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「市橋さんの何かが人を引きつけていて、すごい大物だと感じました。」【地方公務員アワード】受賞者&推薦者インタビュー

2024年で第8回目を迎える「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」。株式会社ホルグが主催し、地方公務員が、全国のすごい職員を推薦して受賞者が決まるアワードです。

2023年のアワードでは、過去最高148件の推薦があり、2024年もいよいよ推薦募集がスタートしました。そこでジチタイワークスでは、昨年実際に推薦文を応募した方にクローズアップ。受賞者とは元々どのような関係だったのか?どんなきっかけで推薦することになったのか。そこには様々なストーリーがありました。

さらには、推薦文を書くときに気をつけたことはあるのか?など、そのコツを聞いてみました。今年は、ぜひ皆さんが身近にいるすごい人を推薦してみませんか。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

本当にすごいと思う人を推薦する >

『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024』開催のお知らせページにリンクします

 

市橋 哲順(あきのぶ)さん地方公務員アワード2023で受賞!
市橋 哲順(あきのぶ)さん

新潟県 福祉保健部 地域医療政策課 政策企画員

商社不要論が叫ばれていた学生時代(2000年頃)、大手総合商社が「商社が持つネットワークを駆使してコンテンツを掛け合わせれば、新しい価値が提供できる」という触れ込みを見て、総合商社を志望。しかし、「農業あり、教育あり、福祉あり、県庁も総合商社だ!それらを掛け合わせれば新しい価値が創造できるかもしれない!」と思い立ち、2004年に新潟県庁へ入庁。入庁後、金融、農業、がん検診受診率向上、電通出向、魚沼基幹病院立ち上げ、空港関係を経て、2021年から地域医療政策に携わり、各分野での知見を活かして仕事を進める。最近では特命事項も多く、行政ならではの事務分掌にとらわれることなく、組織横断で様々な課題解決に取り組む。プライベートでは、NPO法人の理事も務める。 

 

神田 健史(たけふみ)さん推薦者
神田 健史
(たけふみ)さん

新潟県福祉保健部 福祉保健総務課 参与

新潟県福祉保健総務課で医療政策担当参与として勤務する医師。医学部卒業後主に佐渡島内でへき地医療に従事。その後大学医学部で地域医療や総合診療の教育・研究を行った後、2015年に新潟県庁に入庁し現在に至る。入庁2年後には新潟市内でクリニックを開業するも、県の医療政策全般に関わる県庁職は継続し、特に地域医療に従事する医師・医学生のサポートを行う地域医療支援センター長は10年目となる。

 

―受賞理由となった、取り組みの概要を教えてください。

市橋: まずは、コロナ禍で大規模ワクチン接種を4週間で立ち上げて、多くの人に接種できたこと。

次に、新潟県には医師が少ないので、研修医を増やすために「イノベーター育成臨床研修コース」を構築したこと。

それから、佐渡の医療再編を3カ月で行ったことを評価いただきました。どの仕事も当初アサインされたものではなく、全て特命事項です。自主的に火中の栗を拾いに行ったようなところがあります(笑)。

市橋さんの取り組み

市橋さんが中心となって実施した大規模ワクチン接種

 

―市橋さんと神田さんの関係を教えてください。

神田: 私は医師で、福祉保健部で横断的に医療に関するアドバイスをしています。市橋さんとは同じ部署に所属したことはないのですが、コロナ対応でワクチン接種に関する応援を頼んだ際、手を挙げて来てくれたのが市橋さんでした。

その後、いくつかの取り組みを一緒にしていて、プライベートでもよく飲みに行くほど仲良くしています。

 

―市橋さんを推薦しようと思ったきっかけを教えてください。

神田: コロナワクチン大規模接種の事業にあたり、医師としては県民にワクチンを打たなければと思っていましたが、前例のないことで新潟県も他県も尻込みする状況で、自分が引っ張っていかなければいけないという気持ちでした。

しかし、市橋さんがプロジェクトの中心を担うことになり、非常に優秀で、この人がいればやれると思えました。説明が理路整然としていてスマートですし、ワクチン接種には色々な人が動かなければならない中、ミーティングなどで人をまとめる力がすごい。物事を整理するスキルだけでなく、相手をよく見ていて、言葉一つひとつから引っ張るスキルがある。

この人の何かが人を引きつけていて、すごい大物だと感じました。

その後、公務員アワードの話を小耳に挟み、「地方公務員がすごいと思う地方公務員」、それは市橋さんしかいないと思いました。私は県庁に来て10年になり、県庁には勉強してスキルが高い人はいっぱいいると感じます。

けれど、市橋さんのように人を動かす力がある人はめったにいませんから、自信を持って推薦することにしました。

市橋: 神田先生から推薦のお話をいただき、ただただありがたく思いました。やるからにはきちんとやるのが神田先生のスタイルで、恐縮しました。

神田: そうなんです、アワードの過去の受賞者の動画を全部見て、推薦文も全部読んだ上で、推薦文を書きました。

人に評価していただけることは本人にとって誇りになりますし、対外的に認められれば新潟県にとってもいい。どうせ推薦するなら受賞してほしいと、ワクワクしながら取り組みました。

