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【セミナーレポート】なぜやる?どうやる?自治体まるごとデジタル化 ~人口約5,000人の村がまるごとデジタル化するワケ~

不可逆的に進む超高齢化と人口減少。住みやすい自治社会の維持や行政サービスを発展させる上で、デジタル化への取り組みは、もはや避けて通れない自治体の使命と言えるでしょう。この課題に対し高知県中部にある日高村は、「村まるごとデジタル化」と銘打った事業に真正面から取り組んでいます。令和元年8月には、同村をサポートするKDDI社、チェンジ社との3者で、「(一社)まるごとデジタル」を設立。全国の自治体が抱えるデジタル化の課題に寄り添い、解消に向けて動き出しました。

本セミナーでは、これまでの取り組みから得た知見をトークセッション形式で紹介。デジタル化における課題と、それを解決する手段、具体的なプロセスや事業資金、住民理解、役場内の合意形成など、最前線の声をお届けします。

<概要>

■テーマ:なぜやる?どうやる?自治体まるごとデジタル化  ~人口約5,000人の村がまるごとデジタル化するワケ~
■実施日:2024年3月8日(金)
■参加対象:自治体職員
■申込者数:97人
■プログラム
Program1
『誰ひとり取り残さないデジタル社会』実現のために、自治体ができること
Program2
<トークセッション>
テーマ① なぜ日高村という小さな村でデジタル化が必要だったのか。
テーマ② 住民や役場の人々を巻き込む秘訣とは!?
テーマ③ 一般社団法人まるごとデジタルの実態に迫る!
Program3
賛助会員から見た一般社団法人参画のメリットとは?

<Program1>『誰ひとり取り残さないデジタル社会』実現のために、自治体ができること

【講師】高知県日高村 企画課
主幹 安岡 周総 氏

講師プロフィール

高知県日高村出身。大学卒業後は神戸で就職するも、「地元に貢献したい」という想いから、出身地の日高村職員として転職し、企画課にて大活躍中。「村まるごとデジタル化」事業発起人の1人。


人口約5,000人の日高村。山あいに位置する、高齢化比率の高い小規模自治体ながら、スマホの普及率は80%と全国トップレベルで、村内の各住戸には光回線も敷設されている。そうしたインターネットインフラを活用し、村が抱える社会課題の解決や住民生活の質向上を実現するため、「村まるごとデジタル化」事業を推進。取り組み内容について、安岡氏が解説する。

「村まるごとデジタル化事業」の概要と背景

当村の場合、2045年頃までに人口が現在の約半分の2,451人となると予想されており、行政サービスを維持継続するための人とカネとが絶対的に足りなくなります。業務効率化や費用削減を進めるためにはデジタル化が必要であることから、国内で初めて「スマートフォン普及率100%を目指す」という自治体宣言を行いました。

目的はスマホ普及ではなく、住民のエンパワーメントです。従来、地域社会を維持してきた「公助力」、「共助力」、「自助力」のバランスを再構築するために何が必要か考えたとき、自助力を上げて「自分でもできる」という自信を持ってもらおう、そのためにスマホの普及と活用を推進することにしたわけです。

当然、デジタル・デバイド層の問題が出てくるので、スマホを持たない住民に理由を調査しました。結果、「(1)必要ない」、「(2)使い方が分からない」、「(3)価格が高い」という理由が多く挙げられました。このうち(2)は、総務省が推進しているデジタル活用支援講座などで対応できるとして、(1)、(3)については複数の支援事業が同時に必要だと考え、改めて「村まるごとデジタル化事業」の包括的協議を開始し、翌年6月から事業を開始しました。

事業成果と「(一社)まるごとデジタル」について

スマホ普及率とアクティブ率100%を目指すには、「使う理由」を創出しなければなりません。行政手続きの電子申請はもちろん、当県においては南海トラフ地震への警戒感も高まっているので、やはり防災系での活用は重要です。また、コロナ禍の時期のような保健系、さらに地域通貨と健康ポイントの活用などを通じて、行政サービスの充実とスマホ購入代金の一部補助が可能になります。詳細は以下図の通りです。

