ジチタイワークス

茨城県つくば市

客観的な“SDGs診断ツール”の導入で充実した行動の10年を!

私たちの生活に溶け込みつつあるSDGs。自治体でも事業に“17の目標”の視点を取り入れるケースが見られるが、いざ成果を問われると漠然としていて、評価しにくい面もあるだろう。

この課題に対し、評価を標準化・可視化できるツールがあるという。

※下記はジチタイワークスVol.22(2022年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]日本工営株式会社

成果が曖昧なSDGs推進を客観的に評価する共同研究へ。

つくば市では、平成29年度からSDGs達成に向けた取り組みを実施。その動きが評価され、平成30年には内閣府の「SDGs未来都市」に選定されている。取り組みは、定期的に評価しつつ発展させることが重要だが、「この“評価”の面が課題でした。国のSDGsアクションプランなどで積極推進が求められていますが、各部署で設定したKPIだけでは客観的評価が難しく、進捗管理も主観的に行われがちでした」と袴田さん。

そうした中、同市の取り組みに注目していた「日本工営」から“SDGs診断・可視化ツール”の共同開発に関する提案があった。同社はこのアイデアを、未来技術の実証実験受付窓口「つくば市未来共創プロジェクト事業」に企画として申請。「内容に魅力を感じました。取り組みを可視化できるので、他自治体の動きとも比較しやすくなると思いました」。

同企画はプロジェクトに採択され、令和3年6月から、自治体向けSDGs取り組み診断・可視化ツール「TSUMUGI@™(つむぎあっと)」試行版の共同研究が始まった。

有識者の知見をツールに集結し自治体現場の声も盛り込む。

同ツールは、取り組みに関する設問にオンライン上で回答していくだけで、その診断結果をチャートやスコアで可視化できるというもの。評価の軸となる設問は、内閣府の「地方創生SDGs」で有識者が検討・公開した内容にもとづき作成され、ローカルSDGs分野に知見が深い法政大学教授の川久保 俊さんが監修を務めている。この土台に加え、同市との共同研究を通じて精度を高めて、中立性・信頼性を確立しようというのが本プロジェクトの目的だ。

研究では、「フレームワーク診断」と「アクションフェーズチェック」という2カテゴリー・全266問(つくば市の場合)の設問を同社から提示され、SDGsを担当する持続可能都市戦略室が庁内54部署に振り分けた。「17の目標だけでなく、169のターゲットにも踏み込める設問です。職員が業務とSDGsの関係を考える機会にもなると感じました」と袴田さん。

全ての回答が終わり、診断結果を見た古宇田さんは「全体として思ったよりも高得点だと感じました。ただ、新しい施策や、すぐには成果が出ない取り組みに関しては、職員の自己評価も辛口になるようです」と振り返る。そうした気づきや疑問は随時伝え、両者間で協議を重ねることで、担当者によって回答のバラつきがないようブラッシュアップしていったという。

公平な評価基準と経年観察で充実した“行動の10年”へ!

この共同研究で得た成果をもとに、同社は改修を加え“TSUMUGI@™β版”をリリース。対象範囲を全国に広げ、各地の自治体が、このツールを使った実証実験を行っている。こうした動きの結果、評価基準が標準化されていけば、全自治体の取り組みを同じ条件で比較し、それぞれの強みや改善点も洗い出せるようになるだろう。袴田さんも「今は施策が手探り段階なので、自治体間での差が出やすい。だからこそ客観的診断が今後の指針になると感じています」と評価する。

診断結果は、地域へ向けた情報発信にも活用できそうだ。

また、取り組み内容の経年変化をモニタリングしていくことも重要だという。ツールでは総合診断の推移が把握可能で、古宇田さんは「共同研究こそ終了しましたが、できれば毎年実施して当市の変化を見ていきたい」と期待を寄せる。

2030年までがSDGs達成に向けた“行動の10年”と呼ばれており、取り組みをさらに加速させなければならない。その道筋を見極め、持続可能なまちを実現していくためにも、自分たちの足取りを見つめ直す動きは今後も広まっていくだろう。

つくば市 政策イノベーション部
持続可能都市戦略室
左:室長 袴田 修由(はかまた のぶよし)さん
右:主任 古宇田 泰弘(こうだ やすひろ)さん

Q&Aの簡単診断とチャート可視化でSDGsの取り組み推進が加速する!

民間実績をもとに、専門家の意見を盛り込み、自治体も直接開発に関わって練り上げた診断ツール。担当者は少ない負担で、PDCAの“Check”を実施できる。

2つの診断で取り組みの加速を支援

中小企業版診断ツールもすでに運用中

同じシステム基盤を使用し「株式会社TREE」と共同開発した、企業版SDGs診断ツール「KIBOH2030™」がある。TSUMUGI@™に先駆けて令和3年10月から本格運用されており、札幌商工会議所、北九州市などで活用実績あり。

来年度、全国に向けてリリース開始!

実証実験が完了した後、全国の自治体に向けて本格運用版をリリースします。導入費用などは、自治体に無理のないコスト設定を考えています。導入サポート体制を整えていますので、お気軽に問い合わせください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:日本工営株式会社

サステナビリティデザイン室
TEL:03-5276-3930
住所:〒102-8539 東京都千代田区麹町5-4
E-mail:nk-sdgslocal-info@n-koei.co.jp

KIBOH2030/TSUMUGI@のサービスサイトは こちら

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