奈良県生駒市の都市計画課住宅政策室は平成30(2018)年5月28日、宅建士や建築士など不動産関連の8団体と「いこま空き家流通促進プラットホーム」を設立しました。
生駒市の空き家率を減らし、使われていない物件を活用するための具体的な解決策を引き出すための取り組みです。
※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.3(2018年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 奈良県生駒市
官民連携で空き家対策に挑む、全国初の試み
都市計画課住宅政策室ではまず、宅建士、司法書士、土地家屋調査士、建築士、建築施工事業者、NPO、銀行と手を組み、空き家の流通促進のためのプラットホームを作りました。市の職員は空き家所有者の元を訪ねて物件に関するヒアリングを実施し、この情報をプラットホーム上で共有します。
この結果を踏まえ各分野の専門家たちが不動産仲介や改修・インスペクション、測量、解体工事など流通促進のためのさまざまな支援策を提案・対応するという仕組みです。
所有者からプラットホームへの情報提供の確認をしてから、実際に専門家が支援策を提示するまでの期間は、ひと月以内を目指して活動。会議の日程が決まり次第、空き家所有者に情報共有していただくための呼びかけを始めます。
同意が取れた空き家情報について、行政と民間事業者が連携して対応方法や対応事業者を検討するしくみは全国初の試みとして注目されました。
「いこま空き家流通促進プラットホーム」共同記者会見の様子。
毎月会議を開催し、プラットホームの情報を共有
出典:生駒市 http://www.city.ikoma.lg.jp/0000013956.html
この取り組みを始めるために住宅政策室では平成29(2017)年からプラットホームに参加する事業者を探しました。プロジェクトを始動するまでに関係団体と5回の会議を重ねて、空き家の流通のしくみについて検討。
その結果、8団体43の事業者が登録し、現在は宅建士の専門家2団体、奈良県建築士会、NPO法人空き家コンシェルジュの計4団体が月に一度開催される「空き家流通促進検討会議」のコアメンバーとして出席しています。
なお、プラットホームへの新規参画については、各団体に委ねられています。担当者は「市が扱う物件は、もともと市場で流通しづらいものが多い。空き家所有者の元を積極的に訪れ、月に3件程度の情報を扱えるようアプローチしたい」と話されていました。