ジチタイワークス

愛知県阿久比町

罹災証明迅速化ソリューションを防災訓練で活用してDXツールの優位性を検証する。

罹災証明迅速化ソリューションを防災訓練で活用した検証事例

令和3年度から住家被害認定調査の訓練を行っている阿久比町。令和5年度は、従来のアナログ手法に加えて、「富士フイルムシステムサービス」のDXソリューションによるデジタル手法も取り入れ、その優位性を確認した。

※下記はジチタイワークスVol.31(2024年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]富士フイルムシステムサービス株式会社

警戒すべき南海トラフ地震において従来の備えでは対応に限界がある。

豪雨災害の頻発化に伴い、各地の自治体が河川氾濫を想定した防災訓練などに力を入れている。平成12年の東海豪雨で、200世帯以上の床上・床下浸水被害が発生した同町も、河川の整備や監視カメラの設置などの対策を進めてきた。その後、平成29年に竣工した新庁舎を“防災のシンボル”に位置付け、高い防災性を確保。災害時にも庁舎機能を維持できるよう体制を整えている。

「従来は水害がメインでしたが、近年は南海トラフ地震への警戒感も高まっており、防災担当部局だけでなく、職員一人ひとりが防災担当という意識をもっています。住家被害認定調査は税務課の担当ですが、実際には調査経験がないため、事前の備えがカギを握ると考えています」と松永さん。令和3年度から住家被害認定調査の訓練を行っているものの、そのやり方はペンや紙を使ったアナログ手法だったという。

そんな中、令和5年度に同社から提案されたのが、「罹災証明迅速化ソリューション」を活用した訓練だ。「南海トラフ地震のような大災害が発生した場合、現在の体制ではとても対応できないでしょう。導入を検討するにあたり、従来のやり方とどれくらい違うのか試してみることになりました」。

アナログ班とデジタル班では調査前・調査中・調査後の各段階で差がついた。

当日は、職員を集めたところで被害想定を発表し、アナログ班とデジタル班に分かれて訓練を行った。「アナログ班は調査に出向く前に筆記用具や調査票、さらには地図などを準備する必要がありました。しかし、デジタル班はタブレットを持てばすぐに出発できます。調査中も、アナログ班が分厚い手引きをめくりながら損壊程度の判定を行っていくのに対し、デジタル班ではタブレットに表示された損壊例を見ながら判定できるため、非常に便利だと感じました」と堤さん。

今回は使用しなかったが、撮影した画像は災害本部とリアルタイムで共有できるため、判断に迷った場合は本部に確認することも可能という。

両者の違いは帰庁後も続き、アナログ班が調査票の内容をもとに表計算ソフトにデータを入力したり、フォルダに撮影画像をアップしたりと忙しく作業する一方で、デジタル班はそういった作業が不要だったという。「このソリューションを活用することで、少ない人員でスピーディに調査を行えると感じました」。

訓練のポイント
●想定外を想定する
緊張感をもって参加してもらうため、事前に被害想定などを伝えずに訓練を実施した。
●アナログとデジタルを比較
持ち物の準備、実際の調査、調査後の書類作成など、迅速性ではデジタルに軍配が!
●リアルさを追求
手順を省略せず、現地到着や作業開始など全て報告。使い慣れない防災無線の練習にも。

想定外の災害に備えるためには、日頃からできる限りの対策を。

「税務課職員は全員、住家被害認定士の資格保持者です。しかし、“実際の災害”を想定したことで、資格を取るだけでなく、忘れないよう訓練することの大切さを感じました。参加した職員からは、“これからも訓練を定期的に行いたい”という声が出ています」と奥山さん。優れたソリューションでも、災害時に活用できなければ意味がない。いざというときにきちんと使えるよう、同社と平時から協力体制を組めないか検討中だという。

「訓練の結果を見て、同ソリューションを導入したいという思いを強くしました。これから予算要求に力を入れていきます。一方で、アナログ手法も同時にブラッシュアップしていく必要性があると感じています」と堤さん。災害に想定外のケースは付きもの。そのときの状況次第で、アナログでもデジタルでも柔軟に動けることが大切だという。実際に、同町では発災時に真っ先に駆けつけた職員がすぐに動けるよう、初動マニュアルや必要な物品をまとめた“ファーストミッションボックス”を用意している。

「令和6年能登半島地震では、被災した石川県志賀町(しかまち)に応援派遣で行ってきました。訓練など、当町の事前の備えが大変有意義なものであったことを実感しています」と語ってくれた。

応援派遣で、能登半島地震の被災現場をまわる堤さん。

左から
愛知県阿久比町 総務部 総務課
課長 松永 隆志(まつなが たかし)さん
課長補佐 兼 固定資産税係長 堤 幸記(つつみ こうき)さん
主事 奥山 直樹(おくやま なおき)さん

申請までの流れをDXで効率化する罹災証明迅速化ソリューション

交付を迅速化
被害調査統合システム

申請受付から調査・交付までを一括管理
進捗を一覧で確認できる。班分けなど調査準備も自動で行い、スムーズな交付をサポート。

判定を公平化
家屋被害判定アプリ

職員ごとに異なる経験やスキルの差をしっかりサポート
損壊例が表示されるため、職員の経験の有無にかかわらず、公平な判定が可能になる。

 

企業担当者の声

富士フイルムシステムサービス
経営統括本部 デジタル戦略推進部 部長
竹中 稔(たけなか みのる)さん

自治体の平時の備えをサポート

「天災は忘れた頃にやってくる」という警句の通り、防災・減災では“平時の備え”が重要です。善通寺市・阿久比町の両自治体は、早くからその重要性に気づき、独自の取り組みを進められています。

当社の「罹災証明迅速化ソリューション」が、万が一の有事に最大限の効果を発揮するためのお手伝いとして、被害認定調査訓練など、平時の取り組みも支援しています。ぜひお気軽にご相談ください。

Digi田甲子園2023 民間企業・団体部門優勝

 

早期の災害復旧を目指す合同研修で同ソリューションを紹介した事例はこちら

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サービス提供元企業:富士フイルムシステムサービス株式会社

経営統括本部 デジタル戦略推進部

TEL:03-5352-7500
東京都新宿区西新宿5-1-1
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