大阪府東大阪市

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文化と芸術の交流拠点を官民連携で育てていく

都市整備・上下水道
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文化と芸術の交流拠点を官民連携で育てていく

文化施設の維持管理と運営

地域に根差した文化芸術の交流拠点として、令和元年に「東大阪市文化創造館」が整備された。開館から7年、プロの公演から市民活動まで幅広く利用されており、東大阪市と民間事業者が協力関係を築きながら施設運営に取り組んでいる。

※下記はジチタイワークスVol.46(2026年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[PR]株式会社東急コミュニティー

東大阪市
人権文化部 文化室
文化のまち推進課
課長 和田 奈美(わだ なみ)さん

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東大阪市
人権文化部 文化室
文化のまち推進課
藤井 蓮(ふじい れん)さん

閉館した施設の機能を集約して新しいまちのシンボルをつくる。

同市は“魅力と誇りある文化芸術のまち”の実現に向けて、長年、文化芸術の振興に取り組んできた。昭和42年に建設された市民会館、文化会館を活動の拠点としてきたが、耐震性や老朽化の問題があり閉館することに。平成26年に基本構想を策定し、新しく文化施設を整備することが決まった。「2つの会館の機能を集約し、新たなまちのシンボルとしてふさわしい施設づくりを目指しました。文化芸術の創造と発信はもちろんのこと、多くの人がつながり、交流する地域の拠点として事業が計画されました」と藤井さん。

事業の手法を検討した結果、選んだのがPFI(※1)だった。民間事業者の技術や資金を活用して公共施設の設計・建設・運営などを一体的に行う手法だ。同事業では、自治体が要求水準を定め、実際の業務は、このためだけに複数の企業が共同で設立した特別目的会社(以下、SPC(※2))が担う。自治体はSPCの仕事を確認・評価しながら運営を監督する。「民間の創意工夫や経験、ノウハウを取り入れ、効果的なサービスの提供が期待できると判断しました。公共施設として安定的な管理ができ、財政支出の削減効果が見込めるメリットもあります」。平成28年に事業者と契約を結び、設計・建設と開業準備を経て、令和元年9月に開館した。

※1 PFI=Private Finance Initiative(民間の資金、経営・技術的能力を活用して公共施設の設計・建設・運営などを行う手法)※2 SPC=Special Purpose Company(ある特定の事業を行うために設立された事業会社)



事業者と密に連絡を取り合い企画の方向性をすり合わせる。

同館は、大・小ホールをはじめ、多目的室や音楽スタジオなど、様々な文化活動のスペースを備えた文化芸術の交流拠点だ。1階にはまちライブラリーやカフェが設置され、誰もが自由に利用できる施設となっている。中でも、大ホールは優れた音響空間となっており、プロの演奏家からの評価も高いという。オーケストラピットも設けられており、クラシックやオペラ、バレエなど多彩な公演が開催されるほか、市民の発表の場にもなっている。「質の高い演奏を市民に楽しんでほしいという熱意が、設計に反映されていると思います」と和田さん。

事業者とは毎日のように電話やメールで連絡を取り合い、必要があれば対面で話し合いを行っているという。「日々の運営・維持管理の課題の共有や相談をしています。事業の企画や報告、施設の必要な修繕など現場の状況が届くほか、事業企画に対して市の立場から意見を伝えることも多いですね。逆に市から施策について相談し、協力してもらうこともあります」。SPCには各分野の専門企業が集まっており、その構成企業の一つとして、施設全体の維持管理や一部の運営を担うのが「東急コミュニティー」だ。

実際に運営してみると、計画段階では想定しきれない課題が現場で生じることもある。以前、一部の駐車区画で使いにくい状態が続いていた。「事業者に相談したところ、関係企業と連携して駐車区画の線を削り、利用者から要望の多かったトラック用のスペースへ変更してくれました。民間の柔軟な対応のおかげで課題が解決し、本当に助かりました」。

▲コンサートや式典など、多くの市民に利用されている。
▲コンサートや式典など、多くの市民に利用されている。


市民の自主的な活動を支え出会いと交流が広がる場に。

ホールのような大空間は、空調管理が難しいといわれる。全体を快適な温度にするまで時間がかかり、公演内容や時間帯によって温度を調整する細やかな配慮も必要だ。こうした管理面も同社が担当している。「観客数によってホールの温度も変わりますし、暑さ寒さの感覚は人によっても違うので難しいと思いますが、そのときの状況や利用者の声に柔軟に対応してくれています」と藤井さん。

同館は催事だけではなく、色々な形で市民に利用されている。市民活動を支える創造支援室が20室ほどあり、音楽・ダンス・会議・作品づくりなど用途に合ったスペースが揃っている。1階のまちライブラリーと併設のカフェは、同社が運営を管轄している。まちライブラリーは、あらかじめ本が用意されているのではなく、市民がオススメの本を持ち寄って本棚を埋めていくスタイルの図書館だ。市民の自主イベントも月に3~4回ほど開催されており、絵本の読み聞かせや本を紹介しあう会など内容は多彩だという。

「誰もが気軽に立ち寄れて、新たな発見や出会いも生まれる場です。本を読んだり自習をしたりする学生や子どもたちも多く、利用者からは“カフェが好き”“ここに来ると子どもの機嫌がよくなる”といった声を聞くこともあります。屋外の芝生広場も含めて、幅広い世代の市民に親しまれていますね。利用者の数だけ活用の形があると感じています」。

