観光客誘致や地域振興を目指して、プレミアム付観光券などを発行する自治体が増えている。しかし、紙券だと業務負担が大きい上に、集計時の金額が合わないなどのトラブルも起こりがちだ。
そんな中、導入から運用まで一括して「NTT東日本グループ」がサポートする、デジタル地域通貨発行サービスが注目されているという。
※下記はジチタイワークスINFO.(2022年1月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]NTT東日本
信頼性の高い基盤システムが導入時のハードルを引き下げる。
従来、紙券を発行するのが一般的だったプレミアム付商品券や観光券などを、デジタル化する動きが全国的に進んでいる。紙券の場合、券のデザインや印刷、販売拠点までの運送など、運用を開始するまでに手間と費用がかかる上、開始後も券の配布・回収・集計・精算など、煩雑な作業が発生。担当職員にとって大きな負担になっているという。そこで、地域で使える金券をデジタル化すれば、それらの手間や付帯費用などを大幅に削減することが可能だ。
しかし、自治体単独でこの事業に取り組むとなると、デジタル地域通貨を管理するためのシステム構築や運用ノウハウ、セキュリティ対策やシステムメンテナンスなど、相応の費用と管理工数、専門知識を有する職員の確保などが必要になる。その点、「『おまかせeマネー』は、デジタル地域通貨の発行から決済・精算までを一元的に代行します。なので、ICTに強い部署を持たない自治体でも、容易にデジタル地域通貨を導入することができます」と薄井さんは話す。
ブラウザからアクセスするだけですぐに利用できる気軽さが強み。
「既存の電子決済用基盤システムをWEB上で使うことができるサービスのため、システムの構築やメンテナンスなどは不要です。また、利用者も加盟店も、スマホのブラウザを使って専用サイトにアクセスするだけで利用を開始できます。特別なアプリなどをインストールする必要がなく、加盟店も決済用端末を準備する必要はありません」と中野さん。誰もが直感的に使えるよう、専用サイトの画面がシンプルにまとめられている点や、スマホ操作が苦手な高齢者などのため、二次元コードを印字した専用のカードを準備できる点も特徴だ。さらに、中野さんは「加盟店側がデジタルになじみが薄い場合は、店舗用の二次元コードを準備し、利用者のスマホから読み込むこともできます」と付け加える。
サービスに用いる基盤システムは、同グループが10年以上前から手掛けてきたデジタル通貨事業の核となるもの。実績が豊富なので、セキュリティ面でも稼働安定性の面でも信頼が厚い。運用ノウハウも万全で、導入時に必要な各省庁への届け出など各種手続きや、加盟店ごとの月次精算、メールによる利用者からの問い合わせ対応まで、様々な行程を同社に任せることができる。決済手数料を1.0%に抑えているため小規模店舗でも加盟しやすく、地域内のキャッシュレス化に弾みがつきそうだ。
地域独自のアイデアで多様な使い方が可能に
地域の消費を増やしたい!
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地域独自のデジタル通貨の流通
●キャッシュレス化の推進
●様々な活動を支える地域振興プラットフォーム
事業者や住民を応援したい!
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プレミアム付観光券や商品券などの電子化
●紙券よりも労力・コストを縮小
●地域経済の活性化
●地域の魅力向上による移住者の増加
地域活動を促進させたい!
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ボランティア活動のお礼や健康マイレージなど
●地域貢献活動への参加機会拡大
●住民の健康促進
税収を上げたい!
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ふるさと納税の返礼品
●返礼品送付コストの縮小
●関係人口の創出
●地域経済の活性化
複数の事業で活用することでキャッシュレス化推進に期待。
同グループの試算によると、自治体がこのサービスを導入し、約1億円分の地域通貨を発行・運用した場合、紙券と比較して、およそ65%のコスト削減(人件費を含む)が期待できるという。導入しやすく運用費も
安価な点、運用を一元的に任せられる点、さらに、コロナ禍の影響で非接触決済のニーズが高まったことなどから、令和2年12月の提供開始から現在までに、神奈川県小田原市や山形県長井市などが導入している。
「地域におけるキャッシュレス化の推進は、地域経済の活性化はもちろん、スマートシティ実現に向けた“カギ”でもあります。各種クーポン券など一過性のサービスだけではなく、まちづくりの柱の1つとして提案したいと考えています」と薄井さんは今後を見据える。
同社は今後、ボランティアなどの地域活動ポイントや、ふるさと納税返礼品としての活用などを提案しながら、地域金融機関との連携強化にも力を入れ、より利便性の高いデジタル地域通貨発行サービスを目指す構えだという。
事前準備不要で安価に始められるからスピーディ&スムーズな運用が可能。
「おまかせeマネー」の強み
●10年以上前から活用されてきた同社の基盤システムは、安心して使えるだけでなく、システムの構築やメンテナンスなども不要。
●決済用サイトは自治体ごとにオリジナルで作成する方式。例えばサイト上にご当地キャラクターを入れたり、同一自治体が複数事業で活用する際にはおのおののデジタル通貨の名称を入れたりと、柔軟にカスタマイズできる。
利用しやすい3つのポイント
1.初期費用や運用費が安価
類似するサービスと比較して、初期費用が比較的安価(同社調べ)。運用費も月額40万円、決済手数料1.0%に設定されているため、導入から運用まで安価で実現できる。
2.各種手続きから精算まで一元的に“お任せ”できる
各種手続きや、加盟店ごとの精算、利用者からの問い合わせ対応などを一括して代行。その分、自治体側の業務負担を減らせるほか、トラブル時の安心感や事業の安定性を確保できる。
3.データをもとにした、次の一手が検討できる
収集した利用履歴データを、導入自治体に“生データ”としてフィードバック。加盟店ごとの利用金額の推移などを参考にして、事業の次の展開や、新たな運用法を検討することができる。
スマホが苦手な人も専用カードで利用可能に
スマホ操作が苦手、またはスマホを持たない人でも利用できるよう、二次元コードを印字した専用カードも発行できます。加盟店側がスマホ操作に不慣れな場合、店舗用の二次元コードを発行し、利用者のスマホから読み込むことも可能です。
左:NTT東日本 経営企画部 営業戦略推進室
薄井 宗一郎(うすい そういちろう)さん
右:NTTカードソリューション
ギフトサービス事業部 営業グループ
中野 智彰(なかの ともあき)さん