持続的なまちづくりに欠かせない“住民参加”。ここでは、自治体と住民が一緒になってまちの魅力を拡大しようとする、まちづくりの第一歩となる取り組みを紹介。
住民を巻き込む大切さや、ともに続ける工夫を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.24(2023年2月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
青の花畑が観光地の新たな風物詩に。
大分県中津市(なかつし)
紅葉の名所・耶馬渓(やばけい)の麓にあるトンネル「青の洞門」の対岸で、住民と市の職員が約70万本のネモフィラを育てている。
●いつから・・・平成24年
●活動内容・・・草刈り・種まき・畑の管理など
●主体・・・地域住民の実行委員会
●目的・・・豪雨災害復興・地域交流
●活動人数・・・約460人(令和4年)
新緑の山を背に、青色の花畑が広がる風景が人気を呼び、月から5月の連休にかけて多くの観光客が訪れるという。知名度の上昇に伴い、毎年秋に行う種まきには、市外からも参加者が。初年度の5団体と64人から10年で約7倍になり、地域を越えた交流が進む。
職員の思い
“やってよかった”と思えると、活動が継続します。多くの人に知ってもらうため、広報に力を入れています。
住民の思い
フォトコンテストなどのイベントが増え、多くの観光客が訪れるように。にぎわいを感じられることがやりがいです。
左:中津市 本耶馬渓支所 地域振興課 主任
河野 純弥(こうの じゅんや)さん
右:青にこだわるまちづくり実行委員会 会長
小野 政文(おの まさふみ)さん
軒先の花手水(はなちょうず)で人々の目を楽しませる。
埼玉県行田市(ぎょうだし)
コロナ禍でも参拝者に癒やしを提供したいと、市内の神社で始まった。現在では周辺の店舗や民家も参加し、まちを彩っている。
●いつから・・・令和2年10月
●活動内容・・・毎月実施の「行田花手水week」「花手水ライトアップ」
●主体・・・商工観光課・都市計画課・行田おもてなし観光局
●目的・・・観光振興・地域のブランディング
●活動軒数・・・約100軒(令和4年12月)
“神社周辺の商店街へにぎわいを”と、職員の声かけで始まった。水鉢は市が貸与する一方、花は参加者が手配。住民が主体的に参加し、継続性のある事業に。令和3年春からはライトアップも始め、見る人を飽きさせない工夫で、観光客が増加しているという。
職員の思い
地域がにぎわうことが、住民のモチベーションに。思い切ってまちに飛び込み、住民と一緒に観光資源に光を当てています。
住民の思い
店の特色を活かした花手水を飾り、商品のPRにも。商店以外の住民の間でも、花手水をする人が増えているようです。
左:遠藤 優子(えんどう ゆうこ)さん
中央:行田市 環境経済部 商工観光課 主任
吉松 良祐(よしまつ りょうすけ)さん
右:洋菓子店シャロン 店長
岡安 渉(おかやす わたる)さん