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ギフトカードによる給付で、職員負担を抑え住民満足度を高める

国や自治体の事業として、様々な給付が実施されている。受給を待つ住民のためにもスピードが求められるが、“人的リソースが限られている中、急げば急ぐほど職員の負担が重くなる”と悩む自治体も多いのではないだろうか。
東京都千代田区は、これまで2度にわたるギフトカードでの給付により、住民満足度を高めると同時に効率化も果たしているという。同区における庁内外での調整や、広報面の工夫など、事業成功のカギを探る。
※記事の掲載情報は公開日時点のものです。
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東京都 千代田区 地域振興部 コミュニティ総務課
コミュニティ政策担当課長 清水 学(しみず まなぶ)さん
現金ではなく、ギフトカードによる給付を選択

千代田区では、令和7年7月に「物価高騰対策区民の暮らし支援事業【第1弾】」を、令和8年4月に同事業の第2弾を実施した。全ての区民に対し、第1弾では5,000円相当、第2弾では1万円相当のギフトカードを配付するという内容だ。
同区が採用したのは、「インコム・ジャパン株式会社」が提供する「Visaギフトカード」。国内約750万(※1)の店舗で利用できるプリペイド型カードで、オンラインでも使用可能。紙の商品券や独自の地域Payと異なり、全国の既存Visa加盟店インフラをそのまま活用できる。また、自治体は郵送で配付できるため、職員が振込口座を確認する手間などを削減でき、住民も申請手続を要せず、速やかに支援を受けられる点がポイントだ。さらに、発送後の利用状況も追跡できるので、利用率や使途の分析といったデータ管理ができる点が強みだ。令和8年6月時点で、全国60の自治体がこのカードを採用している(※2)。
同区は、このカードを第1弾の事業で導入した際の経験をふまえ、第2弾でも続けて採用することを決めたのだという。「同カードには様々なメリットがありますが、中でも配付スピードの迅速化と、職員の負担軽減に貢献する部分を高く評価しています」。

千代田区では、令和7年7月に「物価高騰対策区民の暮らし支援事業【第1弾】」を、令和8年4月に同事業の第2弾を実施した。全ての区民に対し、第1弾では5,000円相当、第2弾では1万円相当のギフトカードを配付するという内容だ。
同区が採用したのは、「インコム・ジャパン株式会社」が提供する「Visaギフトカード」。国内約750万(※1)の店舗で利用できるプリペイド型カードで、オンラインでも使用可能。紙の商品券や独自の地域Payと異なり、全国の既存Visa加盟店インフラをそのまま活用できる。また、自治体は郵送で配付できるため、職員が振込口座を確認する手間などを削減でき、住民も申請手続を要せず、速やかに支援を受けられる点がポイントだ。さらに、発送後の利用状況も追跡できるので、利用率や使途の分析といったデータ管理ができる点が強みだ。令和8年6月時点で、全国60の自治体がこのカードを採用している(※2)。
同区は、このカードを第1弾の事業で導入した際の経験をふまえ、第2弾でも続けて採用することを決めたのだという。「同カードには様々なメリットがありますが、中でも配付スピードの迅速化と、職員の負担軽減に貢献する部分を高く評価しています」。
※1 令和8年4月時点 同社調べ
※2 令和8年6月時点 同社調べ
▼Visaギフトカードの詳細は以下記事でもご覧いただけます
約10人で対応していた業務が、兼務の2人で完結
第1弾の検討が始まったのは令和7年7月。全区民を対象とした給付事業は、既存の福祉・子育て事業と異なり、区役所に口座情報が登録されていない現役世代が大半を占める。「従来の現金給付では、全世帯からの申請回収や振込口座の確認業務に膨大な手間と人員を要し、給付までの時間もかかってしまいます。そこで、区民と職員双方の負担軽減とスピード感のある給付の両方をかなえる手段として、申請不要で手軽かつ迅速に郵送できるVisaギフトカードを採用しました」。