市橋さんがプロジェクトの中心を担う

部署は違うが、同じ施策に取り組むことが多い市橋さんと神田さん。

 

―推薦文を書く際に気をつけたのはどんなことでしょうか。

神田: 「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」という名前がよく練られていて、ここにヒントがあると思いました。

難しい事業を成し遂げたことがすごいと思うのだけど、このアワードは事業の話ではなく、その人がどうすごいのか、私がどうすごいと感じているかをアピールすることが大事だと捉えました。

ですから、市橋さんがどういう人なのかに迫るように、それが伝わるように気をつけて書きました。私が市橋さんをすごいと思う源は何か…スタートは情熱であり、人のためになろうという気持ちで、それがにじみ出るように書いたつもりです。

 

―普段から書くことが好きなのですか。

神田: 特に好きということはないけれど、仕事柄、依頼されて書く機会はたくさんあります。

今回は、どんなキーワードやフレーズがいいかを書き出して、市橋さんにも話を聞いて、2時間くらいで書き上げました。アワードが取れるように戦略を考え、思いの丈を言葉にして、むしろ800字に収めるのに苦労しました。

普段、仕事で書く文章は間違いがないように正確に記述することを念頭に置いていますが、今回は市橋さんのすごさを伝えたい一心でした。本来は行政も伝わることを意識して書いた方がいいと思いました。

 

―受賞されたことで何か変化がありましたか。

市橋: 新聞に掲載されて、めちゃくちゃ電話をいただき、父や母のところにも電話がかかってきたそうです。父は先月亡くなったのですが、アワードを取ったことをすごく喜んでくれて。「あいつはいつも仕事ばかり」と思っていただろうけど、家族が私の仕事のひとつの形を認識してくれる機会になりました。

今、医療再編の事業をやっているのですが、アワードのことを知ってくれた人の中には、この事業もそういう思いでやっていると認識してくださる方もいました。

医師会報にも載せてもらい、多くの人に本気で新潟県を良くしようという思いを分かってもらえて良かったです。また、県を挙げてみんなでやったことが評価されたことがうれしく、県も本気であることを伝えられたと思います。

神田: 市橋さんの受賞を県庁のみんなで喜びました。市橋さんを誇りに思うと同時に、自分たちの成果だと思えて、みんなに宣伝しまくりました。どんどんお祭りが広がっていく感じで、さらに頑張ろうとモチベーションも上がりました。

市橋: 推薦していただき受賞できたことで、私も何か恩返ししなければと考えました。大規模ワクチン接種やイノベーター育成臨床研修コースイノベーターを多くの人に知ってもらい、県の仕事が楽しいことを授賞式の壇上でアピールすることで、少しでも採用につながり、恩返しできればという思いでした。

 

―今年は「NEXT HOPE賞」という30歳以下を対象にした新しい枠があります。改めて地方公務員アワードに期待することや、こんな人に受賞してほしいという思いがあれば教えてください。

神田: 医師の世界から県庁に来て10年経ち、県庁の人はすごく優秀だと思っています。頭が良く、色々な仕事ができるし、「人のためになりたい」という思いで入庁していて、それが原動力になっている。

純粋に人のためになりたいと思い続けている人がいっぱいいて、そんな情熱を持っている人に受賞してほしいですね。そして、情熱があればどんな課に所属していても何でもできると示せる賞であってほしいと思います。

市橋: 地方自治体では若手が辞めてしまうことが問題になっています。新潟県庁では、国からの出向者である部長が若手にチャンスを与えてくれたことで、雰囲気がガラッと変わりました。

地方公務員は、20代で裁量のある仕事をアサインされる機会は少ないので、面白みを感じにくいのかもしれません。でも、私は行政の仕事を面白いものであると思っていて、自分で面白さを見出だせば結果がついてくるものだと思っています。

せっかくドアをノックして入ってきた行政の仕事を楽しみ、認められれば新たな仕事が舞い込んでくる。結果に執着する人に受賞してほしいし、NEXT HOPE賞がその登竜門になったらいいですね。

 


 

「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024」推薦募集中!

地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード

【開催概要】
1)応募受付期間(締め切り)
  2024年7月7日(日)まで

2)応募・推薦方法
  自薦ではなく“他薦”であること!自身ではなく、周囲の人が推薦文を投稿する方式。
  頑張る職員に光を当て、応援するのがねらいです。

『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024』開催のお知らせページにリンクします

3)結果発表等

・2024年8月中旬に、『Heroes of Local Government』 にて掲載
・2024年10月13日(日)に表彰式開催予定(変更可能性有)

 

▼2023年表彰式の様子

 

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