ジチタイワークス

東京都港区

受動喫煙リスクを減らし、“吸う人”も“吸わない人”も快適に。

受動喫煙防止に向けた健康増進法改正に伴い、公園などの喫煙所を撤去する自治体が多い中、港区は令和4年1月、新橋駅前の広場に大型のコンテナ型喫煙所を新設した。喫煙者・非喫煙者の共生を進める同区の大浦さん、齊藤さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスVol.19(2022年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社ランドピア

苦情が出ていた屋外喫煙所をバリアフリー喫煙コンテナに。

令和2年4月の健康増進法改正により、公共の喫煙所が相次いで撤去されている。しかしそれが、歩きたばこなどの迷惑行為を増やす一因となっている面は否定できない。多くの企業が本社を構え、昼間人口が94万人を超えるという同区も、平成26年7月から区の条例にもとづき、全ての人が快適に過ごせるための「みなとタバコルール」を施行。吸い殻を捨てることや、指定喫煙所以外で喫煙することを禁じたほか、私有地で喫煙する場合であっても歩行者などに受動喫煙させないよう配慮することを呼び掛けてきた。

その取り組みの1つが、待ち合わせ場所として親しまれているJR新橋駅前の「新橋SL広場」での、指定喫煙所設置。パーティションで区切り、分煙を図っていたが、「周辺の歩行者からは『煙や臭いが漏れる』という苦情がある一方で、はみ出し喫煙や路上喫煙を注意された人からは『喫煙所に入りきれない、ほかに吸う場所がない』などの声が出ていました」と、これまでの状況を語る大浦さん。

令和3年度からは、“吸う人も吸わない人も快適に過ごせるまち”を目指す新たな施策の一環として“屋外密閉型喫煙所”の整備を推進していくことが決まった。それに伴い、パーティション型喫煙所に代わる設備として、「ランドピア」が設計・販売する「バリアフリー喫煙コンテナ」を設置することになった。

コンテナ2基で大空間を提供し出入口の分離でコロナ対策も。

同社の喫煙コンテナは、貨物用20ft(フィート)コンテナを活用した密閉型喫煙設備。“建てる”のではなく“置く”構造物のため、現地組み立てで新設する場合と比較して費用・期間ともに削減できる。

SL広場の物件は、令和4年1月から運用を開始。コンテナ2基を連結した同社初の仕様で、強度を維持しつつ間仕切りの柱や壁を取り払い、27.51㎡の室内空間を実現している。周辺景観との調和に配慮し、外観は茶系カラーで統一。出入口下部のはりをなくすことで床面を下げ、スロープをつけずに、すっきりとした形でバリアフリー化した。室内にはたばこの煙や臭いを99%除去※するプラズマ脱臭機もあるため、「周りを通る人が煙を吸うリスクがなくなって良かったです」と齊藤さん。

設置してすぐに、多くの人に活用されているというが、「室内で距離を取りやすいよう床に“足跡シール”を貼ったり、入口と出口を完全分離して利用者同士の接触機会を減らしたりしています」とコロナの感染対策にも配慮している。

※たばこ4本を燃焼した後、9分間の除去効果/メーカー調べ

“吸える場所”を整備してこそ分煙のルールを徹底できる。

「みなとタバコルール」の制定時から、“区が定めたルールを徹底するには、喫煙所の整備も不可欠”という方針に揺るぎはない。SL広場がある新橋駅の西口側に加え、烏森口側にあったパーティション型喫煙所もフィルムを施工し、煙や臭いが少ない加熱式たばこ専用の喫煙所にした。引き続き、JR田町駅の東口にあるパーティション型喫煙所も、ランドピアの喫煙コンテナに変更するという。

「令和4年度中においても複数の喫煙所を煙が漏れない密閉型喫煙所に替える予定です。そのほかにも、民間事業者に屋内喫煙所設置の補助を行うなどして、喫煙者も非喫煙者も気持ち良く過ごせるまちづくりを進めていきます」。

港区 環境リサイクル支援部
左:環境課長 大浦 昇(おおうら のぼる)さん
右:環境課 環境政策係長 齊藤 和彦(さいとう かずひこ)さん

ユーザーの要望に応える設計で出入りのしやすさや感染対策に配慮。

ランドピア「喫煙コンテナ」の強み

1.スロープなしでバリアフリー化を実現

通常モデルの喫煙コンテナは、地面との段差をなくすためにスロープを設置していた。SL広場に設置したコンテナは、出入口の下のはりをなくすことで床面を下げ、スロープを造成せずにバリアフリー化。多くの人が使いやすい仕様にした。

2.景観になじみ喫煙者のプライバシーも保護

駅前広場という立地になじむよう、外装を落ち着いた茶系のトーンで統一。防犯面を考慮して大型の窓を設ける一方で、喫煙者の上半身の高さに目隠しフィルムを貼り、プライバシーにも配慮している。

3.一級建築士が強度や内・外装仕様をチェック

一級建築士が在籍しているため、設計に応用が利く。内・外装に関する仕様変更はもちろん、今回のSL広場に設置したように、コンテナ2基を連結してバリアフリー化した場合の設計なども社内で行う。

地域の状況に合わせて設計から設置まで対応

設置場所に適切な“喫煙所”を提案します。これまで、車両として登録する「喫煙トレーラー」や、準耐火建築物で確認申請対応の「喫煙コンテナ」を新設しました。費用や設置までの期間もご相談ください。

お問い合わせ

サービス提供元企業:株式会社ランドピア

担当:小佐野・和田
TEL:03-3661-5638
住所:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-2 中野オイスタービル4F
E-mail:info@landpia.co.jp

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