配付当初は、初めての取り組みだったこともあり“どこまで受け入れられるか”という不安もあったが、区民の反応は予想以上に好意的なものだったという。「配付と同時に区民アンケートを実施したところ、“給付方法はカードで問題ない”という回答が54%でした。現金やデジタル形式などの選択肢に回答が分散することを想定していましたが、5割を超える支持を得られたことは評価に値するものだと受け止めました」。
また、区民だけでなく、職員側のメリットが大きかったと付け加える。「コロナ禍の給付事業は現金でしたが、その際はプロジェクトチームを立ち上げ、専属の職員が4人、応援職員が数人という、約10人体制で取り組んでいました。しかし本事業では兼務の2人だけで十分に対応ができています」。
この第1弾での確かな実績と区民の反応を受け、第2弾においても迷うことなく同カードのリピート導入を決定したという。
データによる導入効果の可視化が議会での後押しに
第2弾は、国が令和7年12月中旬に発表した「令和7年度補正予算の成立を踏まえた『重点支援地方交付金』の取扱い等について」という通知にもとづくもの。すでに同カードの利便性は把握済みだったので、庁内の合意形成もスピーディに進行。同月末の臨時議会で事業内容が可決された。「第1弾のカード利用に関するデータが同社から出ていたので、それをもとに議会で経過報告をしていました。現金給付など、ほかの手法では示すことができない給付の消化率や、区内でどの程度使われているかといったデータを、数値として示せたのが良かったと思っています。質問などは受けましたが、議会にも後押しいただいていると感じました」。
「検討期間もさることながら、12月末の議会可決から4月頭の配送開始まで、わずか3カ月という非常にタイトなスケジュールでした。第1弾に引き続き、全区民分(約7万枚)という大きな物量を遅延なく手配できるかが最大の課題でしたが、インコム・ジャパンならびに各関連会社(※)との連携基盤がすでに確立できていたことが成功の要因となりました。区が求める高いセキュリティレベルを順守しつつ、配送トラブルもなく約15日間で全区民への配付が実現できたのは、この体制あってこそだと高く評価しています」。
※本事業は、ギフトカード取扱事業者であるインコム・ジャパン株式会社のほか、事務を株式会社アテナが、配送を日本郵便株式会社 東京支社が担い、3社の連携のもと実施された。

経験をもとに取り組みを拡充、さらなる効果へ
第2弾を実施するに当たり、スピーディな配付の次に重視したのは給付の“消化率”だという。「第1弾のアンケートで多く寄せられたのが、残高が少なくなった時の対応に関する声でした」。
現金との併用ができるかどうかは事業者によって対応が異なる。そこで同区は、事業者への取材を改めて徹底し、“現金との併用ができる店舗”の一覧を充実させた。店舗に配付するポスターもデザインを変更し、併用可能な店舗が分かりやすいように工夫。使い方に関する周知動画もアップデートするなど、区民の利便性を高めるための作業を進めていった。

また、商店街連合会の会合にも出向き、取り組みの目的や内容などを改めて周知。「本来、商店街連合会とのやりとりは商工観光課が管轄です。同課とも連携して情報共有しながら、連合会とのコミュニケーションを図っていきました」。このようにして、地元の理解と協力を要請していったという。
こうした地道な働きかけを進めていく中、印象的な風景も目にしたそうだ。「ある地域の会議でギフトカードの説明をしていたところ、会場から質問が入りました。でも私が答えるより先に、他の来場者が『そんな場合はこうすれば使える』と質問者に教えてくれたのです。カードの使い方も浸透していると実感しました」。
実際、第1弾と比較しても成果は順調に伸びていたという。配付開始から3カ月間のアンケート結果を比較すると、“使用方法が分かりやすかった”という回答は40%から56%に、給付方法が“カードで問題ない”という回答は54%から60%に上昇(※1)。実際の消化率も同時期比で約3.8ポイント上昇している(※2)。
同時に、コールセンターへの問い合わせは第1弾の同時期と比べ約40%まで減少(※3)。職員の事務作業に関する負担も減っているという。「現金給付をしていた頃と比べて、全体コストが下がっているのはもちろん、職員の負担もずいぶん軽くなりました。トータルで考えて、このカードを超える手段は今のところ見つけられていません」。

