空き家対策をまちづくりへ!
高齢化や人口減少が進み、全国的に深刻化する空き家問題。総務省統計局が平成31年に発表した「平成30年住宅・土地統計調査」では、総住宅数6,242万戸のうち居住世帯のない住宅が876万戸と過去最高を記録した。そんな中、猫の手も借りたい空き家対策の救世主となる新たなサービスが動き出している。
※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]空き家活用株式会社
調査実績14万件!空き家対策の第一歩はここから。
空き家対策の第一歩は、空き家の所有者を特定することからである。
平成30年度「国土交通省地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業者」に選定された空き家活用データシステム「AKIDAS(以下、アキダス)」は、その一助を担うサービスだ。
現在調査実績は全国約14万件。個人所有の空き家物件を3万5千件以上掲載し、全国約180の不動産事業者がサービスを活用しているという。この莫大なデータ収集をしているのが、物件1件1件を徒歩、または自転車でまわっている調査員だ。各地域で採用された調査員は、タブレット端末で空き家の写真を撮影し、物件の状態などの情報も含めてデータベース化。これに所有者情報(登記簿情報)を加えることで、所有者と直接コンタクトが取ることができるようになる。
このシステムを運営する空き家活用株式会社は、アキダスをベースとした自治体向けサービスをこの夏新たにスタートする。
新サービス「空き家対策フルサポート」誕生の訳とは。
新サービス誕生のきっかけは、令和元年にある自治体からの依頼で開催した住民(所有者)向けの空き家活用セミナーだった。
「30名限定のセミナーが満員。セミナーを通じて所有者側の関心の高さが伺えました。それなのになぜ全国で空き家は増える一方なのか。それは、自治体も所有者も『どうしたらいいかわからない』が本音なのではないか?だから様々な施策が“点”になりがちで、うまくいかないのではないか?と仮説を立てました。そして、それであればアキダスで培ったノウハウを活かして、将来的なまちづくりまでを見越した“線”の空き家対策を、我々がサポートさせていただけるのではないかと考えたのです」と和田さん。
まずは仮説を実証すべく関東エリアの220自治体へアンケートを実施。すると仮説通り3つの問題が浮き上がった。「人手が足りていない」「解決方法がわからない」「予算がない」。
これをまとめて解決すべく、空き家の実態調査から利活用推進・未然防止まで一気通貫でサポートする自治体向け空き家問題解決サービス「空き家対策フルサポート」を考案した。
空き家の実態を調査する様子。直感的な操作のみで情報登録ができ、タブレット端末を使い慣れない高齢者でも簡単に調査できるように工夫している。
空き家にさせないまちを目指し自治体とともに二人三脚。
サービスの概要はこうだ。まず、各地域で採用した土地勘のある調査員が空き家の実態調査を実施する。また自治体へは、空き家対策のプロである「チューター(相談員)」を派遣。所有者からの相談対応はもちろんのこと、所有者向けのセミナーや相談会の企画・実施、他課との調整などにも対応しながら、中長期的に担当者をサポートする。最終的には、利活用したい所有者と、物件を探す個人や不動産事業者とをつなぐ、各自治体専用の「マッチングサイト」を立ち上げる。いわゆる空き家バンクとの違いは、登録前の相談から実際のマッチングまで、プロであるチューターや、地域の調査員が所有者のサポートをすること。空き家予備軍の相談にも耳を傾けていくことで、“空き家にさせない”ための未然防止にもつなげる構想だ。まさに空き家問題の入口から出口までをフルサポートするサービスだといえるだろう。
和田さんは「将来的には、空き家対策に関する自治体の自立と地域活性化を目指しています。そのための第一歩はまず“まちの今を正しく理解すること”。慢性的な空き家問題に中長期的に寄り添いながら、空き家を作らないまちづくりをお手伝いしたい」と空き家対策に懸ける思いを熱く語ってくれた。
空き家活用株式会社 代表取締役CEO 和田 貴充さん
空き家対策をトータルサポート!まちづくりを共に加速させます。
空き家対策フルサポートとは
1.空き家の実態を把握
調査員は地域の高齢者を中心に地元で採用。調査は独自開発の空き家調査専用アプリ「アキダスワーカー」を使用。高齢者でも簡単に登録ができる。自治体職員の手間をかけずに実態調査が出来るだけでなく、地域雇用の創出や調査員自身の健康増進、“シビックプライド(市民の誇り)”を持つことにも繋がる。
2.実態に基づき、対策計画を策定
調査結果を受けて、チューター(相談員)を派遣。所有者の相談対応や、他課との調整をサポート。さらに「空き家物件リフォームで使える補助金」「空き家物件の片付け術」など、様々なテーマの所有者向けセミナーを実施するなど、各自治体の状況に合わせた対策、コンテンツづくりを自治体担当者と二人三脚で進めていく。
3.除去・利活用・未然防止に向けた取り組みを実施
単年度ではなく、中長期的に空き家の慢性的な問題と向き合いまちづくりを応援。空き家所有者や物件を求める地元企業・個人とのマッチングサービスも提供する。
こんな自治体にオススメです
●他業務で忙しく、空き家対策に手が回らない
●具体的に何から始めればいいかわからない
●財政的余裕がないので、国の交付金・助成金を活用したい
●空き家問題解決を地域経済活性化につなげたい
●対策計画は立てたが、そこで止まっている
CHECK
自治体調査レポートを公開中!
ご予算や地域の実状に合わせてご提案いたします。「実態調査だけ」「セミナーだけ」といったご提案も可能です。「まずは調査レポートを見てみたい」という自治体様も、ぜひお気軽にお問い合わせください。