ジチタイワークス

雨にも風にも負けず河川を監視する‟電波式水位計”が誇る実力とは?

全国で相次ぐ豪雨災害。被害を少しでも抑えるためには、河川の状況を安定的に監視できる信頼性の高い計測機器が必要だ。河川の水位計を開発している「マツシマ メジャテック」の後藤さんと鍋内さんが、現状の課題とその解決策を語る。

※下記はジチタイワークスINFO.(2021年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 [提供]株式会社マツシマ メジャテック

拡大し続ける水害被害と全国に配置された水位計の現状。

令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨など、近年は記録的な大雨による水害が後を絶たない。それは国内の水害被害額※1の統計にも如実にあらわれており、平成26年は2,938億円であった被害額が、令和元年は2兆1,799億円に達するなど、この5年間で7倍以上に膨れ上がった計算だ。この数字だけ見ても自治体への影響は大きく、財政に大きな負担がかかっている。こうした状況を改善しようと、国土交通省は、平成30年1月に「危機管理型水位計の観測基準」を策定。水位データの基準などを統一化し、活用を促進することで住民避難の支援や洪水予測に役立てようとしている。

この水害対応に欠かせないのが“水位計”だが、現在流通しているものは圧力式・超音波式・電波式の3種類が中心。これらにはそれぞれの特性があると後藤さんは説明する。「圧力式の水位計は最も多く使われていますが、水中に沈めて計測するため、保護管などの付帯設備が必要です。土石流による流失や破損、堆積物や浮遊物による誤作動の可能性もあります。また、超音波式は風雨や温度変化の影響を受けやすいという特性があります」。

つまり、水位計のデータを最も必要としている災害時は、計測環境においても厳しい状況にあるということだ。しかし、住民の命を守るためには、正確な計測を安定して行えることが必須。そこで、こうした課題を解決できるものとして同社が提案するのが“電波式水位計”だ。
※1 国土交通省・水害統計調査より

危険な豪雨や暴風の中でも正確な水位を安定して知らせる。

電波式水位計はマイクロ波を利用し、直接水面に触れずに水位を計測するため、圧力式のように水中での物理的干渉を受けることがない。また、マイクロ波の特性上、風雨や気温の影響もほとんど受けず、台風などの過酷な環境下でも安定した計測が可能だ。そうした長所に加え、鍋内さんは、「水面までの測定距離が、平均10mに対し最大20mと倍もあり、実際に暴風雨の中でも14mを計測しました。放射角(電波の広がり)も約8度と狭く、幅の狭い水路などにも設置しやすいという強みがあります」と胸を張る。

同社はもともと、サイロ※2やタンクなどに貯蔵されている液体・粉体・塊体の計測機器を販売していた。「小麦粉などのタンクでは、粉が舞う中での正確な計測が求められます。それを実現してきた当社の技術を、より広く活かせないかと考え、近年の水害対策に向けて開発しました」。そうして、令和元年にリリース。すでに複数の自治体で導入されており、国土交通省が運営する民間新技術のデータベース「NETIS」※3に、“安定計測電波式水位計”として登録されている。
※2 工業原料や農産物、飼料など各種物資の能率的な集配と貯蔵のためバラ積み方式の容器を用いた倉庫
※3 N E TIS=New Technology I nformation S ystem:新技術情報提供システム。国土交通省によって運営されている、民間新技術の情報共有・提供データベース

危機管理の新たな選択肢で地域を守り、職員も守る!

もちろん、電波式水位計のデメリットもゼロではない。後藤さんは「圧力式や超音波式と比べて、機器が割高になる可能性があります」と語る。ただし、「付帯設備が少ないので、設置が簡単で故障するリスクが低い。よって、メンテナンス頻度も少なく長期間運用できるといった点から、トータルコストは改善されるはずです」と付け加える。また、故障が少なければ、職員が機材確認のために現場へ出るケースはおのずと減少する。事故が起きやすい災害発生下での作業も減らすことにつながるため、業務負担の大幅な軽減が見込める。

水害対策においては、精度の高いデータによる的確な事前予測と、大規模な災害時にも安定して情報収集できる仕組みが欠かせない。新規で水位計を設置する際、あるいは既設のものを更新する際には、電波式水位計を新たな選択肢として視野に入れてみてはいかがだろうか。

マツシマ メジャテック 特販室
左:後藤 広和(ごとう ひろかず)さん
右:鍋内 浩(なべうち ひろし)さん

安定稼働する電波式水位計が住民と地域を水害から守る!

“自社技術を地域のために役立てたい”そんな発想から生まれた同社の電波式水位計。過酷な環境で培った技術で地域の安全に貢献する。

マツシマの電波式水位計の強み

1.最小限の機器で管理負担が少ない

非接触で計測できるため、水中での衝突や土砂の堆積、生物の付着などがなく故障が起きづらい。付帯設備や消耗品もないためメンテナンス性にも優れる。

2.設置環境を選ばない機器仕様

▲事例(樋門)
取り付け位置から水面までの測定距離は約15m、水路の幅約2m。このように、比較的高く、かつ幅の狭い場所でも測定が可能。また、雨天時では草についた雫の反射を誤って測定する可能性があるが、同社の水位計は、放射角が狭いため、土手やまわりの草などといった不要反射の影響を受けにくい。

理由1:放射角が狭い

不要反射の影響を受けにくい放射角を実現。一般的な計測器のものより狭く、設置場所の制限が少ない。

理由2:測定距離が長い

最大測定距離は業界トップレベルの20m。高い位置からの観測が可能で、幅広い条件に対応する。

3.計測精度が悪天候に左右されない

霧や蒸気などによる視界不良はもちろん、暴風・豪雨などの環境下でもほとんど影響を受けずに計測できるマイクロ波を利用。悪条件下でも、安定的に水位データを収集できるため、台風や線状降水帯の発生など、いざというときにその真価を発揮する。

国土交通省「NETIS」登録の信頼性!

サイロ内の小麦など様々な計測対象で鍛えられた技術を投入し、自治体の危機管理のために開発しました。NETISに登録されたのは信頼性の証だと自負しております。商品の詳細などは気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

株式会社マツシマ メジャテック

TEL:052-679-6301(担当:後藤)
住所:〒456-0013
   愛知県名古屋市熱田区外土居町9-14
   トキワ外土居ビル5F

HA×SHで資料をダウンロード

メールで問い合わせる

※は必須項目です
記事タイトル
自治体名
部署・役職名
お名前
電話番号
メールアドレス
ご相談内容

ご入力いただきました個人情報は、ジチタイワークス事務局がお預かりし、サービス提供元企業へ共有いたします。
ジチタイワークス事務局は、プライバシー・ポリシーに則り、個人情報を利用いたします。

上記に同意しました

このページをシェアする
  1. TOP
  2. 雨にも風にも負けず河川を監視する‟電波式水位計”が誇る実力とは?