“床”への衛生対策を徹底し、誰もが安心できる避難所に!
災害時には多くの人のよりどころとなる避難所だが、コロナ禍以降は感染拡大予防のため、衛生面の整備も課題となった。住民の安心のためには、どんな対策を行うべきか。施設の室内環境を改善するヒントを探る。
※下記はジチタイワークス災害対策特別号 March2022(2022年3月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]NTTビジネスソリューションズ株式会社
NTTビジネスソリューションズ
スマートアグリs事業部
鈴木 陽介(すずき ようすけ)さん
自治体職員に聞きました!
“見落としがちな感染リスク床へのリアルな対策状況”
Q.避難所の感染症対策としてアルコール消毒やマスク着用、検温以外の対策を何か行っていますか?
A.(複数回答あり)
・ 間仕切り(パーティション)・・・・ ・・69%
・ 体調不良者の導線分け ・・・・・・・・・19%
・ 簡易ベッド(段ボールベッド)の設置 ・・9%
・ 十分な換気 ・・・・・・・・・・・・・・5%
その他、分散避難やガイドラインの作成など。
唯一、簡易ベッド(段ボールベッド)は、床に付着した飛沫対策として効果的。しかし、どれも“床”そのものへの感染症対策とはいえない。
※アンケート対象・母数:全国の自治体の防災関連担当課283件のうち上記質問に「している」と回答した209件/令和4年1月14日~28日実施(ジチタイワークス調べ)
避難所の感染対策において“床”に着目すべき理由とは。
大規模な災害が後を絶たない。直近では令和2年7月豪雨や、令和3年の福島県沖地震などが記憶に新しいが、これらの避難において新しい課題が自治体に突きつけられている。コロナ禍における“避難所の衛生管理”だ。避難者を感染症などのリスクから守るには、どう備えておくべきなのだろうか。
「NTTビジネスソリューションズ」の鈴木さんは、「ポイントは床です」と語る。「避難所などの施設では、感染拡大の原因として、空気感染がクローズアップされますが、実際にウイルスや菌が大量に発見されるのは床なのです」。
空気中に散乱した菌やウイルスは、重力と空気の流れで最終的に床に落ちて堆積する。この点を見落としがちなのだと強調する。「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の調査では、医療施設における床からのコロナウイルス検出率が非常に高く、患者のマスクの10~30倍というデータもあります※1」。
また、国内の報道でも、体育館の床のように硬くて摩擦の少ない場所ではウイルスが長く生き続けるというレポートが紹介されているという。
こうした問題への対策として同社は、3つのサービスを「室内環境改善ソリューション」として提供。その主軸となるのが、光触媒入りの水性ウレタンを用いた「エアーウォッシュコート塗装サービス」だ。
※1 Aerosol and Surface Distribution of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus
2 in H ospital Wards, Wuhan, China, 2020(Table 1)
抗ウイルス効果を発揮する光触媒を使った床面塗装。
光触媒は、光があたることで化学反応を起こし、その酸化力で有機物を分解する。抗ウイルス・抗菌効果を発揮するという研究結果もあり、この機能を活かした同サービスは、床面などに施工すると、ウイルスや菌を99%以上無力化※2できるという。また、アレルギーやシックハウスの原因物質、アンモニアなど悪臭のもととなる物質を減少させ、衛生的な環境づくりに貢献。さらに、従来は困難とされていた木質系フロアでの活用や、暗所での対応、長寿命化なども実現しているそうだ(下記参照)。
パートナー企業との共同開発で生まれたという同サービス。「業務提携している企業が光触媒の高度な技術をもっていました。それを体育館などで活用すれば、子どもたちの健康を守れるのではないかと考えたのがきっかけです」。
この研究を進めている中でコロナ禍に。鈴木さんらは、避難所の感染症対策にも技術を活かしたいと開発を急ぎ、令和2年12月に正式にリリース。その性能が評価され、各地の体育館や幼稚園などでの導入が進んでいる。
※2 認定特定非営利活動法人 バイオメディカルサイエンス研究会での調査より
長寿命のソリューションでメンテナンスの負担も軽減!
衛生維持は床面だけの問題ではない。そこで同社は、室内環境改善ソリューションの残る2つのサービス「エアーウォッシュケア」と「室内環境モニタリングサービス」も同時に開発。前者は、手すりや椅子などに使える光触媒スプレーで、自分で気になる部分を手軽にコーティングできる。また後者は、空気中のCO2濃度や温度・湿度を測定する機器で、計測データがクラウド環境に保存され、管理者はPCやスマホから確認が可能。避難所や体育館などの空間に複数設置することで、密を避けた対策ができる。
「これらによって避難所の環境が改善し、住民の安心・安全に貢献します」と鈴木さんは胸を張る。「光触媒の強みは、効果の高さと持続性。さらに、メンテナンスが楽なことです。アルコール消毒は人的負担が大きく、災害時に床の除菌を行うのは困難。事前に床面塗装や、ドアノブなどへのスプレー塗布をしておけば、限られた人員でも衛生的な環境を保てます」。
近年は、国からの通知で体育館の床にワックスを使うことが禁止され、ウレタン塗装が推奨されている。このソリューションはそうした流れにも沿っているため、日常的な施設管理の1つとして導入することも可能だ。平時のうちに備えておけば、住民はもちろん職員の安心感も高まることだろう。
災害時も平時も安心を提供する!施設の室内環境改善ソリューション。
感染症対策のカギを握るのは“床”
1.水性ウレタンに独自の光触媒を配合して塗装
ウイルス・菌、悪臭、シックハウスの原因物質などに作用し、避難所などの施設を衛生的かつ快適な環境に保つ。この光触媒は暗所にも対応できるよう配合されているので、体育館などの室内環境でも十分な効果を発揮する。
2.材料と工事の一括提供で施工まで責任をもつので安心
光触媒の効果を引き出すには高度な技術が必要なため、エアーウォッシュコートは材工一括サービスとして提供。塗装は専門の職人が対応する。また、水性ウレタン塗装は国の方針にも沿っており、脱ワックスに貢献する。
3.専門技術により約5年間メンテナンスフリー
施工後、約5年間効果が持続し、ランニングを含むトータルでの低コスト化を実現。フロアの張り替えなども不要で、既存施設にそのまま導入できる。
\\災害時以外にもこんな場所で活躍//
学校の教室や体育館 介護施設、幼稚園 公民館や庁舎のロビー など
●室内環境改善ソリューションは、「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2021」にて「第1回STOP感染症大賞」最優秀賞を受賞
さらに守りを固める2つのツール
エアーウォッシュケア
●どこでも・誰でも使えるスプレータイプ
●効果は2週間~1カ月、維持・管理負担を軽減
室内環境モニタリングサービス
●温度・湿度などを計測、熱中症対策にも有効
●クラウドでデータ管理
●メールでアラート通知
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サービス提供元企業:NTTビジネスソリューションズ株式会社
スマートアグリs事業部
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