官民それぞれの視点を活かし協力して施設を運営していく。

開館から7年がたち、着実に市民の暮らしに溶け込んできた同館。開館した当初はコロナ禍でイベントを開催できない期間もあったが、令和5年に年間利用者数が目標の30万人を超え、現在も高い水準をキープしている。「社会情勢が大きく変化し、計画通りに進まない時期もありましたが、市民のニーズに柔軟に対応する大切さを学びました。施設完成がゴールではなく、利用者と自治体と事業者が一緒に施設づくりをしていくことが大事だと感じています」と和田さん。

事業を遂行していく中で、自治体と民間の違いを感じることも多かったそうだ。「民間と自治体は立場や考えが異なるため、事業を進める上で優先順位が異なることがあります。だからこそ対話を重ね、双方が納得できるバランスを取ることを大事にしてきました」。運営に関して意見が合わないときは、その都度すり合わせを重ねてきた。

一方で、維持管理の面では民間に任せることが多いという。自治体が施設の維持管理をすると、修繕や補修に時間がかかってしまうが、民間事業者は対応が早いのだそう。「壊れてから直すのではなく、早めに部品を取り換えるなど管理が徹底しています。安全できれいな状態を保てるのは事業者のおかげです」。

地域に根差した拠点としてさらに発展させていきたい。

PFI方式で始まった同館の運営は、令和元年から約15年間の事業期間を設定しており、現在の契約は2034年まで継続する。「設計段階から運営を見据えたことで、運用のしやすさにとどまらず、利用者の利便性や満足度を高める施設づくりができたことは一定の成果だと考えています。ただ、このような長期の事業では当初の計画通りにいかないケースも出てきます。定められた要求水準を時代や状況に合わせてどう解釈していくか、自治体と事業者が対等に相談し、ともに知恵を出し合える関係性を保つことが欠かせません」。要求水準書を作成する際は、市の条例やビジョンに沿った方向性をしっかり示しつつも、長期間の変化に柔軟に対応できる余地を残しておくことも大事だという。

藤井さんは「これからも地域とつながる交流拠点として発展させていきたいです。鑑賞や創作活動など、様々な目的で気軽に来られる場でありつづけることが大切だと思っています」と話してくれた。令和8年から翌年にかけて、目玉となる市民ミュージカル、市民オペラも開催される。市民から出演者を募集して練習を重ね、大ホールの舞台に立つ参加型のイベントだ。これからも多くの市民に親しまれ、日常に寄り添い、ともに成長しつづける施設づくりを目指していく。


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東急コミュニティー
西日本事業部
ファシリティマネジメントマネージャー
吉村 友之(よしむら ともゆき)さん

常に設備を整えた状態で来館者を迎える。

当社では施設全体の維持管理と、まちライブラリー・カフェの運営を管轄しています。日頃からSPC内の各事業者とコミュニケーションを取り、協力して業務にあたっています。

東大阪市文化創造館では様々な公演が行われており、訪れる人はその日をとても楽しみにして来ています。1年前からチケットを買っていたり、自分が発表するために練習をしてきたり、当日までに積み上げてきた時間と思いがある。そうした大切な一日を安心して楽しんでもらうため、維持管理では故障後に修理するのではなく、定期点検や早めの部品交換による“予防保全”を徹底しています。楽しみに訪れる人のため、演者に最高のパフォーマンスを発揮してもらうため、公演時も舞台スタッフと声をかけ合い、チーム一丸で心地よい環境を整えています。

また、最初に目に入る屋外の管理も大切です。施設の前には広場があり、訪れた人は最初にそこを通って入館する設計になっています。シンボルツリーのクスノキや芝生を背景に写真を撮る人も多いので、日頃から細やかな手入れや点検を重ね、きれいな状態を保てるように植栽管理をしています。

気軽に利用でき、交流が広がる場をつくる。

まちライブラリーの導入は、当社から提案しました。同館の基本方針の一つに“人とまちと文化を結ぶ交差点”という内容があります。市民が本を持ち寄って自分たちで図書館を育てていく仕組みがぴったりだと考えました。本にはメッセージカードが入っていて、寄贈した人や読んだ人がコメントを書けるようになっています。空だった本棚は寄贈された本でいっぱいになり、本を通じた交流が広がっているようです。

また、絵本の読み聞かせなど市民主体のイベントも開催され、人がつながる場としても成長しています。カフェも併設しているので、ふらりと立ち寄って本を読んだり、待ち合わせをしたり、色々な形で利用されていますね。ライブラリーとカフェは、幅広い年齢層の方たちが気軽に来館するきっかけになっていると思います。これからも皆さんに気持ちよく過ごしてもらえるように、維持管理と運営に努めていきたいです。

▲(左)植栽/通りには丁寧に整えられた木が並ぶ。(中央)まちライブラリー/天井近くまで寄贈本でいっぱいに。(右)カフェ/開放的な空間で本格的な石窯ピザが味わえる。

全国のPPP(※3)事業を幅広く担う東急コミュニティーの総合力

※3 PPP=Public Private Partnership(公共施設の建設、維持管理、運営などを官民連携で行うこと)

CHECK!官民連携のパートナーとして活動

文化施設や大型スポーツ施設などの公共施設の管理で培った実績とノウハウを活かし、顧客視点に立った運営力を強みに全国で事業を展開している同社。「国土交通省PPPパートナー」として、PPP/PFIに関するセミナー開催や相談対応なども随時行っている。

管理実績

PFI事業:40件
ビル・その他指定管理者物件:59件
住宅系指定管理者物件:約28万戸

※令和8年4月1日時点 東急コミュニティー調べ

お問い合わせ

サービス提供元株式会社東急コミュニティー

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TEL:03-5717-1083
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