※1 千代田区「暮らし・コミュニティに関するアンケート結果報告」より(令和8年4月2日~5月31日実施)
※2 第1弾、第2弾における配付開始後3カ月時点での消化率の比較。千代田区提供データより
※3 第1弾、第2弾における配付開始後3カ月時点でのコールセンターへのカード利用に関するお問い合わせ件数累計の比較。千代田区提供データより
地域への愛着醸成につながる意外な使い方も

ギフトカードの持つ特徴と強みを活かし、給付事業の迅速化と充実化を果たしている同区の取り組み。ちなみに配付しているカードは、地域への愛着を深めてもらうためにオリジナルのデザインにしているそうだ。「カードの写真を撮ってSNSにアップしてくれている人が思いのほか多く、区民にも愛着を持っていただいていることを感じます」。
また、プリペイドカードは使い切ってしまったら処分される運命だが、同区では二次利用のアイデアを発案。区内でのイベント開催時に、会場でカードを提示してくれた人には景品を用意していると告知したところ、約200人がそれに応えてカードを持参したという。
「景品は、区内のコミュニティ強化に向け、町会一覧を印刷したハンカチです。カードがきっかけで区民同士のつながりを生むきっかけになればと願っています」。こうした取り組みが他にもできないか、現在検討中とのことだ。
区民のシビックプライド醸成にも貢献している同カードだが、やはり一番の成果は職員の負担軽減だと清水さんは強調する。「行政サービスのスピード化と、職員の負担軽減は相反していて両立は難しそうに思えます。しかし、2回の給付事業を通して、このカードであれば両方がかなうと感じました」。
加えて、事業実施後のデータが収集できることにより、効果測定やEBPM※につなげられることも大切なメリットだと語る。同区が見いだしたギフトカードという新たな給付手段は、“現金に代わる”ではなく“現金を超える”役目を果たしているといえるだろう。

ギフトカードの持つ特徴と強みを活かし、給付事業の迅速化と充実化を果たしている同区の取り組み。ちなみに配付しているカードは、地域への愛着を深めてもらうためにオリジナルのデザインにしているそうだ。「カードの写真を撮ってSNSにアップしてくれている人が思いのほか多く、区民にも愛着を持っていただいていることを感じます」。
また、プリペイドカードは使い切ってしまったら処分される運命だが、同区では二次利用のアイデアを発案。区内でのイベント開催時に、会場でカードを提示してくれた人には景品を用意していると告知したところ、約200人がそれに応えてカードを持参したという。
「景品は、区内のコミュニティ強化に向け、町会一覧を印刷したハンカチです。カードがきっかけで区民同士のつながりを生むきっかけになればと願っています」。こうした取り組みが他にもできないか、現在検討中とのことだ。
区民のシビックプライド醸成にも貢献している同カードだが、やはり一番の成果は職員の負担軽減だと清水さんは強調する。「行政サービスのスピード化と、職員の負担軽減は相反していて両立は難しそうに思えます。しかし、2回の給付事業を通して、このカードであれば両方がかなうと感じました」。
加えて、事業実施後のデータが収集できることにより、効果測定やEBPM※につなげられることも大切なメリットだと語る。同区が見いだしたギフトカードという新たな給付手段は、“現金に代わる”ではなく“現金を超える”役目を果たしているといえるだろう。
※EBPM=Evidence-Based Policy Making(証拠にもとづく政策立案)
お問い合わせ
サービス提供元インコム・ジャパン株式会社
東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル41F
E-mail:kiigob2b@incomm.com
TEL:03-6279-4881















