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第3子以降が生まれた世帯を家事代行サービスで支える

掃除などの家事代行サービス
もう1人子どもを産みたいと思っても、家事や育児の負担が壁になる世帯は少なくないだろう。山口県では第3子以降が生まれた世帯に、家事代行サービス利用券を含む祝品を贈り、社会全体で子育てを応援する気運を高めようとしている。
※下記はジチタイワークスVol.46(2026年10月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
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山口県
こども・子育て応援局 こども政策課
主任 兼石 万里奈(かねいし まりな)さん
“3人以上”を望む人は半数近いが実際にかなえたのは約2割だった。
同県が平成30年に県民意識調査を実施したところ、子どもの数を巡る理想と現実の差が明らかになったという。「理想とする子どもの数を、3人以上と答えた既婚者は46.3%でした。一方で、実際に3人以上いる割合は22.4%にとどまり、大きな隔たりがあることが分かりました」と兼石さんは語る。そこで、社会全体で子育て世帯を応援する気運醸成のきっかけとして、祝品を贈る事業を立ち上げることになったという。
令和2年度から、第3子以降が生まれた世帯に、県産米との引換券を贈る事業を開始。「県民意識調査を実施したところ、その結果からは、希望通りの人数の子どもをもてない理由として、経済的負担に加え、家事や育児による心身の負担も大きいことが分かりました」。そこで、家事代行サービスを利用してリフレッシュしてもらい、負担感を和らげることで、少しでも“希望通りの人数の子どもをもつ”という理想に近づくための後押しをしたいと考えたのだ。実施に向けた調整では“なぜ家事代行なのか”という理由を丁寧に説明し、合意形成を図ったという。



安心して利用できることを重視し事業者が満たすべき要件を設定。
令和5年度より県産米の引換券に加えて、家事代行サービス利用券5万円分を贈ることとした。「事業の趣旨に沿うよう、対象となるのは事前に県が認めたサービス内容に限定しています。具体的には、掃除や洗濯などの家事代行とエアコンやレンジフードの掃除といったハウスクリーニングです」。
事業者登録の要件に関しては、利用者が安心してサービスを受けられることを重視したという。「料金形態が明確か、マニュアルがあり教育訓練がしっかりしているか、個人情報の取り扱いが適切かなどを要件としています。さらには、事故が起きた際の損害賠償や、問い合わせにしっかりと対応できるかなども含め、これらを県が審査し、事業者を登録しています」。
要件を満たした登録事業者の一つが、家事代行サービス「メリーメイド」を展開する「ダスキン」だ。日常の家事から専門的な掃除まで幅広く対応できる点が強みだという。また、同社はスタッフの採用時に身元保証書の提出を義務付けている。入社後は研修や情報共有を継続的に行うなど、技術・マナーに関する研修を徹底し、サービス品質を支える体制づくりにも力を入れている。さらに、全国に店舗があるため、都市部だけでなく広い地域に対応できることもポイントだ。

市町を問わず、県全体で応援し子育てしやすい環境を目指す。
同社が登録事業者に加わったことを、県として心強く受け止めているという。「県内に複数店舗がありサービスも幅広いので、利用しやすい体制を整える上で、大変ありがたい存在です。同社の地域本部が窓口となり、各店舗の登録や情報共有などの取りまとめをしてくれるのも、とても助かっています」。
取り組みを始めて約3年がたち、令和8年6月時点では、令和7年度に第3子以降が誕生した約1,300世帯に利用券を贈呈しているという。令和8年度には専用サイトを設け、家事代行サービス利用券や県産米、育児用品などの中から、利用者が希望に合わせて選べる形へ移行している。家事代行サービスは、家事にかかる時間を減らし、子どもと関わる時間を増やす有意義な支援として、引き続き期待を寄せているという。
同県は令和7年に策定した「やまぐち子ども・子育て応援プラン」にもとづき、今後も少子化対策や子育て支援に取り組んでいくという。「子育ての負担を、家庭だけで抱えるのは難しい面があります。だからこそ、市町の区別なく県全体で支え、子育てを社会全体で応援しているというメッセージを届けたいですね。“安心して子どもを生み育てていくなら山口県”と思ってもらえるよう、これからも取り組みを進めていきます」。




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