ジチタイワークス

新潟県燕市

医師会と連携し、国民健康保険事業を展開

燕市健康福祉部保険年金課では、平成24(2012)年から効率的で効果的な国民健康保険の保健事業を継続実施しています。

※下記はジチタイワークス Vol.5(2019年4月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

5年間で約10種の保健事業を開始

超高齢化社会や医療技術の高度化に伴い、医療費が増大している昨今。財政運営が厳しくなるなか、従来の保健事業を見直すため、平成24(2012)年からレセプトデータを基に医療費を分析し、費用対効果を含め必要なプロジェクトを検討しました。医師会などと連携して保健事業を実施し、その結果を集約・評価・還元することで、さらなる医療費適正化を進めています。

平成24(2012)年には新潟県内初となる、ジェネリック医薬品の差額通知事業を開始。開始年は51%だった普及率が平成31(2019)年1月には78%まで増加しています。医療費の削減効果額は7年で約4億円にのぼりました。

さらに、レセプトデータ、特定健診データ、各種保健指導データを蓄積し、事業検討や対象者選定の基になる燕市オリジナルのデータベースを作成。平成29(2017)年までに、柔道整復療養費の適正受診事業や受診行動適正化事業(重複頻回受診・重複服薬)、慢性腎臓病(CKD)進行予防事業、糖尿病性腎症重症化予防事業、特定健診受診率向上事業、胃がん対策事業(胃がんリスク検診)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)進行予防事業、脳梗塞再発予防事業など約10種の保健事業に積極的に取り組んでいます。


ジェネリック医薬品の差額通知のサンプル。

保健事業で医療費が減少し、財政改善

なかでも平成26(2014)年に県内で初導入した「胃がんリスク検診」では、バリウム検診の時に0.1%だったがんの発見率が1.14%に増加しました。がんが早期発見されることで、胃がんに係る年間の医療費がピーク時に比べ2千万円程度減少し、財政改善を達成しています。

こうした事業は一度の改善による結果を見るだけで終わらず、効果を経年比較し改善を繰り返しながら翌年度に継続しています。担当者は「効果が見込まれる対象者に必要な保健事業を検討し、スピード感を持って実施していくことで医療費削減を実現できている。今年度は残薬対策(節薬バッグ)事業、ポリファーマシー(多剤投与等)適正化事業に力を入れていく」と話します。


ポリファーマシー(服薬情報のお知らせ)サンプル

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