山形県山形市は、平成28(2016)年から「みましたカードの掲示」を導入しました。ガードレールや街路樹などの道路附属施設が事故破損した際の対応をカードで明示する取り組みです。
市民の不安軽減や職員の業務を効率化するアイテムとして活躍しています。
※下記はジチタイワークスVol.3(2018年10月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 山形県山形市
現場に行ってカードを付けるだけ!
導入前は1件の事故破損が起こると、市民から3件ほど「〇〇が壊れている」と通報がありました。なかにはすでに対応中の事故破損も含まれていたり、そのことを知らない職員が再度足を運んだりと全てを把握しきれていなかったそうです。
通報をいただくのは、主に日中に散歩をする高齢者や子どもの親世代です。連絡を受ける度に「市民に不安を募らせているのでは」と感じ、平成28(2016)年の7月頃、当時の係長を中心に「まずは1件1件みましたカードをやってみよう」と試験的に取り組みが始まりました。
事故が発生すると原因者や警察から市へ連絡が入り、職員がカードを持って現場へ。状況を見て場合によっては事故破損したパーツの回収など応急措置を施し、今日中に対応しきれないもの、保険の関係などで時間がかかるものにカードを使用します。(軽度な場合はカードを使用しないケースも)。
カードはA5の紙に印刷し、雨などに濡れないよう庁内でラミネート。最初はその都度印刷して制作し、持って行き忘れもありました。現場ではひもやテープでカードを設置し、約1ヶ月〜1ヶ月半後には修理を実対応していくという流れです。
現場に設置されてから、約1ヶ月~1ヶ月半後までに対応する
市民の不安を軽減し職員の事務作業を効率化
導入してすぐに通報は1件以下に減り、職員の事務作業も効率化。カードを付けるだけの取り入れやすさも好評でした。問い合わせが減ったことで市民の方の不安も軽減できていると感じ、改善全国大会出場後には他の自治体からも数件取り組みについての問い合わせ連絡を受けました。
改善にあたり担当者は「まずは思いついたことをすぐに実行してみるということが大切です。今後もこのカードを活用しつつ、よりわかりやすいデザインにしていきたい」と話します。
現在では当初の目的ではなかった、自然災害やいたずらでの道路附属施設破損にも利用され、年間約50〜60枚のカードを使用しています。