こうした取り組みの結果、令和5年10月の調査ではスマホの普及率が実質92.7%となり、村推奨アプリの利用推定人口も下記図の状況になりました。

デジタル・デバイドは、もはや「解決可能な社会課題」だと思われます。住民が主役になるための適切な支援を、どれだけ構築することができるかがポイントだと思っています。当村では、健康アプリ「まるけん」の普及を中心に、下記の様なコンソーシアムでデジタル・デバイド解消に取り組みました。

これらの取り組みを社会還元するためには、単なる模倣ではなく各自治体の状況に合わせた「創造的な適応」が必要だと思われます。それを実践するため、昨年8月に「(一社)まるごとデジタル」を設立しました。設立時、7自治体にご尽力いただき、本年1月時点で全国15自治体が、賛助会員として参画。定例ミーティングで情報交換したり、LoGoチャットを活用し、かなり細かい情報共有を行ったりしています。今後も、取り組みをともにする仲間を増やしていく計画です。

<Program2>【トークセッション】

【講師】

江幡氏プロフィール

平成5年、第二電電(現KDDI)入社。平成22年にポータルビジネス部長となり、パートナーとのビジネス展開を開始。以後、戦略推進部長としてベンチャー企業との連携を推進し、平成30年mediba代表取締役就任。令和4年、KDDI経営戦略本部副本部長兼地方創生推進部長に就任。

 

﨑田氏プロフィール

宮崎県庁、厚生労働省を経て、平成25年4月に33歳で日南市長に就任。「日本一組みやすい自治体」をキャッチコピーに掲げ、民間人の登用や官民連携を積極的に実行し、その手腕は全国から注目を集めた。2期8年を務め、退任後は株式会社飫肥社中の代表取締役に就任。令和4年11月、(一社)Data for Social Transformationを立ち上げ、常務理事に就任。全国を舞台に活動を展開中。


「誰一人取り残されないデジタル社会」を実現する上で、大きな障壁となっているデジタル・デバイド問題。日高村が取り組む「村まるごとデジタル化」事業は、この課題を解決するための大きな足掛かりとなっている。取り組みの背景や自治体における泥臭い実態など、セミナー視聴者にとって気になるであろう疑問・質問を3テーマに分け、﨑田氏がファシリテーターとして安岡氏、江幡氏に投げかける。

<テーマ1>なぜ日高村という小さな村でデジタル化が必要だったのか

小さいところから始めて周囲の理解を得ることが重要

﨑田:「デジタルが苦手な住民にどのようにアプローチするのか、デジタル化に賛同しない議員をどう説得するのか」という質問が届いています。

安岡:「デジタルが苦手な人」という話題になると、必ず「高齢者」という枕ことばが付きますよね。当村の場合は、スクール形式の教え方ではなく「スマホよろず相談所」的な個別対応を行ったり、デジ活事業を活用し、お笑い芸人に講師になっていただき、説明してもらったりしました。それぞれの人に合う形まで配慮した行政サービスの設計が必要なのではないでしょうか。

﨑田:色々なアプローチを実践されたということですね。購入費の支援についても質問が来ています。

安岡:購入助成に関しては、地域通貨のポイントで還元する形にして、ランニングコストも健康アプリと組み合わせて助成しています。行動経済学の損失回避の原理から言って、もらうだけではダメで、アクションを起こさないと損をする状況にしなければ行動は起きません。機器レンタルに関しては、KDDIさんの心意気で提供いただいております。

﨑田:「DX課の事業予算を捻出するためにはどうすれば良いか」という質問が来ています。これは、私もたびたび受ける相談なのですが、いかがですか。

安岡:デジタル関連の交付金があるから、色々なオンラインサービスをどんどん導入する事例を見かけますが、ひと昔前の“ハコ物行政”と本質的に変わっていないと感じます。だから当村は、企業版ふるさと納税を活用して資金を捻出し、スマホの事業を行いました。前例がない状況で始めたので、説明を尽くしても通常の予算を使うことに納得いただけないと思ったからです。

﨑田:なるほど、まず小さく始める、もしくは別のところから予算を持ってきて、周囲の理解を得てから進めることが大事ですね。そして、DXを進めることによってどんなメリットがあるかということを、役所内部で明示することも重要です。

