ジチタイワークス

【廣濱 学さん】前例や常識を疑い、 目的意識と問題意識をもって踏み出すことが大事だと思います。

地方公務員の推薦文をもとに審査し、地味派手を問わず頑張る職員を選出する「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」。株式会社ホルグ主催のこのイベントは、2023年で第7回を迎えます。ジチタイワークスは今年も協賛メディアとして参加。応援企画として、歴代受賞者3名をクローズアップ!受賞時の振り返りと現在の取り組み、全国公務員へのメッセージなどをお届けします。


【「地方公務員アワード」歴代受賞者をクローズアップ!】
(1)地方公務員アワード2017で受賞!菊池 明敏さんにインタビュー(総務省経営・財務マネジメント強化事業アドバイザー)
(2)地方公務員アワード2021で受賞!伊藤 遼平さんにインタビュー(埼玉県宮代町) 
(3)地方公務員アワード2022で受賞!廣濱 学さんにインタビュー(愛知県豊田市)←今ココ

▼地方公務員アワード2023の概要はコチラ
『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2023』開催のお知らせ

地方公務員アワード2022で受賞!
愛知県 豊田市 行政改革推進課    
廣濱 学(ひろはま がく)さん

プロフィール

2012年、豊田市役所に入庁。2016〜2018年、深夜残業が当たり前だった給付事務を時短職員でも担当できるまでに効率化。2019年、トヨタ自動車へ1年間出向。自工程完結や業務改廃について学び、"改善マインド"に火が付く。2021年、「トヨタ自動車」と協働でコロナワクチン集団接種を効率化。2022年度からは、疫学調査の効率化や市役所全庁のペーパーレス化・LINEを活用した電子申請、DXに取り組む。

 

―受賞理由となった、取り組みの概要を教えてください。

私が取り組んだことは、主に下記の4つです。

①担当者が痩せてしまうほど繁忙な給付業務を改善し、時短職員が担当できるまでに効率化。

②トヨタ自動車と共働で、コロナウイルスワクチン集団接種の改善を実施。物品管理から会場レイアウトに至るまで様々な改善を重ね、接種数の向上につなげた。また、運営方法を刷新し、全庁から職員を投入する状況を改善。

③コロナ感染症患者に対する疫学調査を改善。感染波と感染波の合間に改善させるというミッションの中、約1カ月でペーパーレス化、システム化を達成し、大幅な時間削減を実現。

④改善の仲間づくりを目的に、「KAIZEN通信」を毎朝配信。市長、副市長を含め200人を超える活動に発展。

バックナンバーはこちら(出典:「廣濱 学さんnote」https://note.com/famous_ruff672)

また、④に関連して、市役所全庁に絡む課題を“知恵と工夫”で改善し、最小限のコストで業務を効率化。業務過多、長時間労働で職員が疲弊している状況を何度も打開。

 

―最初に受賞を知ったときのお気持ちはいかがでしたか。

驚くとともに、とにかくうれしかったです。トヨタ自動車への出向時に、“小さな改善を積み重ねることの大切さ”を学び、それを実践してきましたが、まさにその改善の積み重ねが実を結び、受賞につながったことが、とても幸せでした。

改善はダイエットや登山と一緒で、その過程はつらく・苦しいことも多いのですが、そういった経験が多ければ多いほど、今回のような受賞のときにより喜びが大きくなると、改めて感じました!

 

―受賞後、周囲の反応はいかがでしたか。

職場、友人、家族からお祝いや声かけをいただき、とてもうれしかったです。地方公務員の仕事は、なかなかまわりに知られることも少ないので、誇らしい気持ちでした。

表彰式では数年ぶりにリアル開催となり、ほかの表彰者の方とも交流・親交を深められたのが私の財産になりました。こうした(決して儲からない)地方公務員アワードを主催していただいた「ホルグ」加藤さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

 

―現在は、どのような業務をしていますか。

現在は、行政改革推進に取り組んでいます。民間と比べて公務員が非効率に陥りやすいのは“紙”が原因であると私は確信し、自他共に認める“紙アレルギー”だと称しています(笑)。

職員向けとして会議・打ち合わせのペーパーレス化を行い、市民向けには「LINE」(GovTech Express)を活用してペーパーレス化・システム化に取り組んでいます。

紙の少なさとデジタル化の進み具合は比例します。ペーパーレス化・システム化し、職員が"人間にしかできない業務”に注力することこそが改善・DXの本質だと考えています。

―受賞をきっかけに変わったことは?(仕事に関する変化、マインド的な変化など)

他自治体の方との交流が増えたこと、講演の依頼をいただけるようになったことが、1番の変化だと思います。

そのほか、私の顔を見ると"改善&ペーパーレス”とひもづけて考えてくださる方が増え、非常に動きやすくなりました。また、“廣濱に相談したら、なにか変わるかも”という思いで庁内職員から相談してもらえることも増えたので、うれしく思っています。

 

―今後、どのような方に受賞してほしいと思いますか。    

セーフティーネット、縁の下の力持ちであればあるほど、“ニュースになるのは悪いとき”というのはよくある話。まさに地方公務員がそうだと感じています。そんな中、このアワードがあるおかげで、多くの人が救われていると思うんです。

だから、“いつも頑張っていて、結果も出しているのに報われない”という、そんな方に受賞してほしいですね。その積み重ねが、きっと世の中を明るくすると思います。もし近くにそういった方がいれば、ぜひ勇気を出して推薦していただきたいです。

 

―全国の公務員の皆さんへ伝えたいこと(メッセージ)をお願いします。

“はたらく”とは“端をラクにする”、つまり、まわり(職員・市民)をラクにすることが“働く”こと。今、100時間かかる事務作業を次は99時間にできないか?と、前例や常識を疑い、目的意識と問題意識をもち、一歩踏み出すことが大事だと考えています。

“AIに仕事を奪われる”ことを恐れる声もありますが、それは、機械にできる仕事を人間がやっているからだと思います。案を出すことはできても、改善・改革をAIが担うことはぜきません。

日頃から“はたらく=改善・改革”することを、仕事の本質としていきましょう!公務員の1%が変われば、世の中は大きく変わります!

 


「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2023」について

【開催概要】
1)スケジュール

・推薦・応募受付期間:2023年5月31日(水)~7月7日(金)
・結果発表(holg.jpWEBサイト上)2023年8月中旬
・表彰式:2023年10月28日(土) ※スケジュールは変更する可能性がございます

2)応募・推薦方法

▼詳細はこちらから
『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2023』開催のお知らせ

3)結果発表等

・2023年8月中旬に、『Heroes of Local Government』 にて掲載
・2023年10月28日(土)に表彰式開催予定(変更可能性有)

 

■あわせて読みたい

【岡元 譲史さん】1人の受賞ではなく、チームを代表した受賞でした。

【吉川 牧人さん】やりたいことを実現するために苦手分野にチャレンジしました。

【宮下 智さん】発信しなければ誰も気づかなかったかもしれません。

【座談会】受賞によって気づけたこと。これからも大切にしたいこと。

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