ジチタイワークス

神奈川県

将来の活用拡大も見据えつつ、コストを抑えたガバクラ接続サービス。

クラウド接続サービス

ガバメントクラウド(以下、ガバクラ)への移行が目前に迫ってきた。目標である令和7年度中の対応に向けて各自治体が模索を続ける中、神奈川県は既存の県域WANを活かしつつ、県も市町村もメリットのある独自の接続体制を構築中だという。

※下記はジチタイワークスVol.32(2024年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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ガバクラ接続の検討段階で浮上した“コストの大きな壁”。

ガバクラ移行の動きを始める中で、「どのような接続方法を採用するかが悩ましい部分でした」と石毛さんは振り返る。「当初はデジタル庁の接続サービスを検討していましたが、費用をヒアリングしたところ、県だけでなく市町村にも非常に大きな負担がかかることが判明したのです」。次に検討したのは“次期LGWAN”での接続だった。しかし、ここでも課題が浮上したという。「次期LGWAN経由でガバクラに接続する場合、回線や設備を増強する必要があります。費用だけでなく、作業面でも大きなコストがかかることが分かりました」。こうしたコストを回避したいと考える中で、「県域WAN※1から直接ガバクラに接続できるのではないかと考えたのです」。

同県では、以前から県域WANを活用している。市町村は県域WANを経由して“神奈川県セキュリティクラウド”へ接続し、回線コストを抑えてきた。すでに構築されている県域WANを活かした上で、県や市町村のコスト負担を抑え、より高度な活用ができないか。同県は、独自の接続方法による解決を目指して手探りで動きはじめた。

※1 WAN=Wide Area Network(広域・閉域の情報通信網)

県域WANをそのまま活かし、コストを抑えたガバクラ接続へ。

県域WANをガバクラ接続に活用するため、神奈川県セキュリティクラウドの全体管理を担い、県域WANの設計・保守管理を担当する「ネットワンシステムズ」の協力を仰ぐことに。同社の理解を得ながら、二人三脚での模索が始まったという。

まずは、市町村がどのくらいの帯域を必要としているのか把握しなくてはならない。同社は市町村へ出向いてヒアリングを行いつつ、県とともに市町村との連絡会議を何度も開催し、状況把握や意見収集を進めた。同時に、回線事業者への交渉なども実施。こうした動きの中で塚田さんは、「通信キャリアの提供する接続サービスは、ガバクラへアクセスする回線までが一体となっていますが(左下図参照)、“クラウド接続サービス”のみを契約し、県域WANを組み合わせることができると知ったのです。回線事業者ではなく、クラウド接続サービスの事業者に依頼すれば、コストを抑えられる可能性があると考えました。そこで注目したのが、『アット東京』が手がける『ATBeX※2(アットベックス)』でした」。

県域WANとATBeXをつなげば、既存の環境を大きく変更することなくガバクラ接続が可能になる。また、高速・大容量の回線を県と市町村が共同で使うことでコストも下げられる(下図参照)。「ネットワンシステムズと調査を進めた結果、コストは当初検討していた接続方法よりも大幅に低減できると分かりました」。こうして、同県ではATBeXによるクラウド接続を採用することに決定した。

※2 アット東京のデータセンター間、および提携データセンター間で、複数の顧客ネットワーク間接続を提供するネットワークサービスプラットフォーム。


 

1.接続方法の工夫でコスト減

拠点接続とクラウド接続の方法を分けることで、既存の県域WANをそのまま活用でき、コストを抑えている。

2.複数のクラウドに接続可能

国が認定したガバクラサービス提供各社に接続可能。市町村は回線を増設せずとも活用したいサービスを自由に選択できる。

3.将来的なニーズに備える

ガバクラ以外のクラウドや、そのほか様々なサービスに接続でき、将来的なクラウド活用のニーズに備えることができる。

 

県市町村のクラウド活用拡大も見据えた接続方式を実現。

令和6年度中の運用開始に向けて、準備段階にある同県。宮内さんは、接続方法を検討する中で開催した、県域WANをもつ他県との意見交換会での印象を振り返る。「クラウドへの接続は“大手通信キャリアに相談するしかない”という意見が多い印象でした。しかし、当県のような方法も選択肢として念頭に置いてもらいたいですね」。

既存のインフラを活用し、“速く・安く・便利に”の実現を目指す同県の取り組み。塚田さんは今後の展望について以下のように語ってくれた。「オンプレ型では実現が難しかったサービスが、クラウド型では可能になるなど、自治体でのクラウド利用は今後もっと増えていくはずです。また、このクラウド接続サービスは、ガバクラだけでなくほかのクラウドや様々なサービスに接続することもできるため、当県では現在、『Microsoft Peering※3』による閉域接続で『Microsoft 365』の導入も進めています。低コストの上、広帯域で安定的な回線を活用し、今後も多様な業務へ向けて、利用拡大を進めたいと考えています」。

※3 Microsoft 365などMicrosoftの各サービスと顧客ネットワークとの間を閉域回線で接続するサービス。

左から
神奈川県
総務局 デジタル戦略本部室
情報セキュリティグループ
グループリーダー 石毛 晴夫(いしげ はるお)さん
副主幹 宮内 泰彦(みやうち やすひこ)さん
ネットワークグループ副技幹 塚田 剛文(つかだ たけふみ)さん

各地域で自治体を応援

全国にATBeXの接続ポイントを展開

自治体は最寄りの拠点を使うことで回線敷設コストや通信速度の遅延を防ぐことができる。令和6年4月時点で13カ所の拠点があり、現在も順次拡大中だ。またATBeXなら、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、IBM Cloudなどのメガクラウドをはじめ、8つのクラウドサービスに接続可能(令和6年4月8日時点)。

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