安岡:その通りです。当村の健康アプリを例に挙げれば、医療費の抑制効果が高いと考え、推計2,700万円まで数字を出しているのですが、机上の空論と言われたらそれまでです。やはり、説明責任を果たしてからデジタル化を進めなければ、成果も出ません。

住民の成長に合わせて「次に何ができるか」を考える

﨑田:デジタルの良さとして、「双方向性」があると思いますが、日高村さんの現状はいかがでしょうか。

安岡:役場側が一方的に「双方向でやりとりできます」と伝えても、それを住民側が、「自分たちはそれに対してアクションできるのか?」と感じたら、それより先に進みません。住民の皆さんの成長に合わせて、一緒にやっていくべき部分だと私は思っているので、今のところ、双方向性が完全に実装できているわけではありません。

﨑田:本日3つ目のテーマとなる「(一社)まるごとデジタル」に、企業として参画しておられる江幡さんの意見も聞かせてください。

江幡:日高村との取り組みは、安岡さんの「どういうふうにしていきたい」というビジョンがある。そして、「あとはよろしく」と丸投げされるのではなく、自らがリードする形で一緒に動ける関係で活動できている点が非常に大きいし、そうでなければ我々も深入りしなかったのではないかと思います。

﨑田:役場がポリシーとビジョンを持って、「こういうことをやりましょう」と提案するからこそ、KDDIさん側も、社内のリソースを注ぎ込めるのでしょうね。ところで、「スマホ普及率のアンケート調査を紙媒体で行ったのはなぜですか」という質問が来ています。

安岡:ひと言で言うと「感情論」ですね。オンラインだけで調査して、その回答結果が統計学上問題のない数字だったとしても、「回答を勝手に編集しているのではないか?」と言われてしまいます。議会対応の際にも、議員のまわりでスマホを持っていない方が数人いて、「持っていない人も多いはず」などと言われたとき、紙があった方が理解させやすいですから。また、オンラインの調査ですとデジタル機器を使っていらっしゃらない住民の声は届かないので。あえて紙にしました。

<テーマ2>住民や役場の人々を巻き込む秘訣とは!?

「どう便利なのか」を知ることで行動につながる

﨑田:自治体の取り組みに住民を巻き込む秘訣と、それによってどのような変化があったのかを教えてください。

安岡:自治体業務に協力的な民生委員さんをはじめ、地域内にはお節介を焼いてくださる方が結構いらっしゃって、その方々にお願いしてまわっています。以前、「紹介カードキャンペーン」を実施し、役場の方から情報発信したのですが、いわゆるデジタル・デバイドの方々には情報が届かないし、届いたとしても信用してもらえない。その点、お節介を焼いてくださる方にお伝えすると、スムーズに情報が広まりました。

﨑田:なるほど、アナログのオピニオンリーダー、アナログのインフルエンサーを巻き込んでいくわけですね。江幡さんは色々な自治体を見られて、そうした事例はありますか。

江幡:スマホ教室を例に挙げると、3年ほど前までは高齢の方を対象に操作法中心で教えるのが一般的でしたが、日高村さんのような、地域通貨とウォーキングアプリのセットでの活用など「日常に溶け込む」使い方を教えるように変化しています。最近ですと、全日空さんと組んで空港でスマホ教室を実施しました。旅のチケット予約から搭乗までスマホ1つでやれることを体験する教室を行ったりしています。

﨑田:デジタルは便利だと言われるけど、どう便利なのか体験しないと使う気になれない。健康に良いと分かっていても、おいしくなければ食べたくならないのと同じですね。

正確な情報を伝えることで「気づき」を与える

﨑田:先ほどの安岡さんの講演で、スマホを持たない理由の第一位が「必要ない」ということでしたが、住民の気持ちをどのように変えたのですか。

安岡:正確に言うと、「ガラケーで事足りているから必要ない」という、現状維持バイアスが非常に強くかかっている方が多いということです。今、使っているのだから、数年経っても無くならないと思っておられるのですが、正確な情報をキャッチできてないから世の中の認識とズレている。そこで本音が聞けるように、私1人が自治会単位で説明にまわるようにしました。デジタル化を進めるために、かなり泥臭いアナログな話をひたすら繰り返したということです。

