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公共空間における屋外照明のLED化が急務!?その理由とは。

街路灯、道路照明灯、公共施設の照明など、まちの夜を照らす様々な照明器具。安全や防犯の観点からも重要な設備であり、住民を守るためには安定した稼動が必要だが、同時に運用コストをできるだけ低減していくことも求められる。

そうした背景もあり、全国の自治体で照明のLED化が進められているが、この取り組みをさらに加速する必要があるかもしれない。“2030年までに照明のSSL化を進める”とした業界団体の発表について、パナソニックの担当者に話を聞いた。

[提供]パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社

目前に迫るタイムリミットと、自治体が抱えた課題

国内の照明関連事業者201社から成る日本照明工業会(以下、工業会)は、照明業界が取り組む2030年を見据えた戦略「LIGHTING VISION 2030」の中で、2030年までに照明器具ストック市場のSSL化率100%を目標にする、とうたっている。この“SSL”とはSolid State Lightingの略で、LEDや有機ELなど半導体照明の総称。つまり、これら以外の照明機器は今後入手が難しくなる可能性が高いことを意味する。

「今回のメタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ等のHIDランプの終了は、近年では水銀灯終了に続いて2度目の大きな波となっています」と、同工業会にも所属するパナソニックの小西さんは語る。

「一度目の波は、水銀灯の廃止でした。これは平成25年10月に採択された『水銀に関する水俣条約』にもとづいた動きで、この条約では一般照明用の高圧水銀灯について、2021年から製造、輸出または輸入が禁止に。当社も2020年6月には水銀灯の生産を終了しました。今回は工業会の目標として発表されたものですが、照明業界はこの方針に沿ってSSL100%へシフトしていくと考えられます」。
 

小西 俊樹(こにし としき)さん
パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
ライティング事業部プロフェッショナルライティングBU 事業・営業企画部
屋外営業企画課 主務
 

一般的に使われるSSLとしてはLED照明が中心で、SSL以外の主な照明機器としては蛍光灯やHID(High Intensity Discharge)ランプが挙げられる。HIDにはメタルハライドランプや高圧ナトリウムランプなどがあり、蛍光灯では照らせない大きな光を必要とする場所、例えば道路・公園などといった屋外空間や、規模の大きい施設・倉庫、スポーツ競技場などで使われることが多い。これが公共施設、公共空間を管理する自治体にとって問題なのだと小西さんは説明する。

「現時点でもHID照明を使っている公共施設や公共空間は多く残っていますが、今後HID製品が入手できなくなると、交換に時間がかかったり、余計なコストが発生したりする可能性があります。特に照明が使えない期間が長くなるのは、まちの治安の面で大きな問題です」。

では2030年までに照明機器の更新を済ませればいいのかというと、「更新の刻限は目の前に迫っています」と小西さんは強調する。

「2030年というのは工業会が設定した目標ですが、それ以外にも企業はSDGsの観点にもとづき、環境負荷の低い製品を開発・販売しなくてはなりません。CSRの視点からも早めのアクションをとる必要があります。当社は2023年9月にHIDを生産終了すると発表していますし、すでに販売を終了したメーカーもあります。こうした流れで全てのメーカーが生産を終えてしまうと調達が困難になり、迅速な修理や設備の更新ができなくなってしまうかもしれないのです」。

つまり現状の照明でHIDを使用しているものはできるだけ速やかに更新をした方がいいということだが、当然それには相応の費用が必要になる。しかし、LED照明への交換は「長期的なコスト削減へのステップです」と小西さんは語る。

年間約82%もの節電効果!LED化によってもたらされるメリット

すでに知られていることだが、LEDは従来型のHIDなどに比べて消費電力を大幅に削減できる。例えば、一般的な街路灯の場合だと、HIDの照明を同等の明るさを持つLEDに交換するだけで、年間約82%もの節電効果を生む(※)という。さらに、LEDは長寿命なので更新のスパンも延ばすことができ、メンテナンスの負担も軽減。空間の用途などによって光の強さを変える調光機能も活用でき、スイッチが入るとすぐに明るくなるというメリットもある。LEDの持つこうした強みで、一定期間を経れば導入費用は償却でき、環境負荷も低減できる。屋内施設などでは、スイッチを入れるとすぐに明るくなるという特徴や、調光機能が利用者に喜ばれるだろう。

