実際に確かめるため、さっそく実証実験を開始。同県においては、15~16拠点に40台のログミーツを配布し、知事の定例記者会見や議会、タウンミーティングなど、場所や人数、誰が話しても同じように使えるのか、条件を変えながら様々な実験を行った。
業務効率化の評判が広がり予想を超える31団体が導入。
AI音声文字起こしツールに関しては、いくつか候補が挙がっていたが、最終的にログミーツに決めたポイントについて、北岡さんはこう語ってくれた。「費用やスペックなど総合的に判断しましたが、性能の高さが一番の理由。実証実験で、様々な環境や用途で使用してみたところ、これまでの文字起こしと比較すると平均で約4割の時間が削減できました」。この言葉に続けて「今後、うまく使いこなすための裏技や意外な使用法などの情報をユーザー間で共有することで、さらに業務効率が上がっていくと思います」と相田さん。
導入は県内77市町村で構成される自治振興組合が共同調達することになった。組合が一括で調達したあと、各市町村に請求をかける仕組みだ。こうすることで「コストを抑え、契約手続きを簡略化することができます」と自治振興組合の大塚さんは語る。申し込みは、当初ワーキンググループの参加団体を想定し募った。しかし、評判を聞きつけたほかの市町村からも問い合わせが相次ぎ、想定を超える31団体に。「今後は、体制を整えたので、いつでも組合の共同調達に参加することが可能」と同組合の金原さん。現在も参加を検討している市町村があるという。
共同調達のスケールメリット
一括調達でコスト低減
ログミーツの専用モバイル端末や付属のマイクなどを一括調達することでコストを低く抑えることができる。
事務手続きの簡略化
自治体ごとに行う調達事務の一部を省略、簡素化することができる。また、庁内調整の円滑化にもつながる。
活用法を共有できる
操作法や設置の仕方など、複数の自治体が情報共有することで、ログミーツをより効果的に活用することができる。
※塩尻市の導入については、こちらの記事をご覧ください。
小さなDXの1歩から住民サービス向上を目指す。
実証実験中や、導入してから現在に至るまで、同県には全国の自治体から操作法やセッティング法、費用面など様々な問い合わせが寄せられているという。「自治体特有の横展開といいますか、現場のリアルな声を聞きたいのでしょう。事例があれば自分たちも導入しやすいですから」。特に使用感を聞かれることが多いという北岡さんは、録音する環境が大切だと必ず伝えているという。「方言や専門用語などは辞書機能の操作で解決できますが、雑音などその場の条件や、語尾が聞こえにくいといった話し方のクセなどによって変換精度はかなり違います」。長所と短所を知る経験者だからこその貴重な意見だ。
相田さんは「ひと口に“DX”といっても、長野県DX戦略にもとづく医療や交通といったプロジェクトもあれば、小さく身近なものもあります。ログミーツは、誰でも簡単に使えるDXの入口。操作がシンプルで、その場ですぐに成果が見られて、時短ができる。自治体職員の中にはDXは他人事、必要ないと敬遠する人、波に乗り遅れていると感じている人もいますが、まず小さなDXから始めてみることが大切。自治体同士で力を合わせて、業務の効率化と住民向けサービスの向上を目指していきましょう」と、力強い言葉で結んでくれた。
長野県 企画振興部 DX推進課
左:主任 北岡 朋也(きたおか ともや)さん
中央左:担当係長 相田 貞晃(あいだ さだあき)さん
長野県市町村自治振興組合
中央右:次長 金原 平八(きんばら へいはち)さん
右:主任 大塚 政志(おおつか まさし)さん
4月開始!手動清書サービス
ログミーツに限らず、全てのAI音声文字起こしツールは、録音環境によって文字の変換精度が大きく変わる。それらの課題に対するサポートとして、令和4年4月から清書サービスがスタートした。清書はテープ起こしのプロが担当。複数人が同時に話した会話も、各人の音声を文字に起こしてくれる。操作はログミーツ編集画面の清書サービス依頼のボタンを押し、見積料金を確認後、正式依頼となる流れ。
ワクワク感を原動力に誕生したログミーツの裏話、展望に迫る。
長野県の実証実験や共同調達を機に、全国の自治体から多くの問い合わせが寄せられているというログミーツ。代表の橋本さんに、開発時の裏話やユーザーとの関係性、今後の展望について話を聞いた。
アバターが主役のオンライン会議がログミーツ開発のヒントに!
代表の橋本さんはもともとゲーム業界のエンジニアで、多数の人気ゲームを手がけてきたという。今は活動の場を移し、法人向けのAI音声文字起こしツールを開発、販売をしている。
そのきっかけについて、橋本さんは「ログミーツは、もとはアバターを使ったオンライン会議用の付属機能として開発したものでした。人間の実写のかわりにアバターが映し出され、音声に連動してつらつらと文字が画面に映し出される仕組みです。すると、想定以上に文字起こし機能の反響が大きくて。『使ってみたい』『気になる』という声に応える形で本格始動しました」と語る。
完成までには何度も試作を重ね、完成後も多くの自治体、事業者に実証実験に参加してもらって改良を繰り返した。実証実験に参加した自治体職員からは「試用中の困り事に対して、すぐに解決のアイデアをもってきてくれた」「現場の意見をすぐに反映してくれ、一緒にものづくりをしているようで楽しかった」「システムのブラッシュアップが早い」といった声が上がっているという。橋本さんは「社内に開発者がいるからできることです」と謙虚に受け止めつつも、「みなさんが、ログミーツを面白がってくれているのが本当にうれしい」と満面の笑みを見せる。
つくり手も使い手も期待に胸が弾むテクノロジーの未来を築こう
実際、一度使うと手放せないというファンは少なくないようだ。長野県職員を中心とした、ユーザーのグループ間では、雑音が多い屋外での使い方や、変換精度を高くするアイデアなどの情報交換で大いに盛り上がっているという。こうした声について、「ありがたいことに、私たちもそのお仲間に入れてもらっています」と橋本さん。「つくる側も使う側も共通するのは“ワクワク感”。生の声を開発のヒントに、どんどんアップデートすることで、次はどう進化するのか、使う側は期待が高まり、つくる側はもっと喜んでもらおうとモチベーションが上がるんです」。
現在、全国の自治体による“ログミーツの輪”は広がりを見せており、200を超えるエンゲージメントがあるという。「今、日本はデジタル化の遅れが問題視されていますが、日本全体のDXを推進するには、自治体の変革も不可欠です。生活に根ざしたサービスや人とのふれあいが多いぶん、社会への影響力は絶大で、波及効果も大きいのではないでしょうか。今後もログミーツをより充実させながら、様々な形でDXを支援していきたいと思っています」。今後数年かけて、メタバースやアバターなど最先端のコミュニケーションツールも充実させ、地域の日常で役立ててもらえるサービスを提供したいと展望を語ってくれた。
時空テクノロジーズ
代表取締役CEO
橋本 善久(はしもと よしひさ)さん
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