個性的な情報発信や活動で公務員の「型」を破り地域の魅力アップにも貢献。
対面で勉強会や情報交換会などを行うコミュニティ活動は、コロナの影響で「機会が激減した」といえるだろう。しかしこれにより、どちらかというと公務員が敬遠しがちな「オンラインでの情報発信」が活発化したのも事実。オンラインとひと口にいっても、その選択肢は多く、YouTubeでは動画を、Instagramでは写真を、noteでは文章を……と、好きな表現方法で発信できるのも魅力だ。投稿にメッセージを込めることで、それに共感する仲間探しが容易になったことは、全国公務員のネットワーク強化にひと役買っているといえるだろう。
※下記はジチタイCLASS(2022年5月発行)から抜粋しており、記事は取材時のものです。
※誌面掲載のアンケートは、ジチタイワークス会員を対象に令和4年1月14日~2月7日に実施したものです
面白く、まずはやってみる!が大事ですね。
農林水産省では、食・農業・政治に関する「面白い動画を始めよう」という目的で、YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」を開設しました。全国各地に点在する約20チームが、それぞれに動画制作と配信を行っています。配信にあたり、リスクを心配する声もありましたが、事務局側で「炎上しないための注意点」という手引きがつくられたので、自由に企画やアイデアを発想できる環境が整いました。ルールさえ守れば、炎上するリスクは少なく、自らの個性やスキルを活かすことができます。
約20チームのうちほとんどが撮影・編集に関して素人でしたが、ほかの動画などを参考に実践しながら学ぶので、挑戦するマインドも育っていきました。関東の「KANTO KITCHEN」チームの動画で最も反響があったのは、お米だけでつくるマリトッツォのレシピ動画、その名も「マイトッツォ」。米の消費量が増えてほしいというメッセージを込めてつくったものです。自治体からは「中央省庁である農水省がここまでユニークに発信していて、背中を押された」といった感想が寄せられましたね。
現場のリアル感が共感を生み出します。
北海道の「なまらでっかい道」チームでは、オリジナル企画に加え、農家さんや法務省など他省とのコラボ企画が多数。ですが、「あくまで主役は私たち」と主体性をもって発信しています。企画はメンバー同士で、やりたいものを出し合いながら考えていますね。これまで、再生回数が2.5万回を超えた動画が2本ありました。1つは公務員を目指す人へ向け、入省1年目コンビで就職活動のスケジュールを公開したもの。もう1つが、TV番組「家、ついて行ってイイですか?」のパロディ企画。職場紹介や、メンバーの特技であるピアノをスタジオで披露するなど、公務員の素の姿を伝えたものでした。
コメント欄に「BUZZ MAFFを見て農水省に入りたいと思った」という感想があったときは、すごく励みになりました。YouTubeを通して、若手でも「提案する力」が身についてきたと感じるので、これからも発信を続けていきたいですね。
左:福本 航(ふくもと わたる)さん
農林水産省
関東農政局総務部総務課 人事第1係
入省1年目の若手トリオ、「KANTO KITCHEN」に所属。「旬」を求めたコンテンツを発信している。
右:小田 彩加(おだ あやか)さん
農林水産省
北海道農政事務所 統計部統計企画課
若手職員6名で構成する、チーム「なまらでっかい道」に所属。農山漁村の魅力を伝えている。
「BUZZ MAFF」のYouTubeはコチラ