ただし、「電球だけを交換すればいいのか、と聞かれることも多いですが、あまりオススメできません。より高い安全性とコスト効果を求めるのであれば、照明器具全体を交換した方がいいでしょう」と小西さん。「電球以外の照明器具にも寿命があり、適正交換時期は10年とされています。寿命を過ぎた照明器具は劣化が進み、器具内の安定器が絶縁劣化によって発煙する事故や、コイルの異常発熱による断線、コンデンサケースの破損など、様々なトラブルを起こすリスクを抱えているのです。せっかく電球を交換しても、その後に周辺器具を交換することになったら二度手間ですしコストもかかる。アセンブリ交換になれば、交換済みのLED電球もムダになってしまいます」。

さらに、見落とされがちなのが屋外の照明を支えるポールだ。こうした設備の劣化による倒壊事故はたびたび報道でも目にするが、同様のリスクを潜在的に抱えているポールは全国で多数存在するため、公共設備、民間設備にかかわらず、対策は喫緊の課題と思われます。

しかし、照明のLED化に加え、照明器具やポールまで全て交換するとなると、自治体の負担はかなり大きくなってしまう。それに対し、「当社でもそうした課題に対応できるソリューションを提供しています」と小西さんは力を込める。そのソリューションは、同社の「カエルミナ」「QQポール」だ。

※HIDモールライト(水銀灯250形器具)をカエルミナ モールライト(水銀灯250形・200形器具相当)にリニューアルした場合を想定し、試算。

合わせ技でコスト削減効果をさらに高めるLED化ソリューション

カエルミナは、HIDを使った街灯などの灯具部、つまり電球とその周辺の照明器具とを合わせてLED化するもの。デザインも景観に合わせて選べるよう、球形や円筒形、円盤タイプなど様々な形状がラインナップされており、豪雪地帯における積雪対策を施したものや、和風タイプといったユニークなオプションもある。

バリエーション豊富な「カエルミナ」。様々な景観に合わせて選べるよう、様々な形状の灯具やカバーがラインナップされている。

 

また、ポールの劣化に対応するのが街路灯リニューアル用のQQポールで、既設のポールを抜いてゼロから設置し直す従来の方法ではなく、古いポールを根本の部分で切断し、そこに新しいポールを差し込んで固めるという方法をとるため、施工期間は約4時間まで短縮。コンクリート基礎はそのまま活かすことができ、設置コストの削減も可能だ。

短期間でリニューアルを実現した「QQポール」。QQポールに交換の場合、作業完了まで約4時間。

 

もちろんこれらは個々のサービスとして活用できるが、トータル面で考えると灯具とポールを同時に施工した方が、安全面でもコスト面でも効果が高いという。「目前に迫ったHIDの生産中止、照明器具の適正交換時期、ポールの劣化……と都度対応するよりは、同時に行った方が工事費用は抑えられますし、照明が使えなくなるのも一度だけで時間も短くてすみます。地域の安全やコスト面はもちろん、職員の事務負担ということを考えても同時交換がオススメです」。

こうした特徴を活かし、カエルミナとQQポールは全国の施設で採用されている。例えば、九州のある自治体では、台風被害で小学校のそばに設置した街路灯が倒壊し、同時期に設置したものと合わせての交換となったが、QQポールを使ったことで学校活動に影響を与えることなく施工が完了し、コストも低減。外観もすっきりとリニューアルできたため、担当職員からも「QQポールを採用して良かった」と喜ばれているという。

LED化の推進は“できるだけ早く・規模を大きく”がポイント

こうした自治体での事例をはじめ、全国の公園やホール、駅などの交通施設、史跡など多数の事例を手がけ、LED照明に関するノウハウを蓄積している同社。だからこそ、設置の規模を問わないアドバイスをすることが可能になる。

また、こうした街路灯に関するソリューションだけでなく、同社はグラウンドやスタジアムなどの大きな施設に向けたLED投光器も複数用意している。中でも、「アウルビーム」は近隣の光害対策という視点で開発されており、光が必要以上に広がることを防ぎつつ、照明の対象ゾーンでは十分な光度を確保。近隣からの「まぶしい」といったクレームを極力防ぎつつ、大容量ゆえの節電効果も生む優れものだ。

何より地域の安全・安心が最優先です。そのためにも早めの対策をオススメします」と小西さん。そして次のように付け加える。「早く交換すればするほど、そして交換規模が大きくなればなるほどコストメリットは高くなります。自治体では予算の問題もあるかと思いますが、長期的に見てプラスになり、まちの財源確保に貢献できるのであれば早めに対応するに越したことはありません。当社では、見積もりの作成はもちろん、設備更新に係る“置き換え提案書作成サービス”も行っています。照明のリニューアル提案を現場からサポートしているので、ぜひお声かけください」。

お問い合わせ

サービス提供元企業:パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社

ライティング事業部 プロフェッショナルライティングBU
事業・営業企画部 屋外営業企画課

TEL:06-6903-5581

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