﨑田:そうした取り組みを通じて、住民の方々のライフスタイルは具体的にどのように変化しましたか。

安岡:自治会活動も担い手が減っている影響で、「回覧板をまわすのが面倒」といった課題が発生しています。取り組み当初、KDDIさんと一緒に自治会や全体向けの説明会を行ったのですが、LINEでグループをつくって回覧板をまわすようにしてはどうかと提案したものの、そのときには何にも起こりませんでした。しかし3年目になって、LINEを活用したいので来てくれという連絡が、自治会側から役場に入り、その関連の連絡が最近増えています。人に強制されるのは誰もが嫌がりますが、実際にLINEを使ってみて、使えるのではないかという気づきがあって、そこから行動に移るのだと思います。

﨑田:重要なのはそこですよね。江幡さんは、ほかの自治体で感じたことなどはありませんか。

江幡:全国約1,800の自治体全てに通信会社の店舗があるというわけではないのが、私たち側の課題ですね。店舗がある地域はスマホ教室なども行いやすいのですが、そうでない地域では、結果的に住民が取り残されやすくなります。スマホ教室開催には国が補助金などをつけていますが、なぜスマホが必要か、どのように活用したら住民の生活がアップデートされるのかといった内容まで踏み込まないと、実施する意味がありません。これは、自治体だけの問題ではないと思っています。

<テーマ3>一般社団法人まるごとデジタルの実態に迫る!

まねできる部分はまねをしながらオリジナルをつくる

﨑田:「(一社)まるごとデジタル」はどういった役割を果たしているのか、江幡さん目線ではどうお考えですか。

江幡:多くの自治体が、日高村さんを視察に訪れているので、課題を共有して活動実態を見てもらうことが役割の1つと言えるでしょう。まねできることはまねしながら、各自治体のオリジナルのやり方を考えることができれば良いと思います。自治体と企業をうまく結び付けるのも、社団法人としての役割ですね。企業が多く入ると、どうしても営業色が強くなってくるので、自治体の想いに賛同する形で伴走できる形が理想です。

安岡:やはり、自治体同士や企業の方々と情報交換できるのが1番のメリットですね。私は、自治体が現状を維持できるのは残り10年くらいだと予想しています。時間がないから、もうすでにやっていることを共有してシェアした方が早いし、当村は、それを体験できて「形」にできる場所だと思っています。

﨑田:そういった意味でも、自治体と民間企業とがどう組むかは重要ですね。企業側の提案やアイデアを“良いね”と感じつつ、信じても良いのか、他社と比較するとどうなのかなど、色々と考えてしまうのが行政側の心理ですから。

江幡:特定の企業が「システムを入れたので、これで引き上げます。今後、毎月これだけ頂きます」みたいな形ではなく、地域にとってプラスになっていることを一緒に見ていく取り組みが必要です。私自身もKDDIの社員でありながら、売り上げを追求する部門ではないので、自治体やほかの参画企業と同じ志で関わっていられると思っています。

安岡:この団体を設立する際、ドコモさんやソフトバンクさんにも声をかけたのですが、「これは社会課題として取り組んでいかねばなりません」と、最初に手を挙げてくれたのがKDDIさんでした。色々な自治体がキャリア事業者と組んで様々なアクションを行っていますが、1つの場所でみんなが協調しながら課題解決するのが、健全な姿だと思っています。KDDIさんに限らずほかの賛助会員さんも、団体の共通価値観を理解してもらっていることを、確認しながらやっているところです。

﨑田:そこはまさにトライ&エラーでもありますよね。完全に安全な道はないものの、色々な企業と組むことで経験が積めるし、企業との組み方のノウハウを役場内で蓄積することもできます。

江幡:そうですね、目先に明確な課題があって、それを解決しさえすれば良いということなら、お金をかけてやれば良いという方向になってしまいます。そうではなく、長く情報を収集しながら取り組んでいくべきだと考えています。

変化の速度が速いからこそアンテナを立て続けるべき

安岡:職員の異動があるじゃないですか。新しいことをやろうとすると、「担当者が異動したらどうするんだ」という職員もいますが、社団法人として活動することで、部署間の異動はあまり問題にならなくなります。これから先、あらゆる業務とデジタルとが切り離せなくなるので、異動しても自分自身の成長にとってメリットがあるはずです。

﨑田:デジタル技術は進化が非常に速いので、今、最先端で常識になりつつあることが、3年後には変わっている可能性があります。だからこそ自治体側も、アンテナを立てつづけて対応することが重要で、そういった点でも複数自治体が同様の悩みを共有しながら取り組める場は非常に有意義だと思います。本日のトークセッションについて、安岡さん、江幡さんからも感想をお願いします。

安岡:社会課題と言われているデジタル・デバイドも、やり方によっては軽々と突破できるわけで、こうした動きはさらに加速していくと思います。その中で、私たち人間にできることは限られているのですから、「何か楽しいことをやりましょうよ」くらいの気軽さで、一緒に始められることがまだたくさんあると考えています。

江幡:先ほども言いましたが、システムだけ提供してうちの役割は終わりです、といった関係になるのはすごくイヤなんですよね。自助・公助・共助の関係を考えたとき、やはり地域が“実装力”を担うのが健全だと思いますし、そのための協業は、地域の企業がやるべきだと思います。税金をどんどん地方にばらまく時代は、もうそろそろ終わりになると感じているところです。

<Program3>賛助会員から見た一般社団法人参画のメリットとは?

【講師】

兵庫県たつの市 デジタル戦略推進課
堀 将大 氏

和歌山県白浜町 総務課企画政策係
鎌谷 隆志 氏

小規模な村の独自の取り組みから一般社団法人としての活動に発展した、日高村の「まるごとデジタル」。同様の課題を抱え、解決に向けた方策を検討するメンバーとして活動する、兵庫県の堀氏と和歌山県の鎌谷氏が、賛助会員として参画するメリットを紹介する。

自治体職員がエバンジェリストになれる(兵庫県たつの市 堀氏)

当市が「(一社)まるごとデジタル」に参画するきっかけとなったのは、先進的な取り組みだと感じたこと、ほかの参画自治体や民間企業との情報共有ができること、庁内・外との連携を大切にできることなどです。業務における課題感は自治体ごとに異なりますが、市民の利便性向上や業務効率化など、目指すところは同じです。そこに向けて、民間企業の方々から必要に応じてヒントがもらえる点も、「肝」になっていると考えています。定例ミーティングなどで皆さんと顔を合わせて話すことで、モチベーションもアップします。自治体職員がエバンジェリストとして、市民に魅力を伝えて導く人になれれば、それは素晴らしいことだと思います。

気軽に参画して自身の学びにつながる(和歌山県白浜町 鎌谷氏)

私は企業誘致やワーケーションなどの取り組みを担当しているのですが、IT企業を誘致する際、「ITは道具であり、目的を達成するためにITが必要であれば活用していただきたい」という話を何度も聞いたことがあります。まるごとデジタルの事業も、デジタルデバイドの解消が目的ではなく、住民のエンパワーメントを上げることが本来の目的だという点が心に刺さり、参画することになりました。

デジタル関連課ではありませんが、例えば「書かない窓口」1つ例に挙げても、どういった業務が対象なのかによってやり方が異なるなど、色々な気づきがあります。もちろん、自身の業務にも反映できる部分がおおいにあります。興味をお持ちの自治体職員さんがおられましたら、非常にソフトな部分から入っていけると私自身も感じていますので、ぜひご一緒しましょう。

終わりに

人口減少と超高齢化社会の到来に伴い、デジタルの活用は地域の自助力向上に不可欠です。しかしながら、デジタル弱者も存在し、その解消が喫緊の課題です。

このセミナーでは、日高村の事例に焦点を当て、デジタルデバイド解消の方策をご紹介しましたが、地域ごとに課題は様々です。


今回ご紹介した、一般社団法人まるごとデジタルは、課題に直面する自治体職員皆様の情報交換の場でもあり、新たな施策を考える場でもあります。

是非、気軽に参加してみてください。解決策が見つかるかもしれません。
 

レポート内でご紹介した「一般社団法人まるごとデジタル」詳細HPはこちらよりご覧